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年をとると誰でも骨がもろくなるものですが、それが病的に進んだのが骨粗鬆症です。 骨粗鬆症になると、些細なことで骨折を起こしやすくなり、長期入院したりすると、場合に よっては、寝たきりや痴呆になることもあります。 一般的に女性が多いと言われておりますが、男性においても同じことが言えます。 |
| @ | どのような病気? |
| A | 骨粗鬆症の二つのタイプ! |
| B | カルシウムとカルシウム代謝調整ホルモン |
| C | 骨がもろくなると・・・ |
| D | いったんもろくなった骨は元には戻らない |
| E | 生涯女性の骨塩量の変化 |
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@ どのような病気? ◎ 骨塩量が減少して骨折を起こしやすくなる病気! ”骨がもろくなってスカスカになる病気”といわれ、骨塩量さえ測れば簡単にわかります。 骨量(骨塩量)、つまり骨に含まれるカルシウムなどの無機質の量が減少して、骨組織の微細構造が 変化し、その結果、骨がもろくなり、骨折をおこしやすくなる全身性の疾患です。 ◎ ほとんど症状がなく「静かな泥棒」と呼ばれています。 骨粗鬆症の厄介な点は、殆どが症状がないことです。気付かないうちに症状が進み、何かの拍子に 骨折したりして、初めて骨粗鬆症と診断されることが殆どです。 このように、従来は骨折によって骨粗鬆症と診断されることが多かったものですが、国際骨粗鬆症会議 の定義では、骨折をおこさなくても、骨塩量が減少して骨がもろくなっていれば骨粗鬆症であるとしてい ます。 ◎ 若いうちから予防を心がける。 骨粗鬆症になり、それが骨折という形で現れるのは、70代、80代になってからです。 しかし、薬による治療に限界があるので、このように骨が折れてしまうほど骨塩量が減少してしまってから では、治療しても手遅れといえます。ある程度異常のレベルまでいったん下がってしまった骨塩量や 骨組織の微細構造の変化を、再びもとのように増やすのは不可能です。 そこで、たとえ症状がなくても、ある年齢になったら、自分の骨塩量を測って、手遅れになる前に予防 しようというのが、最近の考えです。それが、骨粗鬆症予防につながるし、生活向上にもつながります。 まだまだ先だと思わずに、今から骨粗鬆症予防に心がけて下さい。 Top |
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A骨粗鬆症の二つのタイプ! ◎ 大部分は閉経後骨粗鬆症と老人性骨粗鬆症。 骨粗鬆症は、大きく分けて2つのタイプに分かれます。1つは、「原発性骨粗鬆症」もう1ては「続発性骨粗鬆症」です。原発性骨粗鬆症とは、特に原因となるような病気が見当たらないものをいいます。一方、続発性骨粗鬆症とはなんらかの病気があったり、ある種の薬を服用しているために骨塩量が減少して、その結果骨粗鬆症になったものをいいます。原発性骨粗鬆症の中でも圧倒的に多いのは、閉経を迎えた50代から70代までの女性に多い閉経後骨粗鬆症、そして、それ以降の高齢者に見られる老人性骨粗鬆症です。閉経後骨粗鬆症はほとんどが女性ですが、老人性骨粗鬆症になると男性も増えてきます。この2つを合わせて退行期骨粗鬆症とよんでいますが、この退行期骨粗鬆症が骨粗鬆症の90%を占めています。つまり、骨粗鬆症といえば、一般にこの退行期骨粗鬆症をさすものといっていいでしょう。 ◎ 病気などが原因で起こる続発性骨粗鬆症。 それに対して続発性骨粗鬆症は、原因のはっきりしている骨粗鬆症で、甲状腺機能亢進性や糖尿病、慢性関節リウマチなどの病気、それにステロイド剤の服用などによって骨塩量が減少するものでs。これは、年齢や男女を問わず起こります。生理不順や無月経などで骨粗鬆症になったり、宇宙飛行士が無重力状態の中で何日かを過ごした為に骨粗鬆症になるのも、こちらのタイプです。続発性骨粗鬆症はそれほど多いものではなく、また、このタイプにかかっても原因さえとり除ければ骨は元に戻ります。 Top |
| Bカルシウムとカルシウム代謝調整ホルモン ◎ カルシウムの99%は骨に蓄えられている。 骨はいくつかの重要な役割を担っていますが、その一つがカルシウムの貯蔵です。カルシウムは私達が生命を維持していくのに欠かせない大切なものですが、その99%は骨に蓄えられており、残りの1%が血液やその他の液体、軟組織などに含まれます。 血液のカルシウム濃度は常に一定に保たれています。もし、この濃度が高くなったり低くなったりすれば、心臓が止まるなど、生命に かかわることになるため、厳重に一定の値を保つ必要があります。 そのため、血液中のカルシウムが不足すると、直ちに骨から血液中にカルシウムが溶け出す仕組みになっています。 勿論、余ればまた、骨に蓄えられます。いわば、骨はカルシウム銀行のようなものです。 私達は食べ物からカルシウムを摂取していますが、十分なカルシウムが摂れないと、血液中のカルシウム濃度が下がり、骨に蓄えられ たカルシウムが溶け出して補います。カルシウム貯金を引き出すわけです。このとき、重要な働きをするのが カルシウム代謝調整ホルモンと呼ばれる各種のホルモンです。 ◎カルシウム代謝調整ホルモンの重要な働き 血液中のカルシウム濃度が低くなると、その情報が副甲状腺に伝えられ、副甲状腺ホルモンが分泌されます。 ホルモンは、破骨細胞の働きを活発にし、骨に蓄えたカルシウムを血液中に放出させます。 同時に腎臓から活性型ビタミンDというホルモンが多量に分泌されます。ビタミンDは、食べ物からも摂取されますが、紫外線を浴びることによって皮下脂肪の中でも合成されます。そして、腎臓で活性型ビタミンDというホルモンに変わります。 この活性型ビタミンDは、腸からのカルシウムの吸収をよくするホルモンです。 逆に、血液中のカルシウム濃度が上がると、今度は甲状腺からカルシトニンというホルモンが分泌されます。 このホルモンは破骨細胞の働きを抑え、骨が溶け出すのを抑制します。この副甲状腺ホルモン、活性型ビタミンD、カルシトニンの3つがカルシウム代謝調整ホルモンです。 この外、女性ホルモンのエストロゲンも破骨細胞の動きを抑え、骨芽細胞の働きを助けて、さらに腎臓で活性型ビタミンDが作られるのを助ける働きがあります。 Top |
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C骨がもろくなると・・・ ◎骨粗鬆症の最大のもん合いは骨折しやすくなること! 骨粗鬆症とは、骨がもろくなる病気、という認識は広く行き渡っています。しかし、ただ骨がもろくなるだけなら、それほど大騒ぎする必要はありません。問題は、骨がもろくなって骨折しやすくなることです。 「転んで手をついたら、手首の骨が簡単に折れてしまった」とか「くしゃみをしただけで背骨が折れてしまった。」などという話しを耳にすることがありますが、骨粗鬆症で骨がもろくなると、このように、ほんの些細なことで骨が折れてしまいます。 ◎骨折は高齢者のねたきりの原因の上位を占める。 若い人の骨折なら回復も早く、社会復帰もできますから、そう大きな問題にはなりません。しかし、高齢者の場合は別です。高齢者が大腿骨頸部骨折といって、大腿の付け根などを骨折すると手術が必要になり、長期間入院しなければなりません。すると、それが原因となって肺炎などの合併症を起こして死亡したり、寝たきりやボケにつながることも少なくないので高齢者の骨折は決して侮ることが出来ないのです。これから21世紀にかけて高齢化社会となり、老人人口が急増すると言われているだけに、これは重要な問題です。勿論、歳をとったら全ての人が骨粗鬆症になるわけでもなく、また、骨粗鬆症になった人が全て骨折から寝たきりになるわけではありません。 しかし、わが国の高齢者が寝たきりになる原因の上位に、外傷・骨折が入っていることを見ると、骨粗鬆症を予防することが骨折のリスクを少なくし、結果として、寝たきりを防ぐことにつながると言っていいでしょう。 Top |
| Dいったんもろくなった骨は元には戻らない ◎多少の骨塩量減少ならある程度の回復は可能 骨粗鬆症になってしまった骨は、もう元にはもどらないのでしょうか?病気や薬が原因で起こる続発性骨粗鬆症であればその原因を取り除けば骨は元の状態に戻ります。こちらは、いわば”治る骨粗鬆症”です。 ところが、原発性骨粗鬆症は、加齢という生理減少が主となっておこるものなので、骨を元の状態に戻すのはなかなか困難です。ただし、全く不可能というわけではありません。女性は閉経を迎えて女性ホルモンが分泌されなくなると。急激に骨塩量が減少し始めます。もともと若いときから骨塩量が少なかったり、閉経後の骨塩量減少が急速な人は、「骨塩減少症」といいすてにこの段階で、治療が必要となります。このころが、”骨の曲がり角”ですが、この曲がり角を過ぎて骨がもろくなってしまっても、まだ手遅れというわけではありません。薬による治療や食事・運動・日光浴などを心がけて、再び骨塩量を増やすことは可能です。 ただし、骨塩量が大きく減ってしまった場合は、若いときの状態にまで回復させるのは無理で、今の量を維持することが精一杯です。 ◎骨折がはじまってからでは手遅れ もっと年をとって、骨折がおこるようになってからでは、もう骨塩量を増やすことは無理です。網の目のように張り巡らされた骨梁のやせ細ったものを、治療によってほんの少し太くすることはできますが、一旦無くなってしまった骨梁を再生させることは不可能だからです。つまり、骨の強度は、元には戻りません。骨が減ってから慌てて治療するより、今のうちから骨塩量をできるだけ減らさないことが大切です。 TOP |
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E生涯女性の骨塩量の変化 ◎骨の強さをあらわす骨塩量と骨密度 骨の強さを表すのに「骨量」ということばがあります。これは、骨塩量ともいい、骨に含まれるカルシウムやリンなどの無機質の量のことです。骨は、その重量の1/2がこの無機質、1/4がコラーゲン(骨の芯をつくっているたんぱく質)、残りが水分です。 骨をビルに例えると、コラーゲン繊維が鉄筋で、その鉄筋と鉄筋の間を満たすコンクリートがカルシウムとリンにあたります。この3つの材料が揃って初めて丈夫な骨がつくられるのです。骨の強さの指標として、もう一つ「骨密度」という言葉が使われますが、これは骨をx線で測定して、1uあたりのカルシウムの量をgであらわしたもののことです。この骨密度が高いほど骨が丈夫だということになります。 ◎20〜40歳過ぎまでが最も骨塩量が多いとき ところで、この骨塩量は一生不変ではなく、生まれてから死ぬまでの間にかなり大きく変化します。生まれたばかりの赤ちゃんの骨塩量は、わずか30g程度です。それが成長とともに増えて、10歳代には活発に骨の形成が行われます。特に女性は初経を迎えて女性ホルモンの分泌が始まると同時に、骨塩量も一気に高まります。こうして10歳代から急激に増えた骨塩量は、20歳前後にピークに達します。この、一生のうちで最も高い値になったときの骨塩量を「ピーク・ボーン・マス(最大骨量)」とよんでいますが、このような骨塩量の高い状態が40歳過ぎまで続きます。そして、その時期を過ぎてそろそろ更年期にさしかかるころから、男性も女性も少しづつ骨塩量が減り始めます。これは、加齢に伴う生理現象で、誰にもおこることです。 ◎閉経の後、骨塩量は急激に減り始める ところが、それに追い討ちをかけるのが閉経です。閉経を迎えて女性ホルモンの分泌が減る50歳過ぎから、女性の骨塩量は急カーブを描いて減り始めます。一生のうちでこの時期は、女性にとって骨の健康の上で大きな節目となるときです。このような急激な減少は10〜15年ほど続きます。そのあとは、減少のカーブは緩やかになるものの、年とともにさらに骨塩量は減ってきます。 骨を丈夫にするには、この”女の骨の一生”を念頭において最もふさわしい時期にタイミングよく予防処置をとるのが賢いやり方です。 Top |