療養生活005






  最近、私の中で何かが変化した。

「頑張れ」という言葉が励みになる。
少し前までは、「頑張れ」は、重いだけで辛かった。
でも、今は、「頑張れ」という言葉が私に勇気と気力を与えてくれる。

彼は、いつも「大丈夫だよ。何も心配いらないよ。」と、言う。
その言葉は、私に安心感を与えてくれる。
そして、「頑張れ」は、私を奮い立たせる。
「頑張れ」が、あまり重荷にならなくなってきたことが、最近、私の中で起きた変化だと思う。
良くなってきたのかもしれない。


一昨日から、急に眠りのサイクルが狂ってきた。
夜になると、頭が冴えてきてなかなか寝つけない。
最近、日に何度も躁と鬱が交互する。
昔に比べると、その波はかなり小さいのだが、気分が浮いたり沈んだりする。夜になると頭が冴えてきて 眠れなくなってしまう。夜中でも、「星を見ながら夜の高速を走りたい。今から行こうかなぁ。」と、 本気で考えてしまう。
その強い欲求を我慢するのがとても苦しい。


最近、分かったのだが、眠剤を飲んだ後に眠いのを我慢すると、テンションが上がる。
先日、眠剤を飲んだ後に見たいテレビがあって、眠いのを我慢してテレビを見ていたら、頭が冴えて眠れ なくなってしまった。

眠剤を大量に飲んで、眠いのを我慢して、眠気を通り越してしまうと幻覚が見えるらしい。それで、幻覚を 見るために、わざと大量に眠剤を飲んでから眠気を我慢する人がいるという。
私は、わざと我慢したわけではないのだが、眠剤を飲んでから、眠いのを我慢してテレビを見てしまった。
その日から、夜になるとテンションが上がって、なかなか寝つけなくなってしまった。
昼はだるくて夜は元気。これじゃあ困る。

睡眠時間が減ると、ストレスが溜まって被害妄想が起きやすくなってしまうので、治さなくてはいけない。
夜に元気になって、どこかへ出かけたくなる気持ちを押さえて、本を読んだり文章を書いたりすることに した。
本を読むと、目が疲れるので寝つきが良くなる。眠れぬ夜は、読書で目と頭を疲れさせるのがおすすめだ。


寝る前に、ホットミルクを飲んでいる。
「寝る前にホットミルクを飲むとよく眠れる」と、聞いたことがある。イライラした時にも飲んでいる。
実際にやってみると、少し効果があるようだ。継続は力なり。まだ2週間くらいしかやっていないが、 続けてみようと思う。あと、暖かいと眠くなるので、寝る前には部屋を暖かくしておくのもおすすめだ。


「大丈夫だよ。何も心配いらないよ。」と、言ってくれる人がいるから、勇気と希望を持とう。
何でも程々に。頑張り過ぎない程度に頑張る。

これをテーマに、明日も夢と希望を持って頑張ろうと思う。



2003.11.17



療養生活006






今日、勇気を出して美容室に行った。約半年ぶりだ。


被害妄想が起きるようになってからは、人を避けてばかりで、家にとじこもりがちだった。髪もボサボサだ。
だから、決死の覚悟で美容室に行くことにした。

最近は、無理やり人の多い場所に行くようにしている。人に慣れて、被害妄想を治すためだ。

美容室は四時間もかかり、その間に、彼から心配のメールが何件も入っていた。
「どうしてる?大丈夫?」と、いうよくある内容だったのだが、それを見て、私は急に嬉しくなって 感動してしまった。
泣くほどではないが、胸が熱くなり、嬉しくて一人でニコニコしてしまった。
グリーンマイルやフォレストガンプを見た後のような、心地良い感動を覚えた。
さらに、帰宅すると、両親も大丈夫だったかと心配してくれていた。

「心配してくれる人がいることは、とても幸せなことなんだなぁ。」と、思った。


母が、働けなくてお金もない私に、「着る物がなくて可哀相だ。」と、同情してくれて、情けで時々 洋服を買ってきてくれる。それも、もちろん嬉しいのだが、物を買ってもらうよりも嬉しい気持ちになれた。

「小さな事で幸せを感じることができる。」と、いうことが、幸せだと思った。


嬉しいことはいつでもどこにでも転がっている。

副作用で苦しくて「毎日辛い。つまらない。」と、思っていたが、それは違った。
「病気をすると、誰が自分にとって良い人間なのかが分かる。」と、いうが、本当にそうだとつくずく感じる 今日この頃だ。

以前、自宅で倒れ、体が弱っていた時に、彼は馬のレバーを買ってきてくれて、体力をつけろと食べさせ てくれた。
両親は、奮発していつもより高価な牛肉で煮物を作ってくれた。
親友は、毎日毎日、大丈夫かと心配のメールをくれた。

今思い起こしてみても「私はなんて幸せ者なんだろう。」と、思う。みんなの励ましに支えられて、ここ まで頑張って来れた。

病気になるまでは「ささいなことのように思えるその出来事が、とても大きな幸せである。」と、いうこと に全く気付かなかった。

「誰が自分にとって良い人間なのか。」「心配してくれる人がいることは幸せなことなのだ。」と、いうこと に初めて気が付いた。
そのことに気付くことができたので、「病気になって良かったなぁ。」と、初めて思った。

どんなことにも意味があると思う。
そのことを気付かせるために、神様が私を病気にしたなかもしれない。そして、神が与えた試練なのかも しれない。
この辛い試練を乗り越えた時、一体どんな幸せが待っているのか、今から楽しみでワクワクする。



今日は心配かけてごめんね。心配してくれてありがとう。
美容室、頑張れたよ。
今日は疲れたからそろそろ寝るよ。

おやすみ、愛してる。




2003.11.25



療養生活007






寒い。
気付けばもう十二月。街も人々も、クリスマスムード一色で華やいでいる。
でも、私の心は8月で止まったままだ。

8月から、薬の副作用による被害妄想が始まり、そのせいで家にとじこもりがちになっている。

時々外出した時に、道行く若い女性の赤いかわいいブーツや、帰宅途中のサラリーマンの風に揺れる コートの裾なんかを見ると、「もう、冬なんだぁ!」と、驚いてしまう。
それを見るまでは、私の気分は夏のままだった。
家にばかりいると、季節感が麻痺してしまうようだ。


今日は、勇気を出して、一人でデパートに行ってみた。

店内は、クリスマスプレゼントを買い求める多くの人々の姿が見受けられ、「今は12月で、あと3週間も すればクリスマスで、今年ももう終わるのか…。年末なんだぁ…。」と、改めて実感して驚いてしまった。

デパートでは、多少被害妄想が起きてしまったが、落ち着いて買い物に集中することができた。
私は、彼に靴下を二足、自分に一足買った。

昼に帰宅してご飯を食べ、その後はテレビを見ながら何枚か雑巾を縫った。
雑巾を縫っている時に、何度か指に針を刺してしまい、痛くてそのたびにイライラしてしまった。


イラつく。

最近、無性にイライラしてしまう。
何もなくても突然イライラする。それで、時々人に当たってしまう。当たられた人は迷惑な話だ。
それで、イライラした時にはそれ用の薬を飲んでいる。
これがまたよく効く薬で、飲んで30分もするとピタリとイライラが治まってしまう。
薬って便利。
「自分に合った薬を正しい飲み方で飲むと、薬は効くんだなぁ。」と、実感した。


雑巾を縫っている途中で、ふと、マニキュアをぬりたいと思った。
気が付けば、私の手は、毎日の水仕事で荒れ放題だ。
以前は、お化粧と洋服を買うことが趣味だった私は、マニキュアをぬるのが大好きで、爪も長く美しい 手だった。
自宅療養に入ってからは、人に会う気がしないのでほとんど外出することもなく、「どうせ誰とも 会わないからいいや。」と、油断して、おしゃれをする事を忘れていた。

でも、急に思いついて、今日、4ヶ月ぶりにマニキュアをぬった。

マニキュアをぬっただけなのに、なぜか気持ちが明るくなった。どこかにお出かけしたい気分だ。
「おしゃれをすると、こうも気持ちが変わるものなのか…。」と、自分でも驚くほどだった。
おしゃれをする事は、薬のような効力を発揮することが分かった。

「老人ホームで、お婆さんに口紅をぬってあげたら、それだけで、そのお婆さんは表情も明るくなり 元気になった。」と、いう話を聞いた事があるが、私の場合もそれと同じだと思った。
私は、マニキュアをぬっただけで気持ちが明るくなり、外に出たくなった。


自宅療養中は、ついついおしゃれをさぼって女を忘れてしまいがちになってしまう。
お化粧やマニキュアなど、おしゃれをする事も、気持ちを明るくするための一つの要因になると思う。
男性も、髪型や服装に気をつけたらいいと思う。

病気になると、辛さで頭がいっぱいになり、何もかもどうでもよくなって、おしゃれをする事を忘れて しまいがちだが、めいっぱいおしゃれをして、調子の良い時にはどんどん外出したほうが良いと思う。

今日はきれいにマニキュアをぬる事ができた。

なんだか心がウキウキ弾んで、嬉しい気分だ。


明日は、どこかへ出かけてみようと思う。




2003.12.3



療養生活008






今日は、調子が悪い。

郵便局とコンビニに行ったのだが、被害妄想がひどかった。
最近、調子が良い日が続いていたので、特に辛く感じる。
今日は、誹謗中傷だけではなく、誰かにつけられているような気がした。

最近、無理やり人の多い場所に一人で出かけたりしていて、頑張っている。
頑張りすぎているのかもしれない。

気温の落差が激しいことと、自分なりの努力による疲れがたたって、被害妄想が起きているのだろうか。


そんな時、ふと、彼の言葉を思い出した。

「負けるな。」
「人を怖がらない。みんな同じ人間だ。体が大きいか小さいか、いい仲間がいるかいないかの違い だけ。だから怖くない。」

彼のいうことは分かっているのだが、それでもつい、人を怖がってしまっていた。

私は、彼を信じている。だから、彼の言うことは正しいと思う。だから、彼の言葉を信じて、人を怖がら ないようになりたい。


「君の元気で幸せな姿を見ると、僕も幸せだ。」

彼は、私にそう言ってくれた。

その言葉に答えるためにも、私はもっと強くなりたい。被害妄想に負けない強さが欲しい。自分に自信を 持って堂々とした人間になりたい。


今日は疲れた。 午後からは、何もしないでのんびりビデオでも見ようと思う。
時間はたくさんあるのだから、焦らずゆっくりのんびりしようと思う。

早く良くなりたくて、つい焦ってしまう。
「焦る気持ちを押させて、何でもわざとゆっくりやってみよう。」と、思う。


負けたくない。
私は勝ちたい。

被害妄想による、誹謗中傷を気にしておかしくなったら、副作用の思うつぼだ。

彼の「負けるな。」と、いう言葉を励みに、明日も希望をもって生きていこうと思う。




2003.12.5



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