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原文参照 : Artificial human liver created (BBC)

肝疾患の患者が、ヒトの肝細胞を用いた人工肝臓で血液中の老廃物や毒素を取り除くことが可能になりそうです。現在のところ、機械的な濾過装置や、豚の肝細胞を用いた肝臓機能代替システムが存在しますが、効率が悪かったり、豚が持つ未知の細菌やウイルスの感染の恐れが取り沙汰されるなどしており、新たなシステムの開発が急がれていました。

肝疾患による死亡者はイングランドとウェールズで毎年5,000人、肝臓移植を受けられる患者は毎年500人強しかいません。また、腎臓疾患の患者が移植を待つ間透析を受ける道が開かれているのに対して、肝臓疾患の患者の選択肢は限られています。このような状況下、ヒトの肝細胞を用いて肝臓機能を代替するシステムがアメリカで開発され、ノースカロライナ大学で極小規模ではありますが臨床試験が行われました。

このELADシステムでは、患者の頚静脈にカテーテルを入れ装置に接続、まず機械的な濾過過程により数種の老廃物を除去し、その後ヒト肝細胞の入ったカートリッジを通過させて血液を体内に戻すようになっています。試験に参加した16人中13人で病状の好転が観察されました。

肝臓の特筆すべき特徴の一つはその再生能力で、もし肝疾患早期の状態で病状を食い止めておくことができれば移植を必要とはせずに回復も可能であるので、今回のシステムが良い結果を生むことを期待している、と研究チームでは話しています。

非常にコストはかかるがそれだけの価値はある、と論評する一方で、肝細胞のように再生能力が高い細胞は多くの点で癌細胞と似通った性質があるので、患者体内に入り込むことがないような万全策が必要、とする専門家もいます。