室内環境と喘息〜湿度・ダニ
 
 最近、喘息の罹患率は上昇しています。と同時により激しいものとなっています。喘息の原因は色々ありますが、なかでもイエダニ(特にコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニ)は、しばしば喘息の主要原因の1つに数えられています。なんとダニは喘息の原因アレルゲンの70〜80%を占めると言われています。
 従ってイエダニを少なくすれば、喘息を含めたアレルギー症状は減らすことができるはずです。
 
 ダニはクモの近縁種でその大きさは大部分が1mm以下ですが、人間や家畜にとっては大変厄介な存在です。ダニが繁殖する条件、特に湿度を考慮しながら対策を立てる必要があります。
 
 コナヒョウヒダニは、相対湿度60〜75%で繁殖します。従って湿度の高い季節に除湿器を利用することは有効な手段です。天気の良い日には枕、毛布、布団、絨毯などを天日に干すことも大切です(干した後はたたいてダニの死骸をよく落としておかなければなりません)。もちろん布団乾燥機にも同等の効果があります。また住宅の洋式化に伴い利用が減りましたが、ふすまや障子、畳、屏風なども有用です。というのもこれらは、湿度が上昇すれば湿気を吸って湿気を下げ、乾燥すれば湿気を放出して湿度を一定に保つ働きがあるからです。
 
 喘息の誘因は他にも数多く存在します。一般的なものとして
・ウィルスによる呼吸器感染症、例えばインフルエンザや気管支炎
・細菌による感染症、この中には静脈洞感染も含まれます
・アレルギー性鼻炎
・刺激原、例えば汚染物質、タバコの煙、香料、埃、化学製品、花粉
・温度や湿度の突然の変化、特に冷気に曝された時
・アレルゲン、例えばカビ、ウマ、ネコの毛、ある種の食べ物(代表的なものとして卵、牛乳、大豆、ソバ)など
・感情面での混乱、例えばストレスなど
・運動
 
 刺激原やアレルゲンは注意すれば(実際にはなかなか大変ではありますが)、身の回りから遠ざけることができます。
 ここでは、喘息の原因アレルゲンの十数パーセントを占めると言われるカビについて考えてみましょう。カビは、一言でいえば、有機質を含んだものの表面に生える目に見えない真菌です。真菌は数万からおそらくは30万種以上が存在すると推定されています。真菌の特徴として、一般に、胞子を作ることがあげられます。これらの胞子は空気や水や昆虫によって運ばれます。カビは多方面で利用され、人間の生活に大きな恩恵をもたらしています。その反面、発ガン性物質であるアフラトキシンを作ったり、アレルギーを誘発したりします。
 
 カビに敏感な人の場合を考えてみましょう。こうした人がカビに曝されると、鼻が詰まったり、目に炎症を起こしたり、ぜいぜいいったりします。カビに対して激しいアレルギーがある人の場合、反応はもっと深刻なものとなります。カビだらけの干し草の周囲で作業をする農夫であれば、熱が出たり、息切れを起こしたりします。閉塞性肺疾患などの慢性疾患がある人であれば、肺にカビによる炎症が起きることもあります。
 
 カビは屋内、屋外を問わず、一年中存在します。カビの成長を促すものは、暖かさと湿気です。屋外であれば、日陰の湿った場所、あるいは葉や草木が分解している所です。室内であれば、湿気の高い場所、例えば地下室や浴室ということになります。
 
 ではどうすればカビとの接触を減らすことができるのでしょうか。まずカビに対して感受性が高い人は、カビが多い場所を避けなくてはなりません。例えば堆肥の山、刈り取った草がある場所、樹木の生い茂った場所です。
 
 室内では、湿度を40%以下にし、浴室や台所の換気をよくすれば、カビの成長を遅くすることができます。また市販の防カビ製品や漂白液もカビの成長を抑えることができます。仕事柄、カビに接する機会が多い人は、ピッタリしたフェイスマスクを着用すればいいでしょう。
 
 カビを防ぐ方法を以下にまとめます。原則は湿度を上げないこと、そして換気をよくすることの2つです。具体的には、
○室内の湿度を40%以下に保つ
○湿度の高い季節には、エアコンディショナーや除湿器を利用する
○十分な換気を行い、台所や浴室には換気扇を取り付ける
○使用する前にペンキに防カビ剤を混ぜておく
○防カビ剤で浴室をきれいにする
○浴室や地下室に絨毯を敷かない
○濡れたカーペットや室内装飾材料は取り除くか、他のものと交換する
 またカビの発生が見落とされやすい場所として、北側の押し入れ、冷蔵庫(特にゴムのパッキングの部分)、鉢植えの植物があげられます。
 
 最後にカビに曝される危険度の高い場所を記しておきます。カビにアレルギーのある人は、なるだけ避けてください。
○骨董品屋
○温室
○サウナ
○農場
○製粉所
○建築現場
○花屋
○山荘
 
[参照文献]
○CDC, National Center for Enviromental Health, Molds in the Environment
○アレルギーの衣食住チェック− ホームケアと自己管理−子どものアトピー、ぜん息、花粉症など
著者:鳥居新平 健康双書 農文協
○House dust mite control measures in the management of asthma:Meta-analysis.BMJ  1998 Oct 24;317:1105-10  Gotzsche P et al.
○愛媛県生活センターHP〜いえダニの駆除方法について?