砂糖の害について
適量の3〜4倍以上(=70〜100g)の砂糖をとっている現代人はかってない砂糖漬けとなっています。
約500〜700万年前に類人猿から分岐した人類は現代までの気の遠くなる年月の間、ずっと飢餓状態にさらされ、これに適応できるよう体の構造も進化してきました。
ところが、たったこの数十年に激変した異常な(飢餓とは全く逆の方向の)飽食の生活習慣の変化に、われわれの人体が対応できず、生活習慣病としてのむし歯・肥満・糖尿病等の弊害が発生しました。その中で、ここでは以下に述べるさまざまな砂糖による害を紹介します。
砂糖(糖分)は三度の主食の中だけで適量を摂取していればよいのですが、
- (1) 主食以外の糖分摂取の頻度が多くなりがち
- (2) 糖分を過剰摂取(一日の必要なカロリーを超過)してしまいがち
であることから問題が発生します。
←コーラの中(pH2.8)
に歯を1〜2ヶ月位ぶら下げておくと(左は実験中の写真)溶液中の炭酸・リン酸の働きで歯の表面が溶かされて、ナイフで簡単に輪切りに出来るほど軟らかくなってしまいます。(=酸蝕による歯の脱灰)
その上、コーラには大量に溶け込んだ糖分(砂糖・果糖ブドウ糖液糖)・(砂糖を濃く煮つめた粘稠な茶褐色の)カラメル成分が特に歯に悪い影響を及ぼします。
(1)糖分の頻繁な摂取による害

- むし歯を直接起こす犯人はバクテリアです。糖分を摂取すると上のグラフの様に口腔内に繁殖する細菌が酸を産生してpHを下げ歯の表面をわずかに溶かします。(=う蝕による歯の脱灰;この現象の繰り返しでむし歯が発生・進行します。)だ液の働きでpHは数十分後に元に戻りますが、歯の脱灰を起こさない為には食後3分以内の歯みがきが大変重要です。

- 糖分を頻繁に摂取する習慣のある人(間食が多い、ガム・キャンデーを頻繁に口に運ぶ方、甘い飲み物を毎日飲む方)は、歯の表面の脱灰を繰り返し弱い歯質となり、むし歯が徐々に進行してしまいます。

- 日本では義務教育の現場にコーラ・ジュース類やスポーツイオン飲料の自動販売機が何の疑問もなく設置してあるケースがしばしばあり、しかも食後にブラッシング(歯磨き)を実践している小・中学校は皆無に近い状態で、むし歯予防の観点から見るととても残念なことです。
(2)糖分の過剰摂取による害
- ジュース・コーラの缶1本には何と砂糖小さじ7〜10杯分近くに相当する糖分(=約30g弱)が入っています!
冷蔵した炭酸を含む飲料は甘味の味覚を麻痺させて多量に飲んでしまい、胃を膨張させ主食を食べられなくなります。(比較:ショートケーキ17g、プリン12g、アイスクリーム10g、チョコレート1枚22g)
---1日100g近い砂糖を摂取して気づかない人が大勢います。---
- ビタミンB不足を来たしイライラ・集中力の低下・無気力になる。疲れやすくなる。脚気の原因となる。
- 過剰摂取によるカルシウム吸収阻害。-脱カルシウム作用を起こす
(なおインスタント食品中のリン酸を過剰摂取した時も体内のカルシウムを奪う作用があります。)
- 砂糖摂取による満腹感で相対的に他の食品、主食が食べられなくなり、一日に必要な蛋白質・ミネラル・ビタミン不足による成人病を起こす原因になる。
- 慢性的な摂取カロリー超過で肥満につながる。(中性脂肪とコレステロールの増加・動脈硬化の助長・心臓病の発生。)
- デンプンに比して砂糖の頻回な摂取は血糖値を急激に上昇・下降させ、血糖値をコントロールする
ホルモンを出す内蔵(特にインスリンを出す膵臓)に過度の負荷をかける。(上記グラフ参照)
特に朝食を抜き、夜食を食べる悪習慣のある人は特に生活習慣の改善を要します。
(糖尿病の発生・進行の助長)
- 最近の朝日新聞に百才以上の老人のグループの食生活の調査結果から長寿の老人達には間食の習慣がほとんどなかったという記事がありました。
どうやら間違った間食の習慣があると長生きできそうにありませんね。
健康のため、砂糖の摂取量は一日50g以下が望ましい。
(体重の1/1000程度以下)
成人病予防の観点からみると糖尿病を防ぐには日頃から過食による肥満を避けることがとても大切で、ジュースの習慣的飲用はこの点で大変危険です。
また軽く1時間以内の運動をした後に缶ジュースや缶コーヒーをいつも飲む習慣もせっかく運動で消費したカロリー(80Kカロリー、約一単位程度)が帳消しになってしまいます。
一説では一日の必要総カロリーの20%位(2000kカロリーなら約100g)までの砂糖摂取量なら大丈夫とする意見もありますが、糖質をデンプンでなく多量の砂糖に置き換えて頻回に摂取することで急激な血糖値の上昇により一過性の過大なインスリンの分泌を促し、同一カロリー内でも肥満に結び付く結果となる。(ドカ食いをする人が太りやすいのと同じ理由です。)さらに砂糖摂取後の急激な血糖値下降は過食を招きやすい。
そして現代食は古代食に比べ噛まずに短時間で食べれる軟らかい食事ばかりなので脳から満腹感の信号が達する前に慢性的なカロリー超過となりがちです。(一口30回噛みましょう。)
もし、あなたが糖尿病になったと宣告を受けて、医師より食事療法を指導された場合、この病気を進行させない為に許される砂糖摂取量は一日たったの10グラム程度以下であることをぜひ知っておいて下さい。
結論(糖分の頻繁な摂取・過剰摂取を防ぐ為に)
- ジュース類は(スポーツイオン飲料も)毎日頻繁に飲む習慣を止め、あくまで嗜好品と考える。
- コーヒー・紅茶・ココア等を甘くしないと飲めない方は代替甘味料
(ダイエット甘味料:商品名 パルスイート等)を使用するか牛乳等を加えた甘味(乳糖)で飲むようにする。
(牛乳に含まれる乳糖も虫歯の原因になりますが砂糖よりはむし歯の誘発性はかなり低いです。)
