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和解の方法について書こうとしていますが、私自身はリハビリの専門家ではありませんし、パーキンソン病の患者さんは私の母親唯一人しか知りませんので、お一人お一人で大変に違ってくると言われています、多様な症状に対しての具体的な方法等につきましては、書ける立場にもありませんし書けるわけもございません。
それではパーキンソン病専門の理学療法士の方がおられて、いつでもどこでもその指導を受けられるようになっているかと申せば、全くそのようになってはいないというのが、現実ではないでしょうか。
先日テレビで嚥下障害のためのリハビリとして、次のような体操が紹介されていました。あわててメモりましたので、間違いがありましたらどなたか訂正願います。
(1)首の運動として前後と左右にゆっくりと動かす。
(2)肩を上げて力を抜いておろす。
(3)口をギューッと結ぶ。次に大きく開ける。
(4)舌を前に出す。そのまま左右に動かす。
この体操で嚥下障害の改善が見られるのであれば、パーキンソン病の患者さんは、ゆくゆくは嚥下障害という現実に直面することになる可能性が高いわけですから、診断されたその日からこのような体操を、自分の日常生活の中に取り入れてしまっておくべきではないでしょうか。そうすれば、その発症を少しでも遅らせることが出来るはずです。
この体操を、目を閉じて何を目指しているのか考えながら、一度ゆっくりとやってみてくださいませ。そうすればどのようなことに取り組めば嚥下障害が改善されるのか、少しずつ見えてくることになると思います。
口やあご・舌・のど・首まわり・肩の筋肉をほぐすようにすれば良いのだということに、気付かされないでしょうか。つまりそれらの筋肉が萎縮硬化してくるということが、大きな原因の一つになっていると言えるのではないかと思います。
但しパーキンソン病の場合はそのような面だけではなく、飲み込むために自動的に行われる複雑な連続運動が、次第に緩慢になってくるという面も加わってきますので、大変に厄介な問題であるわけですが、諦めずに早い段階から取り組んでおくべきではないでしょうか。末梢の機能の低下を放置しておけば、それに呼応する中枢の機能の低下も早めることになるように思いますから。
この体操は、厚生省から出ています「パーキンソン病のリハビリテーション」の中に全て入っていますが、皆さんご存知でしたでしょうか。そして口まわり・首まわり・肩の筋肉をほぐすための体操は、もっときめ細かく用意されています。このリハビリは嚥下障害のためだけではないのですから、当然のことです。
リハビリ体操をやる時に大切なことは、これは嚥下障害のためなどと考えてやるということよりも、一つ一つの体操がどの筋肉および関節をほぐそうとしているのか、またどの筋肉を鍛えようとしているのか、そのことを頭の中ではっきりと意識して取り組んだ方が良いと思います。形だけを真似るようなやりかたでは、効果が薄いと思われますから。
この厚生省から出ていますリハビリは、パーキンソン病の患者さんの諸々の症状を充分に視野に入れた上で、出来上がっているのではないかと思われますので、予防の目的をも含めて、全ておろそかには出来ないように思います。
患者さんの中には、このリハビリの全てをやることは無理な方もおられると思いますので、自分で出来るところから始めて、無理のないように少しずつ増やしていくようにされたら良いのではと思います。そうしますとやれないと思っていたことは、実は出来ないからだになってしまったと思い込んでしまっていたからなんだ、ということに気付かされることになるのでは、と思ってみたりもします。
但し決して無理なことをされずに、半年もしくは年単位での変化を求めて、辛抱強く取り組んでみて下さいませ。
機能障害が出ていてまだリハビリを受けておられない方は、リハビリに取り組んでもらえる病院をさがして,ぜひリハビリを受けてみて下さい。その時に大切なことは、療法士の方に寄りかかってしまう一方的な受身ではなく、毎日家で取り組むことの出来る、自分に合ったリハビリのメニューを処方してもらう様にして下さい。それと一つ一つの体操の意味や注意点を充分に尋ねて、自分で理解しておくことも大切なことです。
なかなかそのような事に対応してもらえなくとも、諦めずに、粘り強くお願いしてみて下さいませ。パーキンソン病専門の理学療法士の方は、殆んどおられないといっても良いぐらいだと思いますので、患者さん本人が本気で取り組もうという強い気持ちを持っていなければ、誰もそのような事には積極的に取り組まれないように思います。
それでもだめな時には、そのような話に耳を傾けてもらえるような病院を、自分でさがす以外にないように思います。
まだ機能障害が出ていない方は、リハビリの対象にはならないと思いますので、ヨーガ教室もしくはストレッチ教室等に参加されて、全身のからだのほぐし方を学んで、自分の日常生活の中に取り入れるようにして下さいませ。放っておけば筋固縮から関節拘縮の方へと、否応なく傾いていく病気ですから、諦めずに早い段階からほぐし続けておくことが大切なように思います。
H10年末に母親の筋固縮に気付きました時に、同時に、おなかの中の循環もあまり良くないことに気付かされました。パーキンソン病では運動障害だけでなく、自律神経障害として、便秘・排尿障害・起立性低血圧・発汗過多等の症状が現れてくると言われていますが、そのような面からおなかの中の働きにも、何がしかの影響があるのではないでしょうか。
「パーキンソン病における緩慢な運動は四肢だけではなく、腸管を含めた全ての身体運動に見られるようです。多くの患者で便秘は頻度も高く、再発しやすい症状です。」※(1) と書いてあります。 運動が緩慢になるということは、少しずつ廃用性萎縮の方へ傾いていくということだと思います。つまり萎縮して硬くなってくる、肩がこるように腸管等もこってくるということでしょう。
人のからだに備わっている反射機構の中に、内臓ー体性反射及び、体性ー内臓反射という機構があります。つまり内臓に異常が発生すれば、からだに影響が現れ、体に異常が発生すれば、内蔵にも影響が現れてくるというものです。からだが萎縮硬化してくれば、内臓に何も影響が無いわけがございません。
更にパーキンソン病の患者さんは,諸々のストレスにさらされる事になるわけですから,そのような面からも内臓は十分に影響を受けることになるはずです。
そのように考えてきますと、パーキンソン病の患者さんはからだだけではなく、内臓もほぐし続けなくてはいけないのではないでしょうか。
そのための一つの良い方法として、「丹田呼吸健康法」※(2) というのがございます。やるやらないに関わらずに、ぜひ一度読んでみて下さいませ。このようなことに取り組まれた方はいらっしゃらないでしょうか。私自身としましては決して無駄ではない、というよりも、和解のための一つの有効な方法となるように思うのですが。
但しこの呼吸法は、講習を受けなければ出来ないと思いますので、可能な方はぜひ講習を受けてみてください。それが無理でしたら、腹式呼吸だけでも取り入れてみて下さい。それだけでもからだは大変に助かるように思われます。
和解の方法やその他につきましては、もう少し書いてみたいことがありますので、遠からずホームページに載せるつもりでいます。
以上がわずか一人の患者をとうしての感想ですが、一偏見とでも言った方が良い内容なのかも知れません。ご意見・ご感想等がございましたら、お聞かせくださいませ。
それと、自分はこのような事に取り組んで、このような改善の体験をしたので、ぜひ皆さんに試して見られることをお勧めしたい、という実体験がございますれば、躊躇することなくお知らせ願えないでしょうか。
以前に、介護の知識や技術を社会の共有財産として運用するための、「介護の社会化」という事が叫ばれました。そのような面では、パーキンソン病の患者さんたちは殆んど孤立した状態であり、どうしょうもない事として諦めておられるのかもしれません。
「降参なしの和解」のための余地は、残されてはいないでしょうか。
※(1) 「パーキンソン病とたたかう患者・家族へのガイド」 第4版
ロジャー・C・デュボワサン
ジャコブ・セージ著 創造出版刊
※(2) 「丹田呼吸健康法」 村木弘昌 著 創元社刊