ブラジルの都市サンパウロから200Km離れたピエダーテと呼ばれる高地に住む人たちが、昔から食用にしていた茸があります。この茸がアガリクス茸です。現在、世界中に約7千種類が知られているキノコ類の中で、このアガリクス茸が世間の注目を集めるようになったのは、アメリカのレーガン元大統領がガン対策のために服用して効果をあげた(*1)、というニュースが最初でした。さらに、日本国内でも人工栽培に成功する会社が出て、健康食品として供給する道が開けてきました。そして、健康面でいろいろ悩みを抱えている人たちの服用例が増えるにつれ、「ガンの症状が改善された」、「腸の悪性ポリープが」、「末期肝臓ガン症状が改善し退院できた」、「花粉症から解放された」、「重症のアトピー性皮膚炎が治った」などの実例が知られてきました。
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現在、健康食品としてマーケットに供給されているアガリクスは、乾燥茸(茸を裁断乾燥したもの、ユーザーが煎じて服用)と抽出液をレトルト包装したもの、茸を粉砕後に錠剤化したもの、菌糸体を培養して作ったものなどがあります。
アガリクス茸についての学術的取り組みは、1960年代にブラジルのピエダーテ地方に住む原住民の成人病患者発生率が著しく低いことに着目したペンシルバニア州立大学のW.J.シンデン教授とランバート研究所のE.D.ランバート博士によって成分研究が行われたのが最初で、続いてベルギーのハイネマン博士によって学名“アガリクス・ブラゼイ・ムリル”と鑑定されました。日本における取り組みは、1965年にブラジル在住の日系人によって種菌がもたらされ、この茸の抗腫瘍性に着目した研究が多く行われ、その生理活性作用が確認されています。
原産地のブラジルでは「Cogmelo de Deus=神の茸」と呼ばれていますが、日本での名は「ハラタケ科ハラタケ属カワリハラタケ」です(*2)。 大きさは6〜8p、柄が太く、僅かな香りがあります。柄の部分は甘味があって歯触りも良く、料理にも向いていますが(*3)、 残念ながら非常に酵素活性が強いため生の状態での保存はなかなか難しいのが現状です。
人工栽培が困難なことから、アガリクス茸がブラジルを出てから日本のマーケットにでるまで27年もかかってしまいました。これは、気温25〜35℃、湿度80%、毎日あるスコール、加えて微妙な土壌の栄養素といった条件を見つけだす時間でもあったのです。
未だに「幻のキノコ」とか「栽培の困難なアガリクスの大量栽培に成功!」などといった広告を見かけますが、人口栽培法が確立された現在では、決して栽培の難しいキノコでは無くなっています。しかし、栽培法が広まるにつれ粗悪品も増えているのが現状です。
*1:この話は嘘(作り話)だという説もある。
*2:ヒメマツタケとも言う。ヒメマツタケが正式名でアガリクスと呼ぶのは間違いだ、と言って訊かない人もいる。マツタケには似ていないと思うが・・
*3:どちらかというと洋風の味付けに向いている。トマトソースが美味しかったが、トマトソースは何でも美味しくしてしまうからかもしれない。煎じ液はそのままではあまり美味しいとは思えないが、ちゃんとした工場で熱水抽出したものはダシに使えるほど美味。
[アガリクス栽培の歴史]
[アガリクス茸とは?]
[アガリクスの成分分析]
[研究成果]
[アガリクスの抗ガン効果]
[免疫システムとアガリクス茸]
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