ここに集めた出版物は、DIDないしはその近隣疾患を扱ったものばかりです。ノンフィクション中心ですが、中には、『秀作』とされるフィクションもあります。
基本的に私は読みたい本は買って読むほうですが、出版されているものすべてを読んだ訳ではないので、未読の本もたくさん含まれています。
表の中で、『−(ハイフン)』のついているものは、わからないことを意味します(既読のものでもすべての事柄を覚えているわけではないので)。分かり次第追加していきます。また、著者が日本人の場合、訳者はいないので、この表示になっています。
| タイトル | 著者 | 訳者 | 出版元 | コメント | 既読・未読の別 |
|---|---|---|---|---|---|
| 多重人格〜知られざる心の病の真実〜 | 服部雄一 | − | PHP出版 | 「発行部数が少なかった」とのことで、入手は困難かも。おそらくは日本ではじめてDIDの発症、症例を報告した本。古い本なので仕方がないんですが、かなりアメリカ寄り。現在は絶版、服部雄一の個人サイトにてCD−ROMが購入できる。 | 既読 |
| 多重人格 | 和田秀樹 | − | 講談社現代新書 | 入手は比較的簡単。脳内オピオイドや、ジュディス・ハーマンが提唱した『複合型PTSD』としてのDIDにも言及した興味ある1冊。 | 既読 |
| 私の中にいる他人たち―多重人格は本当に存在するのか | 町澤静夫 | − | 創樹社 | ボーダーライン治療の第一人者が著した自らの治療録。2例を詳細に収録。 | 既読 |
| 「私」が「私」でない人たち | ラルフ・アリソン | 藤田真利子(?) | − | 『24人のビリー・ミリガン』でも『権威』とされるアメリカの専門医の治療録。失敗例や「こんなんあり?」的な不思議に至るまで多彩な内容。 | 既読 |
| オシリス・コンプレックス | コリン・ロス | 服部雄一 | PHP出版 | カナダの専門医の治療録。失敗例、『DIDと紛らわしい症例』としての不特定解離性障害(擬似多重人格・自我意識障害など)も多数取り上げた好著。「これは誤解を招くかな」的な不適訳が少々あり残念。解説に福島章。 | 既読 |
| たくさんの私から、ひとりの私へ。 | サラ・オルソン | − 服部雄一監訳・解説 |
− | アメリカの患者の手記。回想録ではなく、大部分が医師との手紙のやり取り、治療のテープの再録。ちんたら読んでると前後の繋がりがよく分からなくなるかも(^^;)。本人の自著である点がミソ。 ちんたら読んでた私は、てきめんに分からなくなりました。結局、何ページも戻る羽目に…とほほ。 |
既読 |
| 多重人格者の真実 | 服部雄一 | − | 講談社ソフィアシリーズ | DID専門セラピストの治療録。出版当時治療を継続していた3例を紹介。ドロップアウト例の紹介もあり。アメリカの患者との比較、患者本人の絵・文字も紹介。 サンプル数があまりにも僅少なので、仕方がないと言えば仕方がないものの、アメリカ寄りな印象が強い。ぜひ現在の治療録と、可能であれば追跡調査を出版してほしいところ。現在絶版、服部雄一個人サイトにてCD−ROM購入が可能。 |
既読 |
| 純子と摩樹子・ふたりの多重人格者 | 瀧野隆浩 | − | 講談社 | 毎日新聞社のジャーナリストが著した、自身と彼の身近にいた多重人格者二人の『変化の記録』。 はい、この純子さんが私です(爆)。 |
既読 |
| 宮崎勤・精神鑑定報告書 | 瀧野隆浩 | − | 講談社 | 上記の著者が、連続幼女殺人事件の被告について提出された精神鑑定書をDIDであることを前提に分析した著書。被告本人の文章なども詳細に挿入、報告。現在は文庫版もあり。 | 未読 |
| 記憶を書き替える―多重人格と心のメカニズム | イアン・ハッキング | 北沢格 | 早川書房 | 健忘と解離障壁はどうしてできるのか。を中心に詳細に分析した著書。原題では『記憶=memories』ではなく、『Soul=魂』となっている点がミソか。ただ、不適訳が多いのが残念。 | 既読 |
| 子供たちは森に消えた | − | − | − | 実際にロシアであった事件を取り上げた、いわゆるドキュメンタリー的著書。連続児童誘拐の犯人は、DIDだった? というもの。 | 未読 |
| 24人のビリー・ミリガン | ダニエル・キイス | 堀内静子 | 早川書房 | アメリカで実際にあった連続強姦殺人事件と、その犯人で、DIDのため無罪とされたビリーこと、ウイリアム・スタンリー・ミリガンの記録。本人の自著ではなく、基本的にSF作家のキイスが著しているためか、いまひとつ説得力に欠けるが、この本が全米・日本で大ベストセラーになったことは事実。 | 実は未読 |
| ビリー・ミリガンと23の棺 | ダニエル・キイス | 堀内静子 | 早川書房 | 『24人のビリー・ミリガン』の続編。無罪を勝ち取ったビリーが送り込まれた先は、最悪の州立精神病院だった。ビリーたちはそこで起こる様々なトラブルや、看護人の暴力に立ち向かい、ついに州立病院を閉鎖に追い込んで行くが……と書けば面白そうだが、やはり説得力は弱い。なぜ?? | 既読 |
| 五番目のサリー | ダニエル・キイス | 小尾芙佐 | 早川書房 | フィクション。5つの人格を持つサリーの日常と治療を描いた作品。治療には催眠が用いられており、あまり現実的ではないが、日常の様子は比較的よく書けているのでは? | 既読 |
| 魔法の娘 | − | − | −(早川だったと思う) | 未読のため不明 | 未読 |
| ジェニーのなかの400人 | − | − | − | 悪魔崇拝の儀式に差し出され、400もの断片に分断されたジェニー。 この本が出版された当時(1980年代)は、このように悪魔崇拝による多重人格が多数報告されていたらしい。が、それが事実かどうかは定かでなく、90年代に入ると、悪魔崇拝自体を見聞きすることは少なくなったとアメリカの専門医は言う。 それはともかくとして、本人が「400の断片」と共存していたことは確か。 |
未読 |
| 失われた私 | フローラ・シュライバー | − | 早川文庫 | 原題『SYBILL(シビル)』。人格障害か分裂病の母親に虐待されて育ったシビル・イザベラ・ドーセットという実在の患者の治療録。DIDと児童虐待の関連をはじめて報告したと思われる書。 | 既読 |
| 私という他人 (イヴの3つの顔) |
セグペン&クレックリー | − | − | 世界的に有名かつ古典的な1冊。物静かなイヴ・ホワイトと奔放なイヴ・ブラック、そしてその両者を折衷したようなイヴリンの出現までを描く治療録。その後『イヴ』本人が自著を出版したことはあまりにも有名。 | 未読 |
| 私は『イヴ』 | − | − | − | 上記のモデルとなった『イヴ』本人が著した回想録および治療録。セグペンとクレックリ−の著書では触れられていないことにも詳細に触れてあるとか。実はタイトルうろ覚えです……(汗)。 | 未読 |
| ヤヌスの鏡 | 宮脇明子 | − | 講談社、のちに集英社 | 1980年代に連載された、二重人格をテーマにしたコミック。おとなしいだけのヒロミと奔放で狡猾なユミ。ふたりはいわばコインの裏表。何も知らないヒロミをよそに、ユミは次々と悪事に手を染めて行く。望まれなかった子・『小沢裕美』の1年間を描写した秀作。 『イヴ』と『シビル』を参考にしたらしく、人格交代の描写は絶妙。専門家いわく、「これは本人がDIDなんじゃないのか?」とのこと。「二人しか出てこないけど、多分もっといるだろうね」とも(~~;)。 |
既読 |
| I’s〜私の中に他人がいる! | 庄司陽子 | − | 講談社 | 1990年代終わりに連載されたコミック。母の離婚以来、唯は言葉を飲みこむようになり、言いたいことが言えなくなってしまった。そして、その母の再婚相手は唯を可愛がるが、幼い唯を性的に見てしまい、遂に行動に及んでしまう。以来、別人格たちが唯の人生を蝕み、小さな少女を「唯の代わりに可愛がる」ために誘拐してきた義父を殺害してしまう。愛されすぎたが故に家庭内の犠牲者に仕立て上げられた子・『小久田唯』の13年間を描いた作品。 見せる都合もあるとは思うのだが、主人公が『ひとり喋り』をするのはどうかと……。あれが本当に日常茶飯事ならポップアップ(ホスト人格がコントロ−ルを失って交代人格が短い間に次々に現れること。精神錯乱にしか見えない)だ……。と思うのは私だけだろうか…………。 |
既読 |
| 失われた『私』を求めて | モートン・プリンス | − | − | あまりにも有名な『ミス・ビーチャム』の治療録、ないしはレポート。しかしどこへ行っても見つからない。なんでや! | 未読 |
| 踏みにじられた魂―私は多重人格だった | ジョーン・フランシス・ケイシー | 竹内和世 | 白揚社 | 未読のため不明 | 未読 |
| 症例A | 多島斗志之 | ― | 角川書店 | 小説。仮名入院している『亜左美』の診断は精神分裂病だが、新しく彼女の担当となった榊は境界例臭さを感じる。一方、臨床心理士の広瀬はDIDだと言う。広瀬がDIDに必死にこだわる理由は……。 ……小説としてはいいんだけど、終わり方がちょっと、ねえ……。私は消化不良だわ。 |
既読 |
| 多重人格障害 ―その精神生理学的研究 |
フランク・パトナム他 | 笠原敏雄・編 | 春秋社 | パトナムをはじめとするアメリカの専門家たちによる論文集。内容的には専門的すぎてやや難解。同じような『報告』が重複してあるので、ちょっとそこが鼻につくかも。 | 既読 |
※医家向けの論文集(『精神科治療学』の選定論文集など)や、
専門書に類する雑誌(『現代のエスプリ』、『こころの科学』など)、
一般向けでも書店店頭にないもの(『月刊ぜんかれん』など)は省いてあります。
また、娯楽的要素が強いと判断したコミック、ゲーム類も省いてあります。
| タイトル | 著者 | 訳者 | 出版元 | コメント | 既読・未読の別 |
|---|---|---|---|---|---|
| ボーダーラインの心の病理 | 町澤静夫 | − | − | ボーダーライン=境界型人格障害についてかなり真剣に取り組んだ1冊。出版が少し前なので、内容的に古い感はあるが、ボーダーラインの基本的防衛である『スプリッティング(分裂)』についてはさすがの一言。 | 既読 |
| 子供のトラウマ | 西澤哲 | − | 講談社現代新書 | 児童精神病理・児童心理の専門家が著した、比較的新しい児童虐待とそれが子供に与える影響について書かれた本。DIDについても一部触れており、ぜひ一読を。 | 既読 |
| 児童虐待・臨床編/危機介入編 | 斎藤学(編著) | − | 金剛出版 | 専門書に近いニュアンスの2冊。豊富な実例を基に、予防と発見、治療、いわばプライマリ・ケアとアフターフォローまで網羅した貴重な1冊。DIDに関しては、安克正先生の論文が掲載。 | 既読 |
| 病気志願者 〜「死ぬほど」病気になりたがる人たち〜 |
フェルドマン他 | − | − | 分かっているようで実は全然分かっていない、虚偽性障害について書かれた本。身体的な病気を演じるミュンヒハウゼン症候群はもちろん、鬱病を演じる患者などなど……その他空想虚言症にも言及した貴重な1冊。 真実と虚偽・空想の区別がつかなくなって、それを自分でも信じ込むんだったら、「解離症(DID)が『自分を騙す』のなら、空想虚言は『自分も他人を騙す』んじゃん。紙一重だよ」。と思った1冊。 |
既読 |
| 内なる子供を癒す | ウイットフィールド | 斎藤学(監訳) | − | いわゆるインナーチャイルドとアダルトチルドレンについて詳しく言及した1冊。監訳者好み(?)の言葉・用語で書かれているため、ニューエイジ臭さや難解さ、果ては宗教的色彩まで感じはするものの、アルコールをはじめとする各種依存症と児童虐待、アダルトチルドレンとPTSDの関連をとらえた好著。 | 既読 |
| 心的外傷と回復 | ジュディス・ハーマン | − | みすず書房 | トラウマとPTSDの第一人者とされる著者の快作。PTSD治療には必ず引用、アレンジされるほどの名著。 | 未読 |
| 拒食症と過食症 〜困惑するアリスたち〜 |
山登博之 | − | 講談社現代新書 | 有病率も高く、精神科のみならず内科でも見かけることが多くなってきた摂食障害。それらのはじまりから治療・アプローチ法、そして治癒に至るまでを分かりやすく描写した、自称『サブカルドクター』の好著。 | 既読 |
※多数出版されているアダルトチルドレン関連書籍(特にニューエイジ系列、ワークショップ関連)はすべて省きました。
| タイトル | 著者 | 訳者 | 出版元 | コメント | 既読・未読の別 |
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| 「じぶん」を愛するということ | 香山リカ | − | 講談社現代新書 | 増え続ける「自分がわからない」若者たちと『自分探し』。まだ見ぬ『わたし』を探し続けて、そこにあるもの…すなわち、 総ACと言われる若者たちが『わたし』を語るために発見したものは? もはや現代病、自分探し症候群とも呼べそうな現象をサブカルチャーの視点から現代の精神病理を見た1冊。 | 既読 |
| タナトスの子供たち | 中島 梓 | − | − | 『やおい文化』を知らずして、現代の若者、特に同人屋と呼ばれる少女達を語るなかれ、的な視点から書かれたちょっとショッキングな本。『やおい=(多くは同人誌における)美少年同士の恋愛』というフィルターを通して、彼女たちは本当は何を叫んでいるのか。……読んでみて、やっぱちょっとショックでした…はい。 | 既読 |
