便秘・宿便って何?
1.便秘・宿便って何?
一般に便秘とは、例えば運動不足や食事のバランスの悪さ、最近ではストレスなどの精神的な原因などにより、排便機能に障害が起こり、糞便の結腸内通過あるいは直腸からの排出が遅れ、
3日以上、排便のない状態を言います。
しかし、排便の回数は個人差もあるので、単に回数の少ないだけでは便秘とは言わず、便量が減少(
1回の排便量の減少 35g以下)し、便中の水分量は少なく、排便時に努力と苦痛を要し、不快感、腹部膨満感、腹痛などがあって、日常生活に支障が出るなどの症候群を便秘と定義しています。
腸には、食べたものが入ってくるとその刺激で、内容物を先へ先へ送り出す蠕動運動(ぜんどううんどう)といわれる動きをする機能がありますが、便秘の人はこの蠕動運動の働きが鈍くなっているため、腸の中に食べたものが入ってきても、それくらい刺激では、腸が働かなくなっているのです。
昨今、便秘の話題は比較的フランクに扱えるようになってきました。その事から女性の間で(限定的に)便秘について必要以上に軽視する傾向が生まれているように感じます。
確かに胃の調子に比べて大小腸は環境やストレスなどによって反応し易い器官であり、あまり過剰意識する事はないと思います。しかし、身体の調子を知るための症状分析からいえば、腸の反応は身体の調子を早期に知る事ができる重要な器官であるといえます。
またどちらかといえば便秘より下痢の方が毒物排出のための正常な身体の反応であり、便秘というのは身体の代謝活動からみれば異常な事態である事を理解しなければいけません。人間は毒物に反応して、いち早くその毒素を排出する本能的機能を持っています。
しかし、どんな状況にあっても便の排出を抑制する機能は備わっていないのです。従って人体の機能としては便秘はありえないくらい異常な状況であるといえるのです。
人間(日本人)の小腸は、のばすと6〜7メートルあります。しかし、それがお腹の中では蛇腹式に2.8メートル程度にちじんでいます。さらにその、ちじんだ小腸の内面は腸絨毛(ちょうじゅうもう)と呼ばれる、絨毯(じゅうたん)の毛のような細かな突起で覆われています。
現代人は、動物性脂肪の摂り過ぎ、食物繊維の不足、食品添加物、などの食べ物の誤り、ストレス、慢性疲労、不規則な生活、神経の過緊張、その他様々な理由によりその腸の働きが弱っています。腸の働きが弱るとどうしても、絨毛の隙間、蛇腹式にちじんだ腸のヒダなどに食物のかすが残りやすくなりますが、それを残留便(ざんりゅうべん)といいます。
残留便でも長期にわたって残留しちょうど腸にこびり着いたようになっているものを、宿便といいます。他にも、宿便の一種に憩室便というものがあります。憩室便とは腸管内の小袋(憩室)の中に溜まった便のことです。
この残留便・宿便・憩室便は、現代人の場合、とくに便秘をしていない人にも、かなりの確率で存在しているといわれています。
2.便秘になる原因は?
(1)便意を感じない
通常、大腸の内容物が直腸にたまると、便意を感じ排便します。しかし、仕事中などでトイレに行くことができないから我慢するなど排泄欲求時にトイレに行く事ができず、その欲求を抑えこんでしまったり、トイレに行く行為自体がイヤで積極的になれないなど、「便意があっても排便しない」ということを繰り返していると、そのうちに便意自体を感じにくくなってしまいます。
(2)食事の量が少ない
食事の量が少ないと大腸に送られる内容物の量も少なくなり、便の量も少なくなります。また、大腸への刺激が減り蠕動運動も弱くなります。その為、内容物が直腸に送られにくくなります。
(3)食物繊維が不足している
食物繊維とは胃や小腸で消化・吸収できない食べ物に含まれる繊維です。食物繊維は、大腸で水分をたっぷりと含んで便の量を増やします。
そのため腸壁を刺激し、蠕動運動を活発にします。また、食物繊維が含む水分によって便がやわらかくなり排泄しやすくなります。この食物繊維が不足すると、便秘の原因になります。
(4)水分が足りない
大腸に送られた内容物は腸壁から水分を吸収されて固形になっていきます。しかし水分が足りないと、もともと大腸に入る内容物が固く、大腸で水分が吸収される間にさらに固い便となります。便が固いと、排泄しにくくなります。
尚、水分は食物繊維に含まれた状態で大腸に流れ込むので、水分と同時に食物繊維をとる事が大切です。
(5)ストレスなどの精神的要因
大腸の蠕動運動は、本人の意思に関係なく自律神経の働きによって行なわれます。ストレスが加わると、自律神経の働きが乱れる為、便秘になったり下痢になる事があります。
(6)肥満気味である
肥満の原因の一つに高脂肪食があります。脂っこいものやケーキなどが好きでいつも脂肪分の多い食事をしているとコレステロールや中性脂肪が体内に蓄積され、皮下脂肪もついてきます。
さらに、運動不足などで腹筋が衰えてくると、さらに皮下脂肪が増えることになります。排便するには、腹筋がある程度強くなければいきんでも腹圧がかからず、便を押し出す力が弱くなるのです。皮下脂肪が多いという事も腹圧を弱める結果になります。つまり、便秘になりやすいというわけです。
(7)冷え性である
最近、冷え性の女性が増えています。冷えによって体内微生物である腸内細菌のバランスを維持する事ができず、消化・吸収作業がスムーズにできない事から便秘を呼び起こしてしまう事例が多くなっています。
3.便秘の種類
(1)一過性の単純性便秘
旅行などで環境が変わったり、消化のよいものばかり食べたとき、運動不足や精神的な影響などで起こります。
(2)症候群性便秘(病気が原因で起こる便秘)
激しい腹痛や嘔吐を伴う急性の場合、腸閉塞など胃腸の病気や膵臓、胆道の急性疾患が原因。慢性便秘の場合、大腸がんや大腸ポリープ、肝臓、膵臓の炎症や潰瘍などが原因。薬の副作用によって起こるケースもあります。
(3)けいれん性便秘
精神的ストレスなどにより、大腸のぜん動運動が強くなってけいれんを起こすため、便秘になります。
(4)弛緩性便秘
結腸の緊張がゆるんで、ぜん動運動が弱いことが原因。お年寄りや内臓下垂、低血圧、体力が弱い人などに起こります。
(5)直腸性便秘
便意を抑える習慣などで、直腸・結腸反応が鈍くなり、便意を感じなくなって起こります。トイレに行く時間がなかったり、痔の人、お年寄りなどに起こります。
4.便秘・宿便の弊害
排泄物は基本的に残りカスとはいえ元は食べ物であり、体外にあっても何日かの間に腐敗してしまいます。それは体内においても同じ事で何日かの便秘で、腸内に滞留している排泄物は腐敗していきます。腐敗した排泄物は、腸内の悪玉菌により分解されて、さまざまな有害物質を生成します。これらの有害物質が、血液を通じて身体全体を巡り、頭痛・めまい・はきけなどの原因になります。さらに、呼気から排出されると、口臭の原因にもなります。
また、滞留する排泄物には酸素が届きにくく、結果嫌気性微生物を生み出す事となります。嫌気性微生物はメタンガス等の有毒ガスを発生し、それが腸壁を傷つけ腸の老化を促進し、ガンやポリープを誘発します。また、血液に溶融したメタンガスが血管を傷つけて動脈硬化を引き起こしたり、体内各所の器官を傷つけます。便秘が恐ろしい病気を誘発する構造はこうやって生まれます。
(1)肌荒れやニキビ・吹出物
便秘に悩んでいる方の多くがお肌のトラブルも抱えています。便秘になると、身体の新陳代謝が悪くなりホルモンの代謝が落ち、自律神経の働きが低下して、皮膚の血行が悪くなり、その影響がお肌にあらわれます。
(2)お腹が張る
何となくお腹が重かったり、内側から張ってくるような感じは、日常生活に支障はないものの非常に不愉快なものです。
腸内に長期間滞留している排泄物は腐敗していきます。そのときにメタンガスなどのガスを発生させますが、出口は便でふさがっているため、腸内にガスがたまってしまいます。
(3)頭痛・腰痛・肩こり
腸内にガスや排泄物が滞留することによって、背中や腰を圧迫するために腰痛が起こります。
肩こりや頭痛は、便秘によって発生した有害物質が体内を巡り、自律神経のバランスを崩すことが原因と考えられています。
(4)口臭
便秘による胃や腸の不調が原因で、口臭が出たり臭いゲップになることがあります。
また、腸内で発生した有害物質が、血液を通じて全身を巡り、最終的に呼気として排出されるときに、口臭が発生することがあります。
(5)痔
イボ痔は固い便が肛門を通るたびに静脈をうっ血させ、一部が飛び出してしまう症状です。また、固い便によって肛門が裂けてしまうのが切れ痔です。こういった痔の症状が出てしまうと、肛門はしばらく使わないで休ませることができないので、なかなか治りにくいのです。しかも、肛門が痛むのがイヤで便意をがまんしているうちに、便秘を悪化させてしまうこともあります。
(6)ガン・ポリープ
便秘になると腸内に長期間排泄物が滞留します。それらの排泄物が腸内で腐敗してしまう過程で発生する有害物質やメタンガスなどによって、腸壁を刺激され続けると、腸の老化が促進されてガンやポリープを誘発することがあります。