ガティーカーラ経


 このように私は聞いた。

 あるとき、仏陀は大勢の比丘衆と共に、コーサラ国を遊行しておられた。そのとき、仏陀は道から離れ、ある場所で微笑まれた。そこで、長老アーナンダには、このような思いが生じた。

「どのような原因とどのような条件があって、仏陀は微笑まれたのであろうか。原因がなければ、如来が微笑むことはありますまい」と。

 そして、長老アーナンダは、片肌を脱いで、仏陀に向かって合掌し、仏陀にこう申し上げた。

「尊師よ。どのような原因とどのような条件があって、仏陀は微笑まれたのでしょうか。原因がなければ、如来が微笑まれることはありますまい。」

「アーナンダよ、その昔、この地にヴェーバリンガという名の町があった。その町は豊かで、繁栄し、人々は多く、民衆でにぎわっていた。アーナンダよ、そのヴェーバリンガの町の近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパがとどまっておられたのだ。アーナンダよ、ここに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園があったのである。アーナンダよ、そして、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、まさにここに座って、比丘衆に訓戒なさったのである。」

 そこで、長老アーナンダは、正装衣を四つ折りにして敷き、仏陀にこう申し上げた。

「尊師よ、それでは、仏陀はお座りください。この地こそ、二人の応供・等正覚が慣れ親しんだ場所となりましょう。」

 そして、仏陀は設けられた座にお座りになった。座られると、仏陀は長老アーナンダにこうお告げになった。

「アーナンダよ、その昔、この地にヴェーバリンガという名の町があった。その町は豊かで、繁栄し、人々は多く、民衆でにぎわっていた。アーナンダよ、そのヴェーバリンガの町の近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパがとどまっておられたのだ。アーナンダよ、ここに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園があったのである。アーナンダよ、そして、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、まさにここに座って、比丘衆に訓戒なさったのである。

 アーナンダよ、ヴェーバリンガの町に、ガティーカーラという名の陶器職人があり、彼は応供・等正覚であられる仏陀カッサパの奉仕者であり、第一の奉仕者であった。アーナンダよ、またガティーカーラ工の友人であり、親友である、ジョーティパーラという名の青年がいた。アーナンダよ、そこで、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、このように言われたとき、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、再び、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、再び、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、三たび、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、三たび、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

『それなら、友ジョーティパーラよ、垢落としと洗い粉を持って、沐浴をしに河に行こうじゃないか。』

『そうしよう。』

と、アーナンダよ、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工に応えた。

 アーナンダよ、そこで、ガティーカーラ工とジョーティパーラ青年とは、垢落としと洗い粉を持って、沐浴をしに河に行った。アーナンダよ、そして、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、この近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園がある。友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、このように言われたとき、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、再び、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、この近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園がある。友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、再び、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、三たび、ガティーカーラ工は、ジョーティパーラ青年にこう問いかけた。

『友ジョーティパーラよ、この近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園がある。友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、三たび、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、そこで、ガティーカーラ工はジョーティパーラ青年の帯をつかんで、こう言った。

『友ジョーティパーラよ、この近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園がある。友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、そのとき、ジョーティパーラ青年はその帯を解いて、ガティーカーラ工にこう言った。

『たくさんだ、友ガティーカーラよ、あのハゲのインチキ出家修行者に会って、どうなるというのだ。』

 アーナンダよ、そこで、ガティーカーラ工はジョーティパーラ青年が洗っている頭髪をつかんで、こう言った。

『友ジョーティパーラよ、この近くに、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの僧園がある。友ジョーティパーラよ、さあ行こう。応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いしようではないか。かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うのだが。』

 アーナンダよ、そこで、ジョーティパーラ青年には、このような思いが生じたのである。

『本当に不思議なことだ。本当に驚くべきことだ。生まれが卑しい、あのガティーカーラ工が、私が洗っている頭髪をつかもうと考えるなんて。これは本当に、些細なことではないに違いない』と。

 そして、ガティーカーラ工にこう言った。

『友ガティーカーラよ、本気でそう思っているのか。』

『友ジョーティパーラよ、本気だとも。なぜなら、かの応供・等正覚であられる仏陀にお会いするのは素晴らしいことだと、私は思うからだ。』

『それなら、友ガティーカーラよ、行こう。行ってみよう。』

 アーナンダよ、そして、ガティーカーラ工とジョーティパーラ青年は、かの応供・等正覚であられる仏陀カッサパがいらっしゃる所を訪れた。訪れると、ガティーカーラ工は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパに礼拝して、傍らに座った。ジョーティパーラ青年もまた、応供・等正覚であられる仏陀カッサパとお互いにあいさつし、親しみを込めた丁寧な賛辞を交わして、傍らに座った。 傍らに座って、アーナンダよ、ガティーカーラ工は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、これは、私の友人であり、親友であるジョーティパーラ青年でございます。仏陀はこの青年に法をお説きください。』

 アーナンダよ、そこで、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、ガティーカーラ工とジョーティパーラ青年に説法して、教え示し、目覚めさせ、感動させ、喜ばせられた。アーナンダよ、そして、ガティーカーラ工とジョーティパーラ青年は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの説法によって、教え示され、目覚めさせられ、感動させられ、喜ばせられて、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの説かれた教えに歓喜し、感謝して、座を立って、応供・等正覚であられる仏陀カッサパを礼拝し、右遶の礼をして去ったのである。

 アーナンダよ、そこで、ジョーティパーラ青年は、ガティーカーラ工にこう言った。

『友ガティーカーラよ、君は今、この法を聴いたにもかかわらず、在家から出家者とならないのか。』

『友ジョーティパーラよ、君は、私が盲目の年老いた父母を扶養しているのを知ってるだろ。』

『それでは友ガティーカーラよ、私は在家から出家者となろう。』

 アーナンダよ、そして、ガティーカーラ工とジョーティパーラ青年は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパがいらっしゃる所を訪れた。訪れると、応供・等正覚であられる仏陀カッサパに礼拝して、傍らに座った。傍らに座って、アーナンダよ、ガティーカーラ工は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、これは、私の友人であり、親友であるジョーティパーラ青年でございます。仏陀は彼を出家させてください。』

 アーナンダよ、こうして、ジョーティパーラ青年は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパのみもとで、出家の許可を得て、具足戒を得たのである。

 さて、アーナンダよ、具足戒を受けて間もないジョーティパーラ青年が、具足戒を受けて半月が経ったとき、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、ヴェーバリンガに心ゆくまでとどまり、バーラーナシーに向かって遊行し、順々に遊行していき、バーラーナシーに入られた。アーナンダよ、そこで、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、バーラーナシーのイシパタナ・ミガダーヤにとどまられたのである。

 アーナンダよ、そして、カーシ国のキキー王は、『応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、バーラーナシーに到着し、イシパタナ・ミガダーヤにとどまっておられる』と伝え聞いた。そこで、アーナンダよ、カーシ国のキキー王は、多くの威風堂々とした車の一つに乗り、多くの威風堂々とした車を伴い、大王の威厳をかざして、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにお会いするために、バーラーナシーを出発した。

 そして、車が通れる所までは車で進み、その後、車から降りて徒歩で進み、応供・等正覚であられる仏陀カッサパがいらっしゃる所を訪れた。訪れると、応供・等正覚であられる仏陀カッサパに礼拝して、傍らに座った。アーナンダよ、そこで、傍らに座ったカーシ国のキキー王に、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは説法をして、教え示し、目覚めさせ、感動させ、喜ばせられた。

 アーナンダよ、そのとき、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパの説法によって、教え示され、目覚めさせられ、感動させられ、喜ばせられて、応供・等正覚であられる仏陀カッサパに、こう申し上げた。

『尊師よ、どうか明日、仏陀は比丘衆と共に、私の食事をお受けください。』

 アーナンダよ、そこで、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、黙ってそれに同意なさったのである。アーナンダよ、そのとき、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパがこれをお受けになったのを知って、座を立って、応供・等正覚であられる仏陀カッサパを礼拝し、右遶の礼をして去ったのである。

 さて、アーナンダよ、カーシ国のキキー王は、その夜が過ぎてから、極妙な硬い食べ物と軟らかい食べ物、玄米を除き精白された米飯と、様々なスープと様々な料理を、自らの家に用意させて、応供・等正覚であられる仏陀カッサパに、食事の用意ができたことをお告げした。

『尊師よ、お食事の時間です。用意が調いました。』

 アーナンダよ、そこで、応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、早朝、内衣を着け、衣鉢を持って、そのカーシ国のキキー王の家に趣かれた。趣くと、比丘衆と共に設けられた座にお座りになった。そして、アーナンダよ、カーシ国のキキー王は、仏陀を主賓とする比丘衆に、極妙な硬い食べ物と軟らかい食べ物を、自らの手で満足するまでおもてなし申し上げた。

 さて、アーナンダよ、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパが食事を終えて、鉢から手を離されたとき、ある低い座を取って、傍らに座った。傍らに座って、アーナンダよ、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、仏陀はバーラーナシーにおいて、私の雨季の住居でお過ごしください。僧伽には、このような奉仕がございましょう。』

『いえ、大王よ、私には既に住んでいる雨季の住居があるのです。』

 アーナンダよ、再び、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、仏陀はバーラーナシーにおいて、私の雨季の住居でお過ごしください。僧伽には、このような奉仕がございましょう。』

『いえ、大王よ、私には既に住んでいる雨季の住居があるのです。』

 アーナンダよ、三たび、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、仏陀はバーラーナシーにおいて、私の雨季の住居でお過ごしください。僧伽には、このような奉仕がございましょう。』

『いえ、大王よ、私には既に住んでいる雨季の住居があるのです。』

 アーナンダよ、そのとき、カーシ国のキキー王は、『応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、バーラーナシーにおいて、私の雨季の住居でお過ごしくださらない』と動揺し、落胆したのである。アーナンダよ、そこで、カーシ国のキキー王は、応供・等正覚であられる仏陀カッサパにこう申し上げた。

『尊師よ、私よりあなた様に奉仕する者が、他にだれかいるのでしょうか。』

『大王よ、ヴェーバリンガという名の町がある。そこに、ガティーカーラという名の陶器職人がいる。彼は私の奉仕者であり、第一の奉仕者である。大王よ、あなたは、「応供・等正覚であられる仏陀カッサパは、バーラーナシーにおいて、私の雨季の住居で過ごしてくれない」と動揺し、落胆した。しかし、ガティーカーラ工には、そのようなことはなく、またこれからもないであろう。

 大王よ、ガティーカーラ工は、仏陀に帰依し、法に帰依し、僧伽に帰依しているのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、殺生から離れ、偸盗から離れ、愛欲における邪行から離れ、妄語から離れ、放逸さの原因である穀物酒や果実酒などの酒から離れているのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、仏陀に対して絶対の浄信を具足し、法に対して絶対の浄信を具足し、僧伽に対して絶対の浄信を具足し、聖者が愛する戒を具足しているのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、苦において疑いがなく、苦の生起において疑いがなく、苦の滅尽において疑いがなく、苦の滅尽に至る方法において疑いがないのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、一食者であり、梵行をなし、持戒者であり、善法者である。

 大王よ、ガティーカーラ工は、美しいマニ珠を捨て、金銀から離れているのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、棒や自らの手で地面を掘ることはない。もし、崩れた土手の土、あるいは鼠が掘り起こした土があれば、喜んで持ち帰り、陶器を作って、このように言うのである。

「米やインゲン豆やエンドウ豆を交換したい人は、ここに置いて、欲しいものをお持ち帰りください」と。

 大王よ、ガティーカーラ工は、盲目の年老いた父母を扶養しているのである。

 大王よ、ガティーカーラ工は、五下分結を完全に破壊することによって、化生者となり、かの所で完全煩悩破壊し、あの世から還らないのである。

 大王よ、私はかつて、ヴェーバリンガの町にとどまっていた。大王よ、そのとき、私は早朝、内衣を着け、衣鉢を持って、ガティーカーラ工の父母のところを訪れた。訪れると、ガティーカーラ工の父母にこう言ったのである。

「さて、あの焼物師はどこに行ったのですか。」

「尊師よ、あなたさまの奉仕者は出かけております。ですから、甕から米飯を取り、釜からスープを取って、お召し上がりください。」

 大王よ、そこで、私は甕から米飯を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのである。

 さて、大王よ、ガティーカーラ工は父母の所に戻ってきた。戻ると、父母にこう言った。

「甕から米飯を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのは、だれですか。」

「息子よ、甕から米飯を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのは、応供・等正覚であられる仏陀カッサパなのだ。」

 大王よ、そのとき、ガティーカーラ工には、このような思いが生じたのである。

「私にとって、本当に利益である。私にとって、本当に素晴らしい恩恵である。応供・等正覚であられる仏陀カッサパが、このように信頼してくださるとは」と。

 大王よ、そして、ガティーカーラ工は半月間、父母は七日間、歓喜が去らなかったのである。

 大王よ、また、私はかつて、同じヴェーバリンガの町にとどまっていた。大王よ、そのとき、私は早朝、内衣を着け、衣鉢を持って、ガティーカーラ工の父母のところを訪れた。訪れると、ガティーカーラ工の父母にこう言ったのである。

「あの焼物師はどこに行ったのですか。」

「尊師よ、あなたさまの奉仕者は出かけております。ですから、鍋から乳粥を取り、釜からスープを取って、お召し上がりください。」

 大王よ、そこで、私は鍋から乳粥を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのである。

 さて、大王よ、ガティーカーラ工は父母の所に戻ってきた。戻ると、父母にこう言った。

「鍋から乳粥を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのは、だれですか。」

「息子よ、鍋から乳粥を取り、釜からスープを取り、食べ終わってから、座を立って帰ったのは、応供・等正覚であられる仏陀カッサパなのだ。」

 大王よ、そのとき、ガティーカーラ工には、このような思いが生じたのである。

「私にとって、本当に利益である。私にとって、本当に素晴らしい恩恵である。応供・等正覚であられる仏陀カッサパが、このように信頼してくださるとは」と。

 大王よ、そして、ガティーカーラ工は半月間、父母は七日間、歓喜が去らなかったのである。

 大王よ、また、私はかつて、同じヴェーバリンガの町にとどまっていた。大王よ、そのとき、私の住まいは雨漏りした。大王よ、そこで、私は比丘達にこう告げたのである。

「行きなさい。比丘達よ。ガティーカーラ工の家で藁を見つけてきなさい。」

 大王よ、こう言われて、比丘達は私にこう言った。

「尊師よ、ガティーカーラ工の家には藁がありません。ただし、彼の家は藁で葺かれています。」

「行きなさい。比丘達よ。ガティーカーラ工の家の屋根を剥ぎ取りなさい。」

 大王よ、そこで、彼ら比丘達はガティーカーラ工の家の屋根を剥ぎ取ったのである。大王よ、そのとき、ガティーカーラ工の父母は、比丘達にこう言った。

「わが家の屋根を取るのはだれですか。」

 比丘達はこう言った。

「ご両親、応供・等正覚であられる仏陀カッサパのお住まいは、雨漏りしているのです。」

「尊者達よ、どうぞお持ちください。賢者達よ、どうぞお持ちください。」

 さて、大王よ、ガティーカーラ工は父母の所に戻ってきた。戻ると、父母にこう言った。

「わが家の屋根を取ったのはだれですか。」

「息子よ、比丘達だ。応供・等正覚であられる仏陀カッサパのお住まいが、雨漏りしているのだ。」

 大王よ、そのとき、ガティーカーラ工には、このような思いが生じたのである。

「私にとって、本当に利益である。私にとって、本当に素晴らしい恩恵である。応供・等正覚であられる仏陀カッサパが、このように信頼してくださるとは」と。

 大王よ、そして、ガティーカーラ工は半月間、父母は七日間、歓喜が去らなかったのである。

 大王よ、そしてまた、彼の家は、まる三ヶ月間屋根がなかったのに、雨が漏ることはなかったのだ。大王よ、ガティーカーラ工は、このような人なのである。』

『尊師よ、ガティーカーラ工にとって、利益であります。尊師よ、ガティーカーラ工にとって、素晴らしい恩恵であります。仏陀がこのように信頼なされるのは。』

 アーナンダよ、そこで、カーシ国のキキー王はガティーカーラ工に、精白された米飯と、それにふさわしいスープを載せた、五百の荷車を贈ったのである。アーナンダよ、そして、その王の従者は、ガティーカーラ工の所を訪れて、こう言った。

『友よ、精白された米飯と、それにふさわしいスープを載せた、これら五百の荷車は、カーシ国のキキー王があなたに贈られるのです。友よ、これを受け取ってください。王は仕事が多く、お忙しくあられます。まあ、わが王にはありがちなことです。』

 アーナンダよ、『そのときのジョーティパーラ青年は、きっと別人だろう』と、君は思うだろうか。アーナンダよ、しかし、これはそのように見てはならない。そのときのジョーティパーラ青年は、私なのである。」

 このように仏陀はお説きになった。歓喜した長老アーナンダは、仏陀の説かれた教えを承り、それを実践しようと心から決意した。