2002年11月8日 (金) 2:00〜3:00
北海道社会保険病院との話し合いの内容
参加者
・患者の会: 島田、他代表2名
・道社保病院: 岸 不盡彌 病院長、木村 司郎 事務長、後藤 次長
----会話内の敬称は略させていただきました。----
Pt. 1
・・・(挨拶等)・・・
木村: 先だってお手紙と署名をいただいたので直接お話を伺いたいと。
島田: 今日はご回答を下さるということでお伺いしたのですが。
木村: 若干先日いただいた署名ですね、何軒か知った人がいたもんですから、その趣意書というものは今日お持ちですか、その時まわした。
島田: 申し訳ありません。今日は持ってきておりませんが、お送りしたお手紙とほとんど内容は同じです。
木村: たまたまですね、中に洞爺の商工会の方がまとめられたやつがあって、ちょっとそちらのほうに聞いたら、ちぐはぐな返事になっちゃって。この方がおっしゃるには、洞爺に温泉病院がありますよね。そちらに歯科があります。それがなくなると皆さん困るからということで皆さん書いたのじゃないですか、とまあこういう話もあったりしたもんですからね。ちょっと趣意書をお電話した後に拝見できればなと思ったわけでして。
島田: これはあくまで北海道社会保険病院歯科の口腔外科ということで指定してお願いしたものです。
木村: 全国からあったものですからね、うちの病院とかかわりのない方も相当ありますし。
島田: 何故かと申しますと、お手紙にも書きましたとおり、今、4月からの診療報酬の改正で経営面を重視するあまりにいろんな診療分野が閉鎖されたり必要な医療を制限したりするところが増えてきております。ここだけではなく全国的な問題に広がっていると考えております。ですから、このような運動をし出したときに全国から協力してくださる方が現れるのは、当然の流れだと思います。
木村: そういう意味ですね。ひとつのことじゃなくて、今全国にある歯科・歯科口腔外科、そのトータルなものを捉えてこういう運動を皆さん方はされていると。で、ちょっと、あの、島田さんが何をされてる方かというのがちょっと僕には・・・(島田の名刺を見る)。実はですね、同じ様に歯科の開業している先生方の署名も実はあるんです。
島田: その話は聞きました。
木村: そのお二人ともお会いしましてね、お話直接したら、もう2度といたしませんと、皆さん納得してこれ以上何もしませんからと、歯科の関係する方々ですね。そういうお話終わってるもんですからね、また突然来られたんで、どういうかかわりのある、なんかの・・。まあ、今までみなさんどこどこの歯科、医師、だれだれ、ということで来られてたんですね。
島田: 私たちはあくまで患者です。
木村: いわゆるそういう意味ですね。
島田: お医者様もいらっしゃいますけれども、あくまで患者の立場として、自分達が必要としている医療がどんどん制限されてきている、特にここの歯科口腔外科にかかっている患者というのは、手紙にも書きましたけれども、一次医療でずいぶん苦労した人が多いです。一次医療のところで、たとえば奥歯の麻酔が効かなかった人がいます。その人は麻酔が効かないのに抜髄をするわけですから、ものすごく痛くて実際泣いたそうです。そしてその後恐ろしくて2度と歯医者に行けなくなったという、そういったPTSDの方もいるんですね。そういう患者さんを見てくれる歯医者さんはいないんですよ。そんなに怖いんなら来なければいい。そういう患者も見てくださったのがここの口腔外科でした。
木村: もうひとつお伺いしていいですか。私どもの秋月は昔からご存知で。
島田: 私は5年前からこちらにかかっております。
木村: 島田さんが家の病院で受診をしてた、そういうことで。
島田: はい、私は患者です。
木村: (他の代表2名に対し)お二人は?
患A: 僕は患者ではないです。
木村: いや、僕らんとこはすぐもう受診者のデータ持ってるからね。(患者の会代表Bを見る)
患B: いえ。
木村: 島田さんは、こちらに、口腔外科で?
島田: ええ。私もありとあらゆる口腔外科に行きました。
木村: ああ、いろいろなとこ行って、うちにも来てた?
島田: はい。それで結局助けてくださったのは、こちらの社会保険病院の口腔外科でした。
木村: いつ?今も来てらっしゃいますか?
島田: 今も通っております。
木村: 口腔の方の問題はいつ頃から?
島田: 顎関節症ですか?もう20年になります。
木村: うちの病院に最初に来られたのは?
島田: 5年前です。
木村: 秋月がこちらに来たのが・・・、来てからですね?
島田: そうですね、97年が初診で・・・。その前にいろんな口腔外科を回りまして、結局自分が納得の行く治療をしてくださったのが秋月先生だけだったんですね。
木村: 大学病院は?
島田: 大学病院も行きました。
木村: 北大?
島田: 北大も行きましたし、旧東日本、現医療大も行きました。
木村: そうですか。
島田: この中で患者は私だけですけれども、こちらに来ている患者さんというのは大体4割が他の病院からの紹介で来ていらっしゃいますし、特殊な方が多いんですね。二次医療機関に行ってた方でも、大学病院というのはとても偉いんですね。口腔外科の治療はしてくださいます。たとえば、顎関節症で口が開かなくなって、私もそうめんすら入らないぐらい開かなくなったんですね、それをたとえばピボット式のスプリントなどで開けられるようにはしてくれます。そうしたら、下顎が動いてるわけですから噛合わなくなるんですよね。何も噛み切れなくなるんです。そのときに補綴治療が必要になってくるわけです。その補綴治療は一般歯科に行け、というんですよ。ほんとうは一貫治療が必要なわけですよね。だって、一般歯科に行って、歯の高さを変えました、クラウン被せました、そうするとまた下顎が動いて症状が出てきます。そしたらまた口腔外科で治療という、行ったり来たりになります。一般歯科とその口腔外科との間に何の連携もありません。だからただ患者はこれはこっちであれはあっちでと行ったり来たりするだけですよね。そして、一貫治療、しかも一人の先生が全部やってくださるのはここだけなんですね。たとえば医療大に行きます。たとえば補綴にかかったとしますね。補綴にかかってて、じゃ、保存の方が必要だとなったら、その補綴の先生が保存科に言ってくださって、保存科に回されて治療を受けます。そしてまた補綴に戻る。そして今度口腔外科が必要だとなると、口腔外科に回されて違う先生が診る。そしてまた補綴に戻る。これは北大でも同じことです。
ですから、一人の先生が最初から最後まで1人の患者をほんとうに把握して、一個の人間として生活できるようにまで立て直してくれるのはここの歯口科だけです。私の経験ですけれども。医療機関はたくさんありますけれども、ここの歯口科はそういう意味で本当に特別な存在なんですよね。それがなくなるというのは、私たちにとって本当に大きな損失なんです。どうしたらいいかわからない患者さん達がたくさんいます。今二次医療をやってくださっているところって、北大、医大、医療大、市立、そのぐらいですよね。あの込み合ってるところに今から入るのって大変なんです。ですから、今ようやく治ってきた方は、これからどうすればいいのかなって思っています。ですから、もしも存続が可能性としてあるのでしたら、残していただきたいというのが私たちの願いです。
また、ウェブサイトを拝見いたしましたら、この11月になってから更新されてできたこの新病棟の
“フロアのご案内”、こちらですね(印刷ページを見せる)、この5階のところに歯科口腔外科って入ってますよね。事務長さんのお話でしたら、もう9月に廃止が決定したということでした。で、これ(印刷ページを指して)を更新なさったのは11月ですよね。11月の時点で5階の北病棟に歯科口腔外科が入ってるっていうことは、残すということなんでしょうか。
岸: いえ、現にやってますからね。ですからそれははずさないでそのまんま残してあるんですね。最終的にそれをきるのが実際に業務を休止した時点ということになるんですね。
島田: 歯科口腔外科受付の前に貼ってある貼り紙によりますと、この新病棟移転を期に廃止するっていうことですよね。そしたら、ここには入らないんですよね、歯科口腔外科は?
木村: いや、だから終わってない。それは病棟なんです。病棟は今まだやってますから。だから外来棟はね、来年3月完成を目標に工事やってると思うんですね。
島田: じゃ、これはあくまで入院病棟のお見舞いの案内なんですね。
木村: 入院病棟としては現在もやってますけれど、入院患者は1人もいません。病棟として持っているということですね。特別になになにって書く必要はないんですけどね、お見舞いに来る人たちがそういうのを見てきますからね。先月、先々月ぐらいまではお一人いましたからね、入院している方がね。ま、3月までは秋月先生きちっとやりますからと言ってくれてますんでね。そういうわけで、病室等はありますから。
島田: この件に関しては了解いたしました。
患A: 話が前後になって申し訳なかったんですが、事務局長のほうは我々の背景というか、そういうことも気になさってるんじゃないかと思うんですけれども。私も署名した一人なんですが、たぶんご心配になるような背景は本当になくて、今島田さんが言ったように、患者の立場としてお邪魔したというようなことで、まず考えていただきたいと思います。
それで、お時間もったいないですから、とりあえずこれからはですね、島田さんの方が出した質問事項に対する回答ということでお話していただいてよろしいですか。
木村: あ、これお渡ししますよ。これはですね、9月の段階で、ちょっと2枚しかないんで・・・(後藤次長にコピーに行かせる)。あの、9月にですね、私どもが今まで患者さんを送ってくれた病院・診療所・関係機関・厚生大臣を含んで、ですけれども、9月に廃止という形で出しました。これについては秋月先生も了解事項です。手続き的に言うと、もう全体に回ってます。
島田: それはあくまで医療機関に対するものですね。
木村: そうです。ですから当然新しく作る外来棟には診療科ございません。これ、昨日今日始まった話じゃなくて、2年前からの話ですから。まあ、秋月先生の話を聞いてればわかると思いますけどね。2年前に今病院を建て替えるのかということでした。その過程でもう話として出てたことなんです。
島田: その時に患者に対するリサーチというのは行ったんですか?
岸: いや、患者さんに対しては特に何もされてません。
島田: たとえば、患者が何を必要としているかということを・・・。当然やっぱり病院は、これからの生き残りをかけたこの時代には、患者ニーズを把握することはとても大事なことだと思うんですね。患者ニーズを把握することは病院経営戦略の一つですよね。そういうことは何かなさったんでしょうか。
岸: それはしてません。と言いますのは、この病院に歯科を設置した最初の理由と言いますのは、もともと結核療養所だったわけですね。その中で、非常に長期間入院されるということで、そういう人たちの歯科の診療が非常に困ると、で、外に行って診療受けるわけに行かないということから歯科を設置して、結核の患者さん達の歯科治療のために設置したと言う経緯があるわけですね。で、その中で結核の患者さんが今どんどん減ってまいりまして、今46床で、まあこれもあと1年半でほとんど廃止ということが決まったもんですから、そういう中で歯科を置いておくという本来の目的がなくなってきたということがありますね。で、たまたま一般総合病院という形になってきたもんですから、一般医療としても歯科を、外来の患者さんもお受けして診てるという状況はありますけども。病院としてはそういう目的でスタートしていたもんですから、現時点で口外を継続していくかどうかということを検討したということが2年前から起こってきています。それで、現在に至ったということですね。
木村: (後藤次長がコピーを持って戻り、関係各位に送ったという書面を我々に手渡す)
それじゃ、中でやってることをお話しましょうかね。今のお話、廃止するという経過でしたけどね。事務的にお話させていただくというと、赤字については負債を含めて30億です。社会保険病院の存続問題がいろいろ新聞に載ってますからおわかりかと思いますけども、全体で2割統廃合すると。これ国の方針ですね。ですから、その赤字問題が解決つかなければ、この問題は一先生の問題じゃなくて、もう病院自体なくなると、こういう状況ですね。
それで歯科口腔外科の廃止がそれにどういうふうに関わっているかということになると思いますけど、まあ、あくまで試算ですが年間ですね、ま、先日も個人開業の先生お二人来て、ああそうですか、って帰ったんですけどね、まあこれは約4千万・5千万の収入になんですね。約1千万弱の赤字がありますね、年間に。
島田: 歯口科だけで年間1千万弱の赤字になっているということですね。
木村: はい、1千万弱だと思いますけどね。外来の患者さんが1日18人なんです。ま、これは考えられないと。医療大学の先生おっしゃった、25人が普通でしょうと。しかも経営してですね。ですから、皆さん方の社会保険病院なら国から補助もらってやってるだろうとお思いの方いらっしゃるかもしれませんけど、国からの補助はゼロです。あくまでも、土地と建物を国で整備するんで、あとの医療機械は全部自前でして、費用も全部自前で払いなさいと。完全な独立採算です。それがあるんですね。なぜそれが歯口科なんだといいますとね、先生がなぜ赤になるんでしょうかね、と言いました。医科の方は24時間今私ら救急やってますから、救急やってるドクターの給料も歯科の先生の給料も同じなんです、うちは。これ、別給料にしてないんです。ドクター給与はおんなじです。いや、歯科だけ別にできないんですと。医科と歯科は別の給料、違うようにしなさいと、歯科は少し安くてもいいですよと。24時間、土日なしで働いてますからね、ドクターっていうのは。
島田: そうですね、秋月先生も入院患者さんがいる時は土日出てらっしゃいますよね。
木村: いや、秋月先生にこの話ししたらね、いや〜、1人で土日出てきてね、入院患者診るのはこれしんどいです、しんどいですという話なんですね。先日も医療新聞にですけど、いろいろ口腔外科二次医療の問題出てますから、十分承知してますんで。二次医療口腔をやるとなると、最低ですよ、3人は必要です、ドクター。できれば5人なんですね。ということは、先の市立病院でも問題になっておりますけれども、口腔をやるってことは救急医療もできるドクターでなければ駄目なんですね。ですから、救急になった時は他の先生お願いしますということじゃだめなんです。だから、市の救急医療部でドクター研修やってたんですね。そうした時に私どもの病院がこの歯科口腔外科で3人や4人のドクターを雇用してやれるかと言うと、先ほど申し上げましたように、はっきり言って無理です。もう独立採算であるということを考えた時に、申し訳ないですけど無理です。日曜日も土曜日も休日も夜中もですね、救急の患者を確実にしなきゃ、専門病院であるわけですからね。結局5人でやってると、1週間に1ないし2回の当直をするってことですよ。これを医科の先生方はやってるんですよ。もう、心臓なんていつ来るかわからないですよ。いつ急患来るかわかんないんですからね。でも、やってるんですよ、あの5人で、6人でですね。6人でもう当直いま週に1回ずつやってるんですよ。で、また6時間から7時間の手術あるわけですよ。医科の手術、最低で6時間はかかりますからね。もう長くなると9時間10時間ですよ。それをやって日中勤務をしてやってるんだと。それと比べると、まあ申し訳ないけども、月火水木金、土日休み休み、それを同じ様に。この給与システムは全国社会保険53病院の給与規定なもんですからそれを変更するってことはできません。申し訳ないですけど。でそういうことを言って、あそうですかと、ま、こんなふうでした。まあ、もしこの人件費に対する仕事率でできてければ、まあ、もう少しその給料、赤字っていうか負債なども整理つくし、まあそういうことになりますね。ただ、いま厚生労働省、社会保険事務のほうから、今までのような・・・。はっきり言ってやっぱり病院っていうのは理念があると思います。社会保険病院のあり方もあると思います。それが、やっぱり政策の経過ですか、ま、違うとこあるんですけど、それだけでは社会保険病院の存続問題の解決にならんと、これ明快なことです。あくまでも採算を取ることです。
島田: じゃ、医を捨てて金を取るということですね。
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