糖尿病の分類
@インシュリン依存型糖尿病(insulin−dependent diabetes mellitus または type1diabetes)
Aインシュリン非依存型糖尿病(non−insulin−dependent diabetes mellitus または type2diabetes)
Bその他の糖尿病(膵疾患、ホルモン異常、薬剤使用、インシュリン受容体異常、遺伝性疾患)
C妊娠糖尿病
DIGT(耐糖能異常)
インシュリン依存型糖尿病の病因
@HLA抗原タイプ
| HLA−DR3 | HLA−DR4 |
| 家族性素因 | − | + |
| 若い発症 | − | + |
| 発症が秋、冬に多い | − | + |
| インシュリン抗体産生 | − | + |
| 増殖生網膜症 | − | + |
| 免疫複合体 | + | − |
| 自己免疫疾患 | + | − |
| 膵島細胞抗体の持続 | + | − |
副腎皮質、甲状腺、胃壁
細胞に対する自己抗体 | + | − |
インシュリン非依存型糖尿病ではHLA抗原のいずれのタイプとも関連性は無い。
A遺伝
遺伝については日本ではまだ不明であるが、白人では健康人と結婚したインシュリン依存型糖尿病の母親から生まれた子供の発症頻度は1.5%にすぎない。
兄弟にインシュリン依存型糖尿病の患者がいる場合、他の兄弟がインシュリン依存型糖尿病に罹る頻度は、普通の子供の26倍ではあるが、一般の子供が16才になるまでに糖尿病になるものの数は1000人あたり2〜3人といわれているので、兄弟の場合は5〜6%がインシュリン依存型糖尿病に罹患するといえる。
Bウイルス感染
C自己免疫
インシュリン非依存型糖尿病の病因
@遺伝
A肥満
治 療
@食事療法
1)1日の摂取カロリーを必要最小限とする。
2)栄養のバランスをとること。
A運動
1)運動は合併症の予防にはなるが、合併症の治療とはならない。
2)当然のことだが各人にあわせる必要がある。進行した腎症、増殖性網膜症では運動によって急激に増悪する。
3)インシュリン治療または経口血糖降下薬を使用しての運動は低血糖に注意する必要がある。
B経口血糖降下薬
1)タイプ2型であることを確認する。
2)糖尿病性昏睡、重症感染症、肝障害、腎障害など生命にかかわる疾患の無い限り、食事療法のみによって治療を開始する。
3)治療開始当初は少なくとも2週間ごとに血糖その他の検査を行い薬の有効性、副作用などを調べる。
Cインシュリン療法
合併症
@糖尿病性網膜症
1)増殖性網膜症あるいはその直前まで糖尿病を放置し、または網膜症に気づかず、視力障害がでたあと、急激な血糖値の正常化を行うと、網膜症の急速な増悪を発現させることがある。
2)治療が不十分な場合、10年前後で網膜症を発症する事が多いが、タイプ2型では発見と同時に網膜症を10%前後に認める。
A糖尿病性腎症
1)糖尿病として最も典型的な死因は尿毒症である。血液透析の原因疾患として糖尿病性腎症は2位に入っている。しかし、網膜症と違い発症と同時に透析が必要となるまで一気に悪化する事はあり得ない。それまでの長年にわたる過程が存在する。
B糖尿病性神経障害
1)末梢性多発性神経障害
2)単純神経障害
3)筋萎縮症
4)自立神経障害
※全てにおいて言えることだが血糖とHbA1cの正常化が合併症の発現を防ぐ最良の方法と言える。みなさん頑張りましょうね。
糖尿病の検査
ヘモグロビンA1(HbA1、グリコヘモグロビンA1)
A1a、A1b、A1cなどに細分画されるが、主なものはグルコースが結合したA1cである。
A1cは安定であり、一旦生成されると赤血球の寿命(平均120日)まで徐々に増加する。糖尿病では高血糖の持続によりHbA1cの全Hbに占める比率は高知を示し、特に過去1〜3ヶ月間の平均血糖値をよく反映する。従って、過去の血糖コントロールの良い指標となる。
正常値
HbA1:8〜9%
A1c :6〜7% 但しインシュリン依存型では上回ることが少なくない。
高値(為高値を含む) | 低値(為低値を含む) |
糖尿病
HbF
腎不全
アルコール多飲者
アスピリン大量投与
鉛中毒
高ビリルビン血症 |
低血糖症
溶血性貧血 (赤血球寿命↓)
妊娠 (赤血球生成↑)
輸血 (健常者より)
Hbs、Hbc、HbD |
HbA1(A1c)値と血糖値による血糖コントロールの基準値(NIDDM)
| Excellent | Good | Fair | Poor |
HbA1c (%) | 6> | 6〜6.9 | 7〜8.9 | 9< |
HbA1 (%) | 8> | 8〜8.9 | 9〜10.9 | 11< |
空腹時血糖 (mg/dl) | 120> | 120〜139 | 140〜179 | 180< |
食後2時間血糖(mg/dl) | 140> | 140〜179 | 180〜219 | 220< |
空腹時血糖値、食後血糖値、HbA1値の変化と病態
空腹時血糖 | 食後血糖 | HbA1 |
|
↑ | ↑ | ↑ | コントロール不良な糖尿病 |
− | −or↑ | ↑ | 過去3ヶ月以内の持続的高血糖 |
− | −or↑ | − | コントロール良好な糖尿病 |
−or↑ | −or↑ | ↑ | 長期にわたる不安定型糖尿病 |
− | ↑ | −or↑ | chemical diabetes |
↑ | ↑ | − | 一時的な高血糖 |