性器の変化

● 性器の変化

 更年期の女性の体で最も変化が著しいのは卵巣です。
卵巣の老化は、すでに30代半ばで始まりますが、ことに35歳を過ぎると老化が進み
黄体がつくられなくなる場合がみられるようになります。

 更年期に入ると、卵巣の組織に変化がおこり、結合組織が増殖して膜が厚くなるため
排卵が見られなくなる場合が多くなります。この時期になると、性成熟期に比べて卵巣の
大きさも除々に縮小し、さらに加齢の影響で、更年期後期には、ほとんど黄体の形成は
認められません。

 更年期後期に入ると、子宮は萎縮を始めて小さくなってきます。子宮頸部の大きさの
比率が成熟期とは異なり、思春期の子宮の形に戻ってきます。
また、成熟期にみられた膣部糜爛は消失します。

 さらに、これまで一定のリズムで繰り返されていた子宮内膜の増殖の周期性が乱れ
更年期の不正出血や月経異常の原因になります。更年期前期には、自律神経失調性
の子宮うっ血状態が一時みとめられることもありますが、月経が閉止したのちの更年期
後期には、さらに子宮の萎縮が進み、血管も退化して、子宮への血流は減少してきます。

 膣や外陰にも更年期に伴う変化がみられます。
更年期前期では、膣萎縮はほとんどありませんが、さらに進むと、膣は萎縮して狭くなりま
す。また、膣壁の弾力性、潤いが少しずつ失われていきます。しかし、膣の入り口が狭く
なるようなことは、この時期にはまだ殆どありません。

 全ての生物には個体差というものがありますが、膣の老化(萎縮)にも大きな個人差が
あるのは当然です。夫の有無、出産経験の有無、あるいは性行為の有無などによって
膣の老化の早いおそいは人によりかなりの違いがあります。夫のある人がない人より
出産経験のある人がない人より、また最も大きな因子としては、現在性行為のある人の
方がない人より、膣の老化は遅れ、かなりの年齢まで、ほとんど成熟期の女性とかわらな
いほどの状態が保たれています。

 このことから、性行為についていえば、更年期だから意欲が湧かないから行わないなど
と決め込んでしまわず、夫婦の愛情交換をつづけているほうが、膣の老化をある程度妨げ
るということになります。

 膣内容も、更年期後期になってエストロゲン分泌の低下が起これば、変化してきます。
グリコーゲンが減少し、膣内のpHは高くなり、成熟期の女性の持っていた細菌にたいする
抵抗力が低下してきます。その結果、膣炎が起こりやすくなります。

 膣口も更年期を過ぎると萎縮を始め、老年期には縮小してきます。
また、外陰部にも変化が見られ、一般には皮下脂肪の減少となって現れますが
これにも個人差があります。陰毛にも白髪が認められるようになりますが、普通、頭髪
よりはあとに起こります。