診断されたあたりから、症状はさらに悪化する。単に血が出る程度だったのが、 腸に痛みが出て来た。そして便意も頻繁に来る。正確には、トイレに行かないと いけないおなら(これは経験した方でないとわからないでしょうね)が頻繁に 出る。普通だったらおならで済むのを、その度にトイレの個室に駆け込んで 用を足す。出るのは、ちょっとの液状便である。
それがついに夜中寝ている間にも数回発生するようになる。当然寝不足に なる。会社でもミーティング中に数回席を立ってトイレに行くので、注意は されないが、ちょっと気まずい。何とか他の急用を思い出したようにして 席を立つ。
頭痛もするようになる。通勤の際も、どこかに出かける際も、 まず緊急の便意のために、トイレの位置に気を配る。真剣に老人用の おむつというものを買おうかと悩んだ。
ペンタサを医師からもらって飲んだが、効かない上に頭痛がしてきた。 そのことを医師に告げたら、サラゾピリンに変えてくれた。 今から思えば、この時の頭痛は薬のせいではなくて、症状だったのでは、 という気もする。
サラゾピリンを1週間程続けていたら、症状が段々収まってきた。 しかし、そうこうするうちに通っていた某医院が閉院するという。それで、 家の近くの医院に行ったら、内視鏡検査の写真も紹介状と一緒に渡したのに、 潰瘍性大腸炎ではないように言ったり、ステロイドの座薬を急に出して来た。 座薬とは言え、私はあまりステロイドは使いたくないので、結局、 この医院には行かずに、自分で食事療法の道を探求することにした。 幸い、前の病院でもらったサラゾピリンが3週間分ぐらい残っていたので、 それで時間を稼ぎ、本やインターネットで、何とか食事療法を試行錯誤した。
まず初めに行なったのは、ヨーグルト療法。腸内のビフィズス菌などの 善玉菌を増やせば、何とかなるのでは、と思いLG21やGG菌ヨーグルトを 朝たくさん食べて、様子を見た。確かに便の色は健康的な黄色に なったが、まだ腸壁の残骸のような変なぼろぼろのくずのような便が出て、 便も下痢である。だが、ヨーグルトを食べ始めてから、サラゾピリンの 効果もあっただろうけれど、初めてバナナ状の便を1ヶ月ぶりぐらいで 見て感激した。バナナ状の便を見てうれしいっていう人の気持ち、自分ながら 信じられなかったけれど、本当正直な気持ちだった。
次に試したのは、抗酸化物質である。テレビのSODの特集を見て、 これではないかと思い、抗酸化作用のある物質を色々と試した。 ビタミンEを含むアーモンドを多量に食べたり、カテキン ということでお茶を良く飲んだり、ポリフェノールを含む 飴をしゃぶったり。
結局、これはヨーグルトよりも効果は出なかった。
そして、途方に暮れてインターネットで検索して見つけたのが、 八木田先生の本を紹介するホームページであった。「若者の腸が危ない」 この本の題名がもし、単刀直入に「潰瘍性大腸炎」とかだったら、もっと早く 見つけていただろうが、「若者の腸が危ない」という回りくどい題名のために、 既に「若者」ではない私にとっては、発見が遅れてしまった。
そして早速、この本を買いに大きな書店に電話してとっておいてもらい、 買いに行った。そして読んで半信半疑だったが、他に手はない。 それで、それからn-3系列の脂肪酸であるα-リノレン酸が多く含まれる シソ油を見つけて、鯖の缶詰を買い、ねぎとろやうなぎを食べ、 寿司を食べない時でも漬物代わりにガリを食べ、ショウガ湯を飲む 生活を始めた。
初めは薬を飲みながらだから、本当の効果はわからない。 食生活を変えてから、しょっちゅう出た液状の便の回数が減り、 たまにおならも出せるようになった(わかる人にはわかるでしょうね)。 結局、食生活を変えてから3週間経ってから、薬を飲むのを止めた。
それから1週間程して、赤い血は見られず、液状の便もなくなってきた。 しかし、黒っぽい便が出る。上行結腸あたりで出血しているのだろうか。 だが、久しぶりに体重が増えてきた。前は食べても下痢で栄養が吸収 されていなかった。
それからさらに1週間程して、排便後に拭いたペーパーに透明度の高い 液体がついていたのが、つかなくなってきた。また、便に時々 まとわりついていた白い粘液(たぶん脂肪)がなくなってきた。
それからさらに1週間程すると、便はほぼ正常。ただ、 時々黒っぽい便が出たり、血がついていることがある。
これ以降は、ほぼ異常がなくなった。ただ、いい気になって、食べ過ぎたり、 α-リノレン酸に対して肉を多く食べたりすると、しばらくして 下痢気味になったり頭痛がしたりする。下痢も健康な時の下痢ではなく、 便がぼろぼろになったようなものが出てくる。だから、完全に元通り というわけでない。寛解ということか。