乳癌患者の会「フォワード」

我々は患者さんの不安を少しでも解消し、日常生活、治療をサポートするために、乳癌患者の会(名称フォワード)を発足し定例会を開いています。一人で悩まずに、遠慮なくいろいろと相談されてみてください。
日本においては情報公開や告知された患者さんの精神的重圧を支えるシステムは不十分な施設が多く、当院においてもしかりであり改善すべき部分も多いのは確かです。しかし我々は乳癌患者の会(名称フォワード)を設立し、手術や抗癌剤治療の経験者により、これから乳癌治療を受ける患者さんへの啓蒙、サポートシステムを充実させつつあります。また、当科では他の病院の医師に当科での治療方針に対する意見を求める(セカンドオピニオン)、あるいは他の病院での治療を望まれる場合は、積極的に検査結果を提供しますので、遠慮なくお話しください。
乳癌について情報を集め、理解していただくことは非常に重要なことです。情報収集に関しては、主治医に遠慮なく聞いていただく他に、キャンサー・ファックス・ジャパン(03-3493-1406)ではアメリカ国立ガン研究所がおこなっているガンのファックス情報サービスのうち、乳癌に関連する最新情報を日本語に翻訳して無料で提供しています。

 

第5回中央病院乳癌患者の会(フォワード)報告

 

去る4月14日に第5回中央病院乳癌患者の会(フォワード)を当院大講堂で開催しました。今回は新聞の報道もあり80人という多くの方に参加していただきました。フォワードの会は199912月に中央病院で治療を受けている乳癌患者を会員として発足しました。乳癌の場合、全ての患者さんに病名を告知し、再発した場合もほとんどすべて告知しています。しかしながら、告知した後の精神的支えはこれまで皆無に近い状態でした。そこで、診療時間外に皆さんに集まっていただき、乳癌についての勉強とお互いの体験談を話し合うといったことを、数ヶ月に1度おこなってきました。前回は、多くの癌患者さんが関心をもたれている健康食品について討論会をおこないました。抗癌剤投与中の患者さんでも、私に内緒でアガリクス、ミキプルーンなどを服用されている方も意外に多いのが現状でした。いつも健康食品については、否定的なことを患者さんにはお話ししていますが、精神的な支えになっている方も多く、医師の方も柔軟に対応していく必要性を感じた次第でした。今回は、第一部で私が、乳癌の診断と治療について概説を述べた後に第二部で、当院小児科、栄養管理部長の永田良隆先生に食と健康について話をしていただきました。第3部では、患者さんに癌患者の理想的な食生活やがん予防15カ条について話し合っていただきました。次回は6月30日(土曜)に乳癌治療に対する治療戦略と題して6月よりいよいよ使用できる分子標的治療(ハーセプチン)や遺伝子治療などについての講演。前田博敬産婦人科部長による中高年女性の健康についての講演を予定しています。他にも告知や緩和医療、癌患者におけるダイエットなどについての講演も検討しています。乳癌の場合、化学療法、抗ホルモン療法、放射線療法などの治療の奏功率は他の癌腫に比べると高く、病気についてよく知り、ストレスを発散できた患者ほど長生きできるというデータがあります。当院では乳癌で再発した患者さんに2週に1度集まっていただき、何でもよいから話しをするといったGroup Therapyというものをおこなっています。フォワードの会とも合わせ、今後も乳癌患者さんの精神的サポートと啓蒙活動を積極的におこなっていく予定です。


第10回中央病院乳癌患者の会“フォワード”の案内

日時:2002年3月2日(土曜日)

場所:大講堂(当院2階、受付の上)

 

1部:患者さんの体験談(13時−13時30分)

第2部:患者さんと放射線技師との意見交換会 (13時40分−14時40分)


 
第9回中央病院乳癌患者の会“フォワード”の案内

日時:2002年2月2日(土曜日)

場所:大講堂(当院2階、受付の上)

 

1部:告知に関するアンケート調査の集計発表(13時−13時30分)

第2部:徳永正晴医師(元中央病院院長、外科部長)―
         セカンドオピニオンについて(13時40分−14時40分)



第8回中央病院乳癌患者の会“フォワード”の報告

2001年11月10日(土曜日)におこないました。約50人の患者さんのご参加をいただきました。

 第1部では小川尚洋医師による癌の告知についてのアンケート調査をおこない、

 第2部では河野通文医師(安岡病院緩和ケア病棟、元厚生病院外科部長、副院長)による緩和ケアについての御講演をいただきました。 
 近年、手術、抗癌剤、放射線治療等の進歩により癌は治癒出来る病気となってきていますが、未だに癌告知や終末期医療についてはタブー視されている面があるのが現状です。安岡病院緩和ケア病棟は河野、戸田先生(前厚生病院神経内科)が勤務されており、山口県で3病院のみの承認となっている緩和ケア病棟の中の一つです。河野先生が外科医をやめられた理由の一つには手術など一般診療をおこないながら、終末期医療にも取り組むのは精神的にも時間的にも無理ということでした。緩和ケア病棟は一般病院と違い癌かエイズの患者さんしか入ることはできません。癌の治療はしませんが、痛みや苦しみをとる専門のスタッフがそろっており、看護婦、患者の比率が一般病院が患者さん3人に対して看護婦1人なのが、患者さん1.5人に対して1人と濃厚な看護ができるようになっています。個室も多く、家族の方が寝れる部屋なども用意されています。私も2回訪問しましたが、病室は広く、窓からは海が眺められ、患者さんの飲酒も可能ということです。今後も一般病院と緩和ケア病棟の繋がりはよりいっそう緊密になると思われます。

次回第7回フォワードの会は、

9月29日(土)13時、当院大講堂で、

第一部:乳癌は怖くない(小川尚洋)、

第二部:癌に対する放射線治療(長岡栄放射線科部長)を予定しています。


第6回中央病院乳癌患者の会“フォワード”の報告

 

去る6月30日(土)13時より当院大講堂にて第6回フォワードの会を開催いたしました。今回は約80名の乳癌患者とその家族の方々にご参加いただきました。第一部では私が、6月1日より保険認可となったハーセプチンについて講演しました。ハーセプチンは転移あるいは再発乳癌患者にのみ適応があります。癌細胞の細胞膜に存在する増殖因子HER2/neu (c-erbB-2)の受容体をターゲットとする抗体を用いた分子標的療法というこれまでにない画期的治療法です。ただし使用できるのは、手術時に摘出した乳癌組織の免疫染色検査にてHER2/neuの受容体が+++++に染色される症例のみで、全体の20-30%です。使用法は毎週1回投与で投与期間に制限はありません。効果に関してはH0648gというclinical studyにおいての奏功率が、抗癌剤のみで32%であるのが、ハーセプチンとの併用で49%に増加しています。主な副作用はinfusion reaction(投与した初回に高熱や悪寒が生じるが、2回目からはほとんどみられない)、心毒性(とくにアンスラサイクリンとの併用によりNYHAV、W度の心機能障害が16%に出現)があげられます。現在使用できるのは乳癌学会認定施設で、乳癌学会認定医、心機能を厳重に経過観察できる病院に限定されており、下関地区では当院のみとなっています。他院で手術を受けられた患者さんに対しても、病理標本が保存してあり、免疫染色で陽性であれば当院で投薬することは可能です。

 第2部では当院産婦人科前田博敬部長による中高年の健康と題して更年期女性のホルモンバランスの変化に伴う骨粗鬆症や性生活の変化、ホルモン補充療法などについて講演いただきました。特に乳癌患者の場合、抗ホルモン療法剤は現在術後5年間服用が推奨されていますが、子宮体癌の危険率が2年服用で2倍、5年で4−6倍といわれており定期的な子宮癌検診の必要性が改めて認識されました。

 

次回第7回フォワードの会は、

9月29日(土)13時、当院大講堂で、

第一部:乳癌は怖くない(小川尚洋)、

第二部:癌に対する放射線治療(長岡栄放射線科部長)を予定しています。

 

乳腺外来担当:小川尚洋 Tel: 0832-31-4111, Fax: 0832-24-3836

E-mail: takas1@med.kyushu-u.ac.jp

Home page: http://ha1.seikyou.ne.jp/home/taka04/

中央病院HP: http://www.city.shimonoseki.yamaguchi.jp/byoin



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