代替医療 その2

 最近、欧米はもとより、日本でも注目されている代替医療について簡単にまとめます。サンプル2と併せてお読みください。

1.定義 

代替医療はComplementary and Alternative Medicineの訳語で、CAMと略されます。通常の処置(すなわち主流を占める医学界で広く受け入れられ、実践されている治療)に加え、ある療法が利用される場合、その療法は一般に補完的である、といわれます。一方、通常の処置の代わりにある療法が利用されると、その療法はしばしば代替的である、といわれます。従って利用方法により、補完的療法と呼ばれたり、代替的療法と呼ばれたりします。
 日本代替医療学会では、CAMを以下のように定義しています。すなわち、「現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学・医療体系の総称」

2.利用目的 

CAMは主として以下の目的で利用されます。

○病気を防ぐ
○ストレスを減らす
○副作用や症状を防ぐ、あるいは減らす
○病気をコントロールする、あるいは治す

3.具体例

 よく利用されるCAMには以下のものがあります。

○視覚化
○弛緩法
○指圧
○マッサージ
○ホメオパシー(健康な人に疾患を起こさせる薬物をごくわずか投与する治療法)
○ビタミン製品
○薬用植物製品
○鍼療法

 かつては異端視されていたものでも、治療としてではなく、補完療法として癌の処置に利用されるようになったものがあります。その一例が鍼療法です。米国国立衛生研究所コンセンサス会議の専門家らによると、鍼療法は化学療法と関連した悪心、嘔吐、手術と関連した痛みの抑制に効果のあることが判明した、と述べています(1997年11月)。
 ところがレトリル(アンズなどの核から作られる制癌剤で、体内で青酸化物を作り出し、癌細胞を殺すといわれています)は効果がない、あるいは潜在的に有害であることが判明しました。

4.注意点

 例えば癌患者がCAMを考える場合は、医師や看護婦と十分に話し合わなくてはなりません。CAMの中には標準的な処置を妨げたり、併用すると却って有害となるものがあるからです。
 どのようなCAMを選択するにせよ、患者は医師やCAMの専門家(例えば鍼灸師) らに以下の点を尋ねる必要があります。

○CAMによってどのような利益が期待できるか?
○CAMと関連した危険はどのようなものか?
○利益は危険を上回るか?
○どのような副作用が予想されるか?
○CAMは通常の処置の妨げとなるか?
○CAMに健康保険が適用されるか?

5.利用パターン

 CAMの利用パターンを調べた研究があります。対象者は、1996年の医療費パネル調査に参加した成人1万6,068名で、自己報告データが分析されました。その結果は以下の通りでした。

○通常の医療とCAMを併用・・・6.5%
○CAMだけを利用・・・1.8%
○通常の医療だけを利用・・・59.5%
○どちらも利用しなかった・・・32.2%

 白人、女性、高等教育を受けた人々は、通常の医療とCAMを併用する傾向が認められました。またこれらの患者のうち、医師にCAMを利用していると告げたのはわずか19.7%でした。
 利用されるCAMを記すと、脊椎指圧療法=カイロプラクティック (回答者の3.3%)、マッサージ、薬草による治療、精神的な治療、栄養上のアドバイス、鍼療法、瞑想、ホメオパシーの順となりました。

6.情報源

 CAMに関する詳しい情報は以下のウェッブサイトから得られます。興味のある方は是非アクセスを!

○http://nccam.nih.gov
○http://www.fda.gov/
○http://www.ftc.gov/

[参照文献]
・CancerNet〜Q and A about Complementary and Alternative  Medicine in Cancer Treatment
・Journal Watch Volume19−Number18, September15, 1999 「Unconventional Therapies:Patterns of Use」