自然医学としてのカイロプラクティック哲学
カイロプラクティックは、世界最大の自然医学です。世界は、自然の法則により存在しています。この宇宙を支配する真理をユニバーサル・インテリジェンスと呼びます。私達人間やその他の生物も自然の一部であり、当然その支配を受けて存在しています。私達人間やその他の生物に宿る大自然の知恵、又は生命力は、インネイト・インテリジェンスと呼ばれ、常に私たちの身体を健康に導き、健康を維持するために働いています。インネイト・インテリジェンスは、常に完全であり、故障することはありませんが、しかし、大自然の法則であるユニバーサル・インテリジェンスの支配をまぬがれることはできません。そのため年をとらずにいられる人はなく、永久に生きていられる人もいません。
全身の調和を保つ神経の働き
私達の身体は、脳と神経系を通して全身の調和を保っています。循環器系、呼吸器系、消化器系、内分泌系、筋骨格系等の全てを統括し、調和を保っているのは、神経系の働きです。神経系の中でも特に中枢神経と呼ばれ、重要な部分に脳と脊髄があります。頭蓋骨に護られた部分が脳、背骨に護られている部分が脊髄と呼ばれています。脊髄から枝分かれした神経は、顔の表情、手足の動きなどを可能にして、私たちの命を表現する運動神経や、痛みなどの感覚を司る知覚神経が含まれています。また、自律神経と呼ばれる神経は内臓器官の働きや循環、呼吸などの機能を司ります。
サブラクセーション
背骨の関節の正常な動きが失われ、神経の働きに異常が起こった状態をサブラクセーションと呼んでいます。サブラクセーションが起こると、身体の各システムの調和が乱れ、体調を良く保つことも難しくなります。背骨は24個の骨が連なってできています。一つ一つの骨には上下の骨と接続する関節が左右にあり、背骨全体では40以上の関節が複雑に組み合わされ、私達が身体を自由に動かすことができる仕組みになっています。これらの関節には、私達の日常のさまざまな不摂生や悪い姿勢習慣などが原因で、不整列(ゆがみ)が生じ、背骨や骨盤のゆがみとなります。
注:ここで用いられている“サブラクセーション”は、カイロプラクティック用語で、医学用語で 用いられるサブラクセーション(亜脱臼)とは意味が異なります。
サブラクセーションの影響
1. 構造的負担
私達は、この地球上にいる限り重力の影響から逃れる事はできません。通常、私達は、重力の影響をあまり意識することはありませんが、階段を上ったり坂道を登ったりするとその影響力を知らされます。重力の影響に対していかに効率的に立ち向かうかによって、私達の身体の筋肉や関節を長い期間健康に保てるかどうかが、かかっています。それは、日常の姿勢や、身体の使い方に大きく影響されます。職業によっても姿勢や身体の使い方には傾向があります。また、殆どの人は右利きあるいは左利きで、左右の身体の使い方に片寄りがあります。毎日の片寄った姿勢や身体の使い方から身体にゆがみを生じ、身体の左右前後のバランスが悪くなります。その結果、重力に効率よく立ち向かうことができなくなってしまいます。やがて体重を背負う身体の各部に障害を招くことになってしまいます。殆どの身体のゆがみは、毎日の小さなゆがみの積み重ねで起こります。多くの場合、痛みが出たときにはすでに、関節やその周囲の軟部組織に損傷が起こっています。関節や軟骨に変形などができてしまうと元に戻すことはできません。また、靭帯に損傷が起こると、急性の場合でも回復するまでに3,4ヶ月もかかってしまいます。
2. 生理学的影響
背骨は大切な脊髄を護る容器になっていますので、背骨のゆがみは脊髄の働きにも影響を及ぼします。これはちょうどコンピューターなどの精密機械に歪みを生じると、やがて機械の故障に結びついたりすることと似ています。脊髄の働きの異常は、筋肉の働きの異常や痛みの原因になったり、自律神経を介して内臓の機能にも影響を及ぼします。