新型肺炎

中国から世界各地へ瞬く間に広がり、すでに150人以上の命を奪った新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)は、新種のコロナウィルスが原因とわかった。軽いかぜや家畜の病気を起こすコロナウィルスから、なぜ、凶暴な病原体が出現したのか。

 

ウィルスは遺伝情報を持つ核酸を蛋白質の殻が覆っているだけで、細胞ではない。つまり自分の体の設計図は持っているのだが、それを基にたんぱく質などを合成する“工場”はない。そこで、動植物などの細胞に感染し、その細胞に体の部分を作らせ増殖する。この時に、“家主”であるヒトや動物の細胞を損傷し、病気を起こす。コロナウィルスの仲間は約15種類が知られている。人間に軽いかぜを起こすものが二種類あるが、大半は、ブタや牛といった家畜に下痢などの消化器症状を起こす。呼吸器障害を起こす種類もあるが、SARSのような急激な肺炎をもたらすものは例がない。コロナウィルスはウィルス表面に王冠状の突起が多数あること、その突起が粒子を取り巻く姿が太陽のコロナ(ラテン語で王冠)に似ていることから、この名がついた。人間や動物に感染する際は、この突起が相手の細胞にくっつき、細胞とウィルスが融合して、ウィルス遺伝子の侵入口を開く。

 

それがなぜ、突然、人間にキバをむいたのか。その仕組みの一つが、遺伝子の一部が、別の遺伝子と入れ替わってしまう「組み換え」という現象である。コロナウィルスは、増殖するために自分の遺伝子を複製するが、途中でその一部が剥がれ落ち、後で元に戻ることがある。異種のウィルスが同時にこうした複製を行うと、剥がれ落ちた部分が別のウィルスに入り込む形で、組み換えが起こりやすい。とはいっても、ウィルスは通常、その種類ごとに、感染する相手(宿主)が決まっており、異種のウィルスが同じ細胞の中で出会うことは少ない。ところが、猫だけは、人間やニワトリなど様々な動物のコロナウィルスに感染する。猫の体内では、異種のコロナウィルスの間で組み換えが起き、凶暴な“雑種”が生まれる恐れがある。一方、SARSウィルスの遺伝子は、既知のコロナウィルスのどれとも違う。ということは、野生動物などあまり知られていない宿主に潜んでいたウィルスの可能性もある。

 

新型肺炎

新型肺炎SARSが、アジアを中心に猛威をふるっている。この病気、中国や香港などで多数の死者を出し、WHOが異例の警報まで出した。発症の原因はコロナウィルスの新型らしい。鳥が持っていて人間は喉で遮断してしまうと言われていたこのウィルスにまぜ新型が出たのかは不明だが、一つ不安なのは動物の飼料などに大量の抗生物質が投与されている。自然界にいきなり大量の異物を持ち込めば、当然、自然の摂理で、それに対抗する新型のものが出来てくる。これは赤痢菌や結核菌で洞に立証されている。もちろん今度のコロナウィルスがどのような経緯で誕生したかはわからないが、とつぜん変異であることは変わりない。人間が奢り高ぶってなんでも、自分の思い通りにする。強引な力でねじ伏せようとすればいつか必ずしっぺ返しを食らう。