マッリカー
あるとき、仏陀はサーヴァッティーのジェータ林にあるアナータピンディカの園にとどまっておられた。そのとき、マッリカー王妃は、仏陀がいらっしゃる所を訪れた。訪れると、仏陀を礼拝して傍らに座った。傍らに座って、マッリカー王妃は、仏陀にこう申し上げた。
「尊師よ、この世に一人の女性がいて、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えて、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのは、一体どのような原因とどのような条件によるのでしょうか。
尊師よ、また、この世に一人の女性がいて、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えるが、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのは、一体どのような原因とどのような条件によるのでしょうか。
尊師よ、また、この世に一人の女性がいて、容色が良く、見た目が良く、感じが良く、もっとも優れた華麗な容色を賦与されているが、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのは、一体どのような原因とどのような条件によるのでしょうか。
尊師よ、また、この世に一人の女性がいて、容色が良く、見た目が良く、感じが良く、もっとも優れた華麗な容色を賦与されていて、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのは、一体どのような原因とどのような条件によるのでしょうか。」
「マッリカーよ、ここに一人の女性がいて、憤激があり、悩みが充満し、つまらないことを言われただけで罵り、激怒し、傷付け、抵抗して、激怒と害心と不満を明らかにする。そして、彼女は出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施さない。さらに、嫉妬と慢があって、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたみ、憤り、嫉妬を併せ持つのだ。
もし彼女がそこで死んで、女として生まれてくるならば、彼女はどこに生まれ変わろうとも、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えて、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのである。
マッリカーよ、また、ここに一人の女性がいて、憤激があり、悩みが充満し、つまらないことを言われただけで罵り、激怒し、傷付け、抵抗して、激怒と害心と不満を明らかにする。しかし、彼女は出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施す。さらに、嫉妬と慢がなく、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたまず、憤らず、嫉妬を併せ持つことがないのだ。もし彼女がそこで死んで、女として生まれてくるならば、彼女はどこに生まれ変わろうとも、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えるが、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのである。
マッリカーよ、ここに一人の女性がいて、憤激がなく、悩みが充満することなく、大事なことを言われても罵らず、激怒せず、傷付けず、抵抗せず、激怒と害心と不満を明らかにすることはない。しかし、彼女は出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施さない。
さらに、嫉妬と慢があって、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたみ、憤り、嫉妬を併せ持つのだ。
もし彼女がそこで死んで、女として生まれてくるならば、彼女はどこに生まれ変わろうとも、容色が良く、容姿が良く、感じがよく、もっとも優れた華麗な容色を賦与されているが、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのである。
マッリカーよ、ここに一人の女性がいて、憤激がなく、悩みが充満することなく、大事なことを言われても罵らず、激怒せず、傷付けず、抵抗せず、激怒と害心と不満を明らかにすることはない。そして、彼女は出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施す。さらに、嫉妬と慢がなく、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたまず、憤らず、嫉妬を併せ持つことがないのだ。もし彼女がそこで死んで、女として生まれてくるならば、彼女はどこに生まれ変わろうとも、容姿が良く、見た目が良く、感じが良く、もっとも優れた華麗な容色を賦与されていて、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのである。
マッリカーよ、この世に一人の女性がいて、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えて、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのは、このような原因とこのような条件によるのである。
マッリカーよ、また、この世に一人の女性がいて、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えるが、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのは、このような原因とこのような条件によるのである。
マッリカーよ、また、この世に一人の女性がいて、容色が良く、見た目が良く、感じが良く、最も優れた華麗な容色を賦与されているが、貧乏で、持ち物は少なく、資産は少なく、権力があまりないのは、このような原因とこのような条件によるのである。
マッリカーよ、また、この世に一人の女性がいて、容色が良く、見た目が良く、感じが良く、最も優れた華麗な容色を賦与されていて、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があり、大きな権力を持つのは、このような原因とこのような条件によるのである。」
このようにお説きになったとき、マッリカー王妃は仏陀にこう申し上げた。
「尊師よ、私は別の生において、憤激があり、悩みが充満し、つまらないことを言われただけで罵り、激怒し、傷付け、抵抗して、激怒と害心と不満を明らかにしたために、尊師よ、この私は現在、容色が悪く、容姿が悪く、極めて邪悪に見えるのです。
尊師よ、しかし、私は別の生において、出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施したために、尊師よ、この私は現在、裕福で、たくさんの財産があり、たくさんの資産があるのです。
尊師よ、また、私は別の生において、嫉妬と慢がなく、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたまず、憤らず、嫉妬を併せ持つことがなかったために、尊師よ、この私は現在、大きな権力を持っているのです。
尊師よ、さらに、この王宮の中には、武人階級の少女も祭司階級の少女も長者の少女もおりますが、私は彼女たちに対して自在に支配しているのです。
尊師よ、今日からこの私は、憤激をなくし、悩みが充満することをなくし、大事なことを言われても罵らず、激怒せず、傷付けず、抵抗せず、激怒と害心と不満を明らかにいたしません。そして、出家修行者や祭司に対して、食べ物・飲み物・衣服・乗り物・花飾り・香料・化粧品・寝具・住居・灯明を施します。さらに、嫉妬と慢をなくし、他の利益・尊敬・尊重・敬重・礼拝・崇拝に対してねたまず、憤らず、嫉妬を併せ持つことをなくします。
素晴らしいことです、尊師よ。素晴らしいことです、尊師よ。たとえるならば、倒れたものを起こし、また覆われたものを明らかにし、また迷えるものに道を示し、また「眼ある人は物を見よ」と、暗闇に灯火をもたらすようなものであり、このように、仏陀は様々な方便によって、法をお説きくださいました。尊師よ、この私は、仏陀と法と比丘衆に帰依いたします。仏陀は、私を帰依信女としてお認めください。今日から一生涯、帰依いたします。」