参考文献
『1匹の個体から発した知恵(情報といっていいでしょう)が集団に広がり、その数が一定量まで増えたとき
それを知る由もない遠く離れた仲間にまで、まるで合図でもあったかのように情報が「飛び火」していったのです。
これはいったいどういうことでしょう。世代から世代への時間の経過を経た、いわば「縦」の継承なら
遺伝という事で説明がつきますが、同時代において距離を越えてひとつの情報が「横」に伝播し、
共有されていったのです。
これが「100匹目のサル現象」と呼ばれるものです。ある行為をする個体の数が一定量に達すると、その行動は
その集団だけにとどまらず、距離や空間を超えて広がっていくのです。生物に見られる不思議なこの現象を
ライアル・ワトソン(アメリカの科学者)が「100匹目のサル現象」と名づけたのです。100匹という数字は
そのきっかけとなる一定量を便宜的に数値化したものです。』
『世界中の化学実験室で毎年,千を越える新しい化学物質が合成されています。
これらの物質は実験の最初のうちはきわめて結晶しにくいのですが、いったん1つの実験室で成功すると
世界のあちこちの実験室で容易に結晶しやすくなるといいます。
最初の結晶が形成された事で、それを形作る「場」の条件が出来上がり,遠く離れた実験室にも
影響を及ぼして次々に成功して行くわけです。
1度学習されたり認識されたりしたことがらは、他の人たちにも学習、あるいは認識されやすくなるわけです。
シェルドレイクはこうしたさまざまな事例と比ゆを用いて彼の仮説を機能的に証明しました。
遺伝についても、親の遺伝情報をもったDNAを子供が継承するだけでなく、「過去に存在した同じ種の生物の
『形の場』からも、その形質を受け継ぐ」としています。』
以上「百匹目の猿」 ・船井幸雄著・サンマーク出版より
『「生命物質には精神が宿っている」式の言い方をすると、近代科学の洗礼を受けた人々ならばだれだって
眉をひそめるに違いない。しかし「生体高分子系には認識的に自己組織化する能力がある」
という表現ならどうだろうか。おそらくは、近代の分子生物学を理解する人なら誰しも、それは確かな事実だと
認めざるを得ないだろう。もちろんこの2つのステートメントは同義語ではない。しかし、分子生物学や
発生生物学や動物行動学から脳の情報科学までの新しい知見を総合的に通覧するならば、実はこの2つの
言明は同根であったことにやがて気づかされるだろう。すると我々は、生物が”考えて”進化しているように
みえるのは、けっして自然選択の結果のうわべだけの現象ではなく、高分子間の認識的協調作用に深く
根ざしているのだという考え方に到達できるのである。このとき我々に必要なのは、既成概念の呪縛から
脱却する事だけである。我々は”物質”と”精神”の2元論を止揚して、真の1言論に立たねばならない』
以上「ダーウィンよさようなら」・牧野尚彦著・青土社より