T。各評価手段を用いた評価を体験する。
以下の評価手段を用いてケースの評価を実施する。いよいよケース実習であり、(2)(3)のようにケースと接
しながらの評価も実習課題に加わる。評価実習では、これらが中心課題である。他に、場合によっては、興味
チェックリストなどの完成された評価用紙を用いた評価をする場合もある。
HTPテストとか心理士さんがやることをやりたいという学生もいた。しかし、これらは、私の実習では、すすんで
やらせることはありません。だって、当たり前ですが、心理の実習に来ているのではないのですから。精神科作
業療法評価で学ぶべきことを体験してもらわなければならないからです。 |
(0)評価の場所
評価手段の質や量には、必然的に限界がある。それは、実習地の施設、道具、材料、プログラム、病院の方針などに影響されることは仕方がないことである。しかし、そこの実習場所で可能な評価の場所、評価道具には、何があるのかとチェックすることは、必要で、それらをフルに活かすようにすればいいのである。 |
(1)作業
これは、見学実習で学習したことを特定のケースに当てはめて作業観察評価をすればよい。
ところが現実には、この作業観察という評価手段・方法を(知っていて実施はしないという学生もいるが、ほとん
どの評価実習生は、明確には、作業手段による評価を十分には理解していない。
従って、私の評価実習指導では、この評価手段・作業観察についても実習指導している。 |
| (2)作業活動 作業行動という人や場合もある。. |
(3)作業面接 作業言動という人や場合もある。 但し、実習指導の実際では、これらを体系的に順を追
って、以上の評価実習課題全てを教えることはできない場合が多い。特に、2週間しかない場合には、無理で
ある。それは、学生の能力に応じるだけでなく、ケースの様々な面の特徴やケースとの関係によって偏りが生じ
るためである。 |
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| U。具体的評価手段の選択方法 |
(1)具体的で詳細なマニュアルはない。
私が考えるに、精神科作業療法評価の具体的なマニュアルは、作業種目だけでも多岐にわたり、無数・無限
にあり、即ちないに等しいのである。(すいません。こんな表現で…)
実際に私の実習指導においても、評価実習で先ず言うことは、「身体障害分野の評価のような正しい評価は
ない。正しい評価方法のマニュアルもない。評価の機能項目も、それを評価する手段も、具体的な評価道具も
自分で考えろ」とたいへんな課題を与えている。 |
(2)原則として、評価の初期段階では、非接触観察の評価手段を中心にして、当施設で用いている作
業を手段として、そのまま使用してもらう。
ただ、いくら自分で考えろといっても、実習にきていきなり、なんでも自分でアレンジして評価計画をすぐに立
案できるわけではない。うちのような民間病院では、精神科作業療法も多くは、集団で行っている。そうした大
枠の全体を取り払ってアレンジすることは、そう簡単にはできないのである。こうした点は、実習に対する対応
能力には、勿論限界はある。 |
(3)その与えられた作業評価手段の中では、具体的に作業をどうとらえ、どういう機能を評価するのか
は自由であり、また、加えて、作業活動や作業面接の評価手段を用いること、その方法についても自由
である。
私は、これらの点は、実習生が一人一人その場その場で評価方法を具体的に考えなければならないことだと
言っている。ケースの特徴、実習生の特徴、実習生とケースとの関係や、その他様々な周囲の状況に応じて、
適切な評価項目の選択、評価手段の選択がなされるのだと考えている。
なぜなら、今のところ、どこの現場でも使っているという精神科作業療法における接触・観察の評価手段の具
体的詳細なマニュアルというものは、存在しないのである。
もし存在するのであれば、直ぐに教えていただきたい。 |
(4)そして、慣れてきたら、作業評価手段も自分でアレンジ、計画してよい。
この場合、勿論、ケースの承認がいる。ケースにもよるが、本人のペースがあったり、他の患者がしないこと
を何で自分だけがしなくてはいけないのかと、言うケースもある。ただ、承認が得られれば、その作業の中で、
自分の作業活動を評価手段にしてもよく、自分で評価道具を準備してもよく、その具体的方法については、自
分でアレンジ計画してもよいのである。 |
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V。評価計画
U。のことができれば、評価計画ができたと言うことである。
最近学校によっては、評価の時点できちんとした計画立案を課題にしている場合がある。実習評価冊子の項
目にきちっと載っている場合がある。
ただこれは、初評価実習の経験の場合は、難題であろう。勿論、インターン実習生、総合臨床実習生の場合
は、評価の段階での具体的計画ができる学生もいる。
であるので、評価実習での中心課題は、計画を立てることよりも、精神科作業療法の評価手段を、とりあえ
ず、自分で体験することが、先決課題であろうと考える。その体験を記録して、指導者がフィードバックすること
を積み重ねていけば、如何に評価をしていけばいいのかが、分かってくるであろう。
そして、作業療法の評価手段である作業観察と、作業面接などの作業活動の体験を通して、具体的な評価
方法を実践していくことによって、治療計画、訓練計画を立てるときに参考になるのである。それによって、より
具体的なきちんとした治療計画が立てられるようになってくるのである。
従って、私の実習指導では、評価計画はともかくとして、治療訓練計画の時点で、作業活動や作業面接のよ
り具体的な治療計画をきちんとできるように指導している。 |
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W。ケースレポート
これは、全ての養成学校で課題になっている重要課題である。かつ、結構難題でもある。
症例の評価レポートを作成し、提出しなければならないのだ。
別に、初めから何が何でも体裁ばかりを考えなくていいのだ。自分が経験した実習の中で、強調したい点や、
こうしてきたんだという点を分かりやすく表現するために体裁を整えればいいのである。
評価実習で何をして何を学んだかのありのままの軌跡・証明である。人が読んでも、自分が後で読んでも分か
りやすくまとめるのがいい。
自分がケースをどのように評価してきたのか、評価の目的からその評価対象と評価方法、そして、評価結果、
結果の考察という一連の考えの道筋を再確認し、表現する重要なものである。
レポートよりも、いろんなことを経験することが大切という考えもあるが、どちらも大切であろう。
実習生はまだ未熟なので、自分のやった評価の経験を自分で再評価・確認するという作業もとても重要な訓練
だと私は考えている。
これをきちんとすれば、実習課題訓練の過程や結果が明らかになり、訓練の跡が残るので、
私の実習では、レポート作成も重要なこととして、実習生がレポートをきちんとまとめていけるように
指導もしている。 |