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目次
1.香りを感じるしくみ
嗅覚って?
脳の中で香りが伝わるしくみ
2.精油の扱い方
3.精油の抽出方法
4.キャリアオイルについて
精油の濃度
代表的なオイルの特徴
5.精油の特徴
2級編
1級編
6.精油についての総論
7.アロマセラピーの歴史
◆1.香りを感じるしくみ−−−−−−−−−−−−−−
▼嗅覚って?
五感というのは「視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚」の5つ。中でも嗅覚は桁外れに軽視されている。視覚や聴覚に問題があるとすぐに気づくが、嗅覚に問題があってもまわりの人はまったく気づかないこともある。
嗅覚というのは、ないがしろにされる程度の価値しかないのだろうか。腐った食べ物を食べずに済ませることも嗅覚のおかげ、百合の匂いをかいでうっとりできるのも嗅覚のおかげ、意外に嗅覚は活躍しているのだ。
食事をする時、嗅覚を働かせないと、食べているものが判別しにくいという。今飲んでいるのがコーヒーなのか、紅茶なのか、それを判別しているのは、味覚ではなく視覚や嗅覚に頼るところが大きいようだ。
▼脳の中で香りが伝わるしくみ
香りは本能に直接働きかける。動物のフェロモンは、異性と交わりたいというにおい。同じ性質のものを人間が薄めて香水の中に入れて使っているからおもしろい。
香りは人間を含む動物の生きる欲求に直接的に関わっている。
ここからは少し専門的なことになるので、生物の本を引っぱり出してきて読んで欲しい。香りの伝わる仕組みをみて行こう。
鼻に入った香りは鼻の奥の嗅覚神経を通って脳の真ん中にある「大脳辺縁系」に伝わる。脳のイラストを見ると、小腸みたいなものがうにょうにょと詰まっているイメージが描いてあるが、そのうにょうにょに守られた、もっとも内側にあるのが「大脳辺縁系」だ。
そこで香りを察知したら、そこから今度は「視床下部」や「脳下垂体」に命令を下してホルモンの分泌を促す。これが、香りによって気持ちよくなる(気持ち悪くなる)もっとも基本的な仕組みだ。
「大脳辺縁系」には「海馬」と「扁桃」というものがあり、それぞれ感情や記憶に密接な関わりを持っている。だから、香りによって気持ちを動かしたり記憶力を高めたりできるのだ。香りって、スゴイ。
◆2.精油の扱いかた−−−−−−−−−−−−−−−−
お安いアロマオイルを使っている分には、適当に香りを楽しんでたらいいかと思うけど、精油はなんせエライ。精油はスゴイ。精油は強い!
だから、きちんと注意事項を把握して使いましょう。自然のモノだから安全だと思っていたら大間違い。毒キノコだって自然のものだもんね。安全に精油と付き合う知識を持ってたら、安全に思う存分使えるよ。
・原液を肌につけない
口に入れないのと同じくらい常識。ラベンダーやティーツリーはそのままでも使えるという話だけど、普通は2〜3パーセントに薄めて使う。
・アレルギーテストをしてから使う
初めて使う精油は、体に合っているかどうかをテストしてみる。水で薄めた精油を腕の内側などのやわらかい場所に付けて数分待って反応をみる。赤くなったりかぶれたりしたら、その精油は使わないこと。
でも、お店の前でそんなことできないよねー。基本的に匂ってみてキライな匂いのモノは体に合わないってきいたことがあるけど、どうなんでしょう?
・1年以内に使いきる
精油は生き物だから、封を切ったら1年以内に使いきりましょう。また、光を嫌うので冷暗所に保管しておくこと。自分で作ったマッサージオイルなども同じように保管の注意が必要。匂いが変わったマッサージオイルは捨てないとかえって体によくない。(っていうけど、1年経ったからって、匂いが変わってなかったらもったいなくて捨てられないよねー。残ったものはどういうふうに使ったらいいんでしょう?誰か教えて!)
・妊娠時や赤ちゃん、子供には注意
妊娠中は、妊娠初期、妊娠後期などによっても使える精油が変わってきます。通経作用のあるものは流産を誘発してしまうというコワイ話だから、本気で気をつけたいですね。
ちなみに、妊娠中でも使っていい代表的な精油は、オレンジ、イランイラン、カルダモン、グレープフルーツ、サンダルウッド、ゼラニウム、ティーツリー、 ネロリ、パチュリー、ペパ^ミント、ベルガモット、ユーカリ、レモン、レモングラス、ローズウッドなど。ラベンダーは安全な精油の代表格のように言われていますが、通経作用があるので妊娠数ヶ月は使えません。
また、幼い子供には精油はきつすぎます。生後1年まではラベンダーとカモミール、未就学児はそれにティーツリーを加えたくらいの種類を使いましょう。
1滴を15ccの植物油で希釈したものでマッサージしたり、お湯を張ったボウルに精油を1滴落として香りを拡散させたりする程度にしましょう。小学生以上なら大人と同じように使っていいけれど、濃度は大人の半分程度にしましょう。
◆3.精油の抽出方法−−−−−−−−−−−−−−−
今週は精油の抽出方法を勉強します。代表的な方法は以下の4つ。
・水蒸気蒸留法
原料の植物を釜に入れて、釜の下から蒸気で加熱する。この課程で植物の香りのエッセンスの壁が壊れて蒸気の中に放出され、この蒸気を冷やすと蒸気が液体になる。液体の中で上に浮いたものが精油、下にたまったものが蒸留水。多くの精油がこの方法で抽出される。(ラベンダー、ティーツリー、サンダルウッド、カモミール、イランイラン、サイプレス、ジュニパー、ゼラニウムなど)
・冷浸(れいしん)法
ガラス板に油を塗り、その上に花びらを敷き詰めて3〜6日かけて花の香りを油に吸収させる。しなびた花びらを取り、新しい花びらをさらに油に敷き詰めて吸収させる。これを繰り返して油にめいっぱい花の香りを吸収させた後、その油をアルコールと混ぜて一日かき回し、香りをアルコールに移し、このアルコールをさらに真空の中で蒸発させると精油が採れる。
この方法で採った精油は「アブソリュート」と呼ばれ、水蒸気蒸留法のものより濃度が濃い。(ジャスミン、ネロリ、ローズなど)
・有機溶剤法
エーテルや石油ベンゼンなどの薬剤を使って精油を抽出する方法。熱した石油エーテルを釜に入れ、その釜に植物を入れて石油エーテルに香りを移す。香りの成分を含んで赤黄土色になった石油エーテルから水分を蒸発させると固形ワックス状になる。これは「コンクリート」と呼ばれ、香りの成分とその他の成分が3:2の割合で含まれる。この「コンクリート」を精製すると精油が抽出できる。(ジャスミン、ミルラ、ベンゾイン、フランキンセンスなど)
・圧搾(あっさく)法
柑橘類の精油は皮の部分に含まれる。文字通り、果皮を機械で圧搾して絞り出した液体(要はミカンの皮をむく時に手に付く液体)を貯めておくと、精油と果汁に分かれる。(レモン、オレンジ、グレープフルーツ、ベルガモット、ライムなど)
他の方法で抽出したものより変質しやすいから、6ヶ月をメドに使いきること。
他に、炭酸ガスによる抽出方法などもあります。
◆4.キャリアオイルについて−−−−−−−−−−−
精油を一番簡単に使う方法は、お風呂にたらして芳香浴。それでも飽き足りなくなってきたら、エアフレッシュナーや香水を作ったり、化粧品や薬を作ったり、オイルを使ってマッサージしたりと、どんどん使い方は広がっていきます。
今回は、アロママッサージとは切っても切れない関係のオイルについてお勉強。
▼精油の濃度
キャリアオイルは、精油を安全に使うための希釈用として使う。オイルに精油をブレンドして使う場合、大体オイルの1〜2パーセントの濃度の精油を使うことが多い。つまり、100ccのオイルだと精油は1〜2cc、10ccだと0.1〜0.2ccというわけ。多くの精油のドロップビン(一滴ずつ出るようになったビン)は、1滴が大体0.05ccになっているものが多いので、10ccのオイルには2〜4滴程度の精油をブレンドすればちょうどいい濃度になるということになります。
でも、2〜3パーセントの濃度がいいと書いてある本もあって、一概に数字では決められないようです。
とにかく、濃度が濃すぎても毒になるだけだから、快適だと自分が感じるような濃度にして、しっかり薄めて使いましょう。しばらく使ってみて濃いと感じるなら、薄めにして使いましょう。
▼ 代表的なオイルの特徴
・ホホバオイル
コラーゲンに似たワックスで、肌の奥まで浸透する。変質しにくいが、毛穴をつまらせることもあるので、よく洗うこと。
・スイートアーモンドオイル
一般的によく使われるオイルで、抗ガン成分を含 んでいる。古代ローマの町では傷の手当や皮膚に栄養を与えるために使われていた。
・グレープシードオイル
滑りがかるいのでマッサージやクレンジングに最適。肌の調子を整える作用もある。
・ヘーゼルナッツオイル
栄養をたくさん含んでいるので、スキンケアの材料として使いたい。収斂作用が少しだけある。
・ピーナツオイル
滑りが軽く、一般によく使われている。
・
アボガドオイル
保湿効果が大きいので、乾燥肌や荒れた肌にいい。
・オリーブオイル
入手しやすく、安価。リウマチの症状をやわらげる効果も期待できる。
・
ごま油
関節炎によい。(でも、臭いがごま油だから個人的には抵抗あるなぁ…)
・
ひまわり油
においもなく、滑りも軽いので、あらゆる肌タイプに。
・
アロエオイル
各種ビタミンやタンパク質、酵素などを含み、保湿効果に優れる。血行促進効果も。
・
月見草オイル
他の植物油に10%程度加えて使う。皮膚細胞の保護膜のように皮膚を守るので若返り効果。
・小麦胚芽油
防腐剤の役割を果たすビタミンEを含んでいるので、他の植物油に10%加えるとキャリアオイルを長持ちさせる働きがある。
良いオイルとは、以下のような条件を備えています。
・植物油
・フレッシュ
・滑りが軽い
・色や匂いがない
・安価
参考までに、避けた方がよいオイルはこんなオイル。
・鉱物油(市販のベビーオイルなどは、これにあたる)
・古いもの(酸化しているかも)
・匂いがある(独自の匂いでなく変化しているもの)
・天ぷら油(アレルギーの恐れがある)
・紅花油(酸化が早い)
◆5.精油の特徴−−−−−−−−−−−−−−−−−
精油にはいろんな特徴があって、全部覚えるのは大変。
でも、せめてこれだけは覚えておきましょう。
もちろん、香りをかいでどの種類かを当てられることも検定試験のためには大切です。
▼アロマ検定2級編
・イランイラン
ホルモンのバランスをとる作用がある。(子宮の強壮、乳房の引き締め、催淫、インポテンツ、冷感など)
・オレンジ・スイート
光感作作用あり。胃に対して強力な沈静作用あり。また、食欲増進にも効果アリ。
・ジュニパー
利尿・解毒作用あり(老廃物の停滞、むくみ、リウマチ、飲み過ぎ、関節炎など)。月経周期を正常にし、子宮のけいれんをやわらげる。
・ゼラニウム
リンパ系を刺激し、循環器系を強壮にする力あり。利尿作用もあり。神経を高揚させる。
・ティーツリー
ウイルス、細菌を抑える並はずれた力があり、白血球を活性化させる。(扁桃腺、免疫の工場、膀胱炎、中耳炎、カンジタ性膣苑などの感染症)
・ペパーミント
呼吸器系のトラブルに。解熱作用と発汗作用あり。鼻や痰を除去する作用もあるので、風邪にいい。
・ユーカリ
痛みを鎮める作用あり。ウイルスに対抗する作用があり、呼吸器系に役立つ(咳、痰、喘息、のどの痛み、鼻づまり、気管支炎、水疱瘡、蓄膿症など)。
・ラベンダー
健康な新しい細胞の成長を促す。すべての肌タイプによく、やけど、日焼け、にきび、傷跡に効果的。怒りを静める作用も持っています。
・レモン
光感作作用あり。赤血球・白血球の活性化。消化器系のトラブル(胃酸過多、吐き気など)に役立つ。殺菌消毒作用があるので、虫さされや傷にいい。シミ・そばかすにも。
・ローズマリー
中枢神経を刺激し、脳を活性化させる。痛みを鎮める作用あり。
▼アロマ検定1級編
・ローマンカモミール
痛みを鎮める作用あり。月経時のトラブルにも役立つ。皮膚軟化作用と保湿作用があり、破れた毛細血管を修復し、弾力を高める
・クラリセージ
ホルモンのバランスを取る働きがある。(月経前緊張・子宮の強壮・生殖力の向上など)
・グレープフルーツ
リンパ系を刺激し、体液循環を活性化させる(むくみなどにいい)。肝臓への強壮作用がある。死んだ細胞を取り除く作用がある(軽い漂白作用)。
・サンダルウッド
消毒・抗炎作用あり(膀胱炎など)。皮膚を軟化させる(乾燥性湿疹・老化肌・脱水肌)。心を鎮静させ、リラックスさせる。(鬱状態の時は使用を避ける)
・ネロリ
あたらしい細胞の成長を著しく促し、弾力を快復します。乾燥肌、敏感肌、老化肌などに。幸福感を与える。(集中したい時は使ってはいけない)
・フランキンセンス
粘膜に効果あり(鼻風邪、咳・気管支炎・喘息・息切れ・カタル・肺の浄化)。新しい細胞の成長を促す(乾燥肌・敏感肌・しわ・しみ)。
・ベルガモット
付けたままで光に当たると危険(光感作)。殺菌消毒・鎮静鎮痛作用あり。消化を促す作用、胃を健康にする作用あり(食欲調整・消化不良・寄生虫の駆除・胆石)。
・スイートマジョラム
血液の流れをよくするので、血圧を降下させる作用がある。鎮静作用があり、リラックスさせる(筋肉痛・リウマチ・関節炎・頭痛)。長時間用いると眠気が起こることもある。
・レモングラス
健胃作用あり(食欲増進・消化促進・消化不良などに)。体の強壮に役立つ(リラックスに関与する副交感神経の働きを助ける・病気を予防する)。
・ローズオットー
循環器系の強壮作用がある(毛細血管の強化・心臓の強壮・血液循環の不活発)。毛細血管の弾力を増し、肌を強くする(しみ・しわ・乾燥肌・敏感肌・硬化肌)。
◆6.精油についての総論−−−−−−−−−−−−−
精油のことについては今までも勉強してきたけど、そもそも、精油って何?ってことを今回はお勉強。植物にとって精油とは?そんな基本的なことも知っておくといいかな。
▼AAJの精油の定義
「植物の花や葉・果皮・樹皮・種子などから抽出した天然素材で、有効成分を高濃度に含んだ揮発性の芳香物質」
精油について知っておくべきポイントは5つ。言葉が難しいけど…
・芳香性−香りによって精神や体に作用を及ぼす。
・揮発性−精油が空気にふれるとどんどん蒸発していく。
・脂溶性−水には混ざらないけど、油には混ざる。
・精油はいわゆる「油」ではなく、有機化合物の集まり。
(酢酸リナリル、バニリン、ネロールなど…何のこっちゃ?まぁ、有機化合物だということは覚えました)
・天然だからと言って、安全ではない。濃縮されているので、十分な注意が必要。(これはあたりまえ。毒キノコも天然だもんねー)
▼植物にとって精油とは
哀れ、精油を取ったあとの植物には、なんの匂いも残らないのだとか。精油は植物のイノチなのね、うん。
精油は植物の特殊な分泌腺で合成され、蓄えられます。その香りによって以下のような特徴があります。
・誘引効果−虫や鳥を集め、受粉したり種子を運んでもらったりする。
・忌避効果−虫や鳥から身を守り、食べられるのを防ぐ。カビを押さえる効果もこれに含まれる。
・生存競争に勝つ−他の植物の成長を押さえたりする。(ワガママ!スギなんかこれよね、きっと。)
・太陽の暑さから身を守る−人間が汗をかいて気化熱で体を冷やすように、精油を蒸発させて身を冷やす。
▼精油はどのように体に働きかけるのか
体に精油の成分が取り入れられるまでの経路は、大きく分けて4つあります。
・嗅覚から−これは以前一度詳しく解説したけど、匂いを嗅ぐと、鼻の奥の嗅覚から大脳辺縁系に直接信号が送られる。ここの海馬や扁桃は生理機能を司るところなので、香りを嗅ぐと直接的に体の調節に影響を与えられる。
・肺から−香りを嗅ぐと、嗅覚に入ると同時に肺にも入る。肺の末端から血液中に入って体を巡る。
・皮膚から−マッサージなどによって皮膚に塗られた精油成分は皮膚から浸透し、皮
膚に影響を与える。さらに皮膚の中に浸透した成分は皮膚に巡らされた毛細血管から
血液中に入り、体を巡る。
・口から−医師の処方で口に入れることもある。口、のど、食道、胃、小腸などの消化
器官から吸収されていく。直接的なので、大量に吸収される危険があるから自分です
るのは絶対タブー。
▼精油の作用
体にどのように働きかけるのか。よく出てくるモノの意味をあらためておさらいしましょう。(個人的に漢字が続くと意味がわかったよーな気になるけど、なーんもわかってないことが多いので注意)。
・鎮静−リラックスさせる。眠気をもよおすことも。
・鎮痛−痛みをやわらげる。
・消化・食欲増進
・ホルモン調節作用
・刺激作用−リフレッシュさせる。心身の活動を活発に元気にする。
・強壮作用−身体の働きを強める。
・免疫賦活(ふかつ)作用−免疫の働きを強める。
・利尿作用
・収れん作用ー皮膚を引き締める
・保湿作用−潤いを与える
・殺菌作用−菌を殺す
・抗菌作用−菌を増やさないようにする
・抗真菌作用−カビを増やさないようにする
・抗ウイルス作用−ウイルスを増やさないようにする
・殺虫・虫除け作用
◆7.アロマセラピーの歴史−−−−−−−−−−−−
さて、2級レベルでは、アロマの歴史も出題されるみたいなので、今回はそのことについてまとめてみたいと思います。
知らない名前ばっかりだけど、流れを把握しながら、代表的な人名や本の名前を覚えておいたらいいのでは?
…にしても、知らない人ばっかりねぇ…タジタジッ…
▼医学の始まり−紀元前の西洋では
・医学の祖=ヒポクラテスは、当時行われていた呪術ではなく、医学の基礎を築いた。
・テオフラストスは古代ギリシャ(紀元前373−287年)の医者で、『植物誌』によって植物を系統立てて分類した。
▼医学の始まり−紀元前後の東洋では
・インドのアーユルベーダ医学が紀元前1200年頃、中国の薬草学書『神農本草経』が2〜3世紀ごろに成立した。
▼東西交流が進む
・アレキサンダー大王(紀元前336−323年)は広大な世界帝国を作ったが、その東方遠征によって、東西の交流が進み、東西のハーブやスパイスが交易品として取引され、広まった。
▼古代ギリシア・ローマ時代には医学の古典が完成した
・ディオスコリデスはローマ時代(50−70年頃)の軍医で、『マテリア・メディカ(薬物誌)』を書いて、植物、動物、鉱物を薬理上から分類し、まとめた。これはその後千数百年もの間使われた。現存している写本では植物イラスト入りの『ウィーン写本』が有名。
・プリニウスは、『博物誌』全37巻(!!)を書いた。
・ガレノスは、動物を解剖して筋肉や骨格、脳神経などについて調べた。そこで得た知識と哲学理論によって医学を体系的な学問として作り上げ、古代医学を集大成した。
▼古典をさらに発展
・1000年頃、イブン・シーナは精油の蒸留法を確立し、アロマの原型とも言える『医学典範(カノン)』を記した。
・1100年頃、職業医師が生まれ。免許制度ができた。医学を教えるサレルノ医科大学で使われた教科書が『サレルノ養生訓』。
・ハンガリー王妃の若返り水と言われた「ハンガリアンウォーター」はこのころのもの。ローズマリーを主体として作られた。
・1500年頃、ジョン・ジェラード、パーキンソン、カルペッパーらが、前出のディオスコリデスやイブン・シーナたちの古典医学を発展させた。
▼近代化学の発展によるアロマの発見と展開
・フランス人化学者ルネ・モーリス・ガットフォセが火傷をした時にとっさにラベンダーの精油をつけてなおったという経験から精油の効果に目覚め、精油の研究に着手、「アロマテラピー」という言葉が作られた。
・イタリア人医師のガッティー(1920年代)と、カヨラ(1930年代)が精油の心理的作用とスキンケアを研究。
・フランス人軍医ジャン・バルネが第二次世界大戦で負傷した兵士に精油を使い、効果を上げた。第1線の外科医である彼は『ジャン・バルネ博士の植物=芳香療法』を著し、アロマにまつわる呪術的なイメージを取り除いた。
・1970年代、パオロ・ロベスティは香りはカラダだけでなくココロにも有効だということを発見。
・薬理作用重視の対処療法(病気や怪我に対応する)で使われていたアロマを、ホリスティック(人ひとりを全体として見て対応する)に使ったのがマルグリット・モーリー。マッサージをはじめたのは彼女です。
・複雑な社会におけるストレスや精神病理への処方箋をアロマで示したのがロバート・ティスランド。アロマを体系的な学問としてまとめ、1978年『芳香療法・理論と実際』を著す。
▼大衆化
・主に医学的な発展の中で研究されてきたアロマ。ここにきて、医学のワクを越えて大衆化してきた。イギリスが本場と言われるアロマだが、日本でも「癒し」というキーワードで、マッサージや美容サロン、福祉現場、もちろん医療現場などでもアロマが使われるようになってきている。
…西洋の薬草医学はハーブ、東洋の薬草医学は漢方。ずーーっと昔から人は(もしかしたらサルとかも)ハーブや精油を使って健康や暮らしに役立てていたのですね。
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