ホルモン分泌の変化

● ホルモン分泌の変化

 生物学的に見ますと、老化現象は30代にすでに始まっていますが
女性の体にとって著しい変化を見せるのが、更年期にみられるホルモン
分泌の変化です。

 これは、個々のホルモン分泌が単独に変化をするのではなく、内分泌系
全体にみられる変化です。

 性機能に関係のある視床下部−下垂体−卵巣系の内分泌変化とともに
生物としての個体維持に大きな関係を持つ視床下部−下垂体−副腎系
の内分泌にも変化が見られます。

 更年期では、性腺(卵巣)からのホルモン分泌が低下することと、これに
対して下垂体からの性腺刺激ホルモン分泌は、逆に性成熟期にくらべると
増加して、この状態が10年間続きます。

 下垂体から分泌される性腺刺激ホルモンは、卵胞刺激ホルモンと
黄体化ホルモンがあります。この時期は、成熟期とは異なり、卵胞刺激
ホルモンと黄体化ホルモンの比率が変動し、このバランスの崩れが更年期
の異常出血の原因にもなってくるのです。

 性腺(卵巣)から出されるホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と
黄体ホルモン(プロゲステロン)の2種類があります。

 このエストロゲンを分泌している臓器は、卵巣だけではなく、左右の腎臓
の上にのっている副腎からもこのホルモンが分泌されています。
エストロゲンは、閉経後5〜10年は卵巣と副腎両方から分泌されていて
高年齢になると卵巣の働きが消失して、副腎から分泌されるものだけになる
と考えられます。

 性腺(卵巣)からも出されるもう一つのホルモンはプロゲステロンですが
これは尿中にはプレグナンジオールという形で排泄されます。卵巣の老化
が進み、だんだんに黄体がつくられなくなると、尿中のプレグナンジオール
値も減少してきます。更年期以後にはエストロゲンよりも急激に減少してくる
ので、更年期に入るとエストロゲンとプロゲステロンの値の比が、性成熟期
に比べて高くなります。このバランスが崩れることが、更年期の異常出血や
その他の障害を引き起こすことになります。