感染症に対して免疫力を高めよう

世界は今、新たな「感染症の時代」ともいえる状況を迎えている。すでに過去のものとなったはずの結核やマラリアなどが薬物耐性を持って復活する一方で、エイズ、エボラ、O157大腸菌などの新しい感染症が、世界のあちこちで次々に起こっている。

 

ヨーロッパで深刻な問題となっている狂牛病も新しい感染症の一つである。狂牛病は牛の脳がスポンジのようになってしまう病気で、発病すると100%が死に至る。狂牛病の原因は、スクレイピーという病気で死んだ羊の脳や臓器を、牛が飼料として食べたためだと考えられている。このスクレイピーはもともと羊の脳をスポンジのようにしてしまう病気で、羊の病気が種の壁を越えて牛に感染したと思われる。さらに狂牛病の牛肉を人間が食べると、人問にも感染する恐れがあるということで、世界各国でその肉の輸入を禁止している。

 

アジアでも新しい感染症が起きていて、1998年から99年にかけて、マレーシアの田舎の養豚場で働く人たちが、激しい頭痛と高熱に襲われ、やがて死亡するという事件が発生した。調査の結果、ニパウイルスという未知のウイルスが原因であることが判明し、政府は150万頭の豚を処分した。ニパウイルスの本来の宿主は、熱帯雨林のジャングルに生息するコウモリではないかと見られており、肉を生産するためにジャングルを開墾したことにより、コウモリのウイルスを豚から人間へと感染させたと思われます。

 

人類はこれらの新種の感染症への対応策をまだ十分には持っていない。そのために、汚染が広がると、1930年代に猛威を振るったスペイン風邪のように、世界中を巻き込んで大ブレイクする恐れもある。

 

遺伝子組み換えをする細菌とウイルス

 

感染症は細菌やウイルスなどによって起こる病気です。半世紀前までは非常に怖い伝染病でしたが、抗生物質とワクチンの発明によって、人類は感染症を克服したかのように思われました。抗生物質は、人間の正常な細胞はそのままに、人体に有害な菌だけを殺すので、細菌には非常に有効であった。ただ、抗生物質はウイルスには効果がない。ウイルスに効果があるのはワクチンで、あらかじめ毒性を弱めた病原体を予防接種で人工的に感染させて、体内に抗体をつくることで、病気を予防してきた。ところが、これまでの抗生物質やワクチンでは対応できないような強い感染症が新たに出現した。その原因の一つには、抗生物質の使いすぎがある。

 

ウイルス感染には抗生物質は効かないのに、医師は風邪のときでもよく抗生物質を出す。そうやって抗生物質を使いすぎると、細菌もウイルスもそれに対抗して遺伝子組み換えを行なって、薬物耐性を持った、より強い病原体になることがある。そこで、人間もより強い抗生物質を開発して対抗してきたが、現在使われている最強の抗生物質でさえ、まったく効かないような強い病原体が増えている。最近、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)による院内感染が社会問題となっているが、このMRSAも、黄色ブドウ球菌が抗生物質に対して薬物耐性を身につけ、抗生物質がまったく効かない強い菌に成長した結果である。抗生物質は畜産や養鶏や養殖にも使われている。病気の蔓延を防ぐために、抗生物質入りの飼料を与えるが、薬漬けのエサで飼育された動物の体内では、病原体が遺伝子組み換えをして薬物耐性を持っている。それが人間の体内に入るときには、抗生物質が効かない強い菌になっていることが多い。遺伝子組み換えによる家畜や農作物の生産も、感染症が増えている要因の一つだと考えられる。遺伝子組み換え食品白体が毒性を持っていると思われるので、これらが人間の免疫を撹乱し、感染症に対して人問を非常に弱体化している可能性がある。

 

免疫力を高める生活

 

こうした時代に対応するために何よりも大事なことは、自分自身の免疫力を高めておくということ。というのは、病原体に感染しても、それがすぐ発病につながるわけではなく、体には防御機構があり、病原体が体内に入ってきても、白血球やリンパ球などの免疫細胞が連携プレーで病原体を撃退する。免疫細胞が活発に動いて病原体を撃退すれば、感染しても発病することはない。免疫細胞が弱いと、病原体との戦いに敗れて発病してしまいます。つまり発病する、しないは、免疫力の強さにかかっている。免疫力を高める方法はいたって簡単で、十分な栄養と睡眠、新鮮な酸素の供給、そしてストレスのない生活を送るということである。免疫細胞も人間と同じように独立した生命体なので、元気に活動するためにはエネルギーが必要。タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの栄養素を摂るのがよい。細胞膜が酸化すると細胞が活発に動けなくなるので、抗酸化力を持ったビタミンBC、べータカロチンを多く摂る必要がある。例えばお茶や、ニンジンやトマトなど色素の入った食物などがよい。逆に、コーヒーや揚げ物は、細胞膜を酸化して細胞の活動を鈍らせるので、できるだけ控えるべきである。体内の酸素が不足すると、免疫細胞のエネルギーがつくり出せないので、新鮮な酸素の供給する必要がある。それから、ストレスがあると、アドレナリンが出て栄養が尿から排泄され、その結果体内の栄養不足になるだけでなく、免疫細胞の活動も阻害されてしまうので、ストレスをためない生活を心がける

 

正しい環境をつくる

 

細菌やウイルスが繁殖しにくい環境をつくることも必要である。ただし、抗菌やカビ防止、ダニ防止などの化学製品のなかには、農薬と同じ有機リン剤が入っていてむしろ危険なものもある。抗菌グッズに頼るよりは、掃除や湿度のコントロールに注意するほうがよい。人間にとっての快適環境は、湿度が40%から60%で、この範囲内に湿度があると、空気中にマイナスイオンが発生します。このマイナスイオンが細菌やウイルスに非常に効き目があり、MRSA0157もマイナスイオンのなかでは二十四時問以内に死ぬといわれる。また、マイナスイオンが体内に入ると、免疫細胞に抗酸化力がついて、細菌やウイルスに対して強くなる。家庭でも、加湿器や除湿機で湿度を調節したり、窓を開けて風を入れたり、部屋に炭を置いたりすることで、マイナスイオンは手軽につくることが出来る。野外で土いじりや森林浴をするのも、マイナスイオンを取り入れるよい方法である。

 

できるだけ抗生物質や薬に頼らないというのも、白分の免疫力を高めるのに必要である。先に述べたように抗生物質を使いすぎると、細菌やウイルスに薬物耐性ができて、強い薬物を使ってもなかなか効かない。ただそれだけでなく、腸壁がただれて栄養の消化吸収が悪くなり、体の免疫力自体も低下してしまうこともある。逆に、普段から抗生物質を使っていない人は、免疫力が高いだけでなく、いざというときに感染症への対応範囲が広がる。結局のところ、新たな感染症の時代になっても、頼りになるのは自分の免疫力である。それは自分で育てるもので、自分の体に常に注意を払い、健康な生活を心がけていれば、免疫力は育てることは出来る。昔の人は、風邪をひいたら、栄養のある温かいものを食べて、よく眠って、汗をかいて、治るまで無理をしないで休養するようにと言っていたが、免疫力を高めるすべての知恵は、こうした先人の伝統的な経験医学のなかにある。