| ―高齢者口腔ケアの指標と基礎の基礎― |
表で見る知っておきたい高齢者口腔ケアの指標と豆知識
介護保険が導入されてから、高齢者の口腔ケアの必要性がクローズアップされるようになりました。
各出版会社もこぞって口腔ケア関連書籍を発売していますが、値段が高くてなかなか個人では手が出ない、分厚すぎてどこが大事か分からないという方いらっしゃいませんか?そこで、これだけは在宅口腔ケア初心者が知っておかないといけない、知っておくべき情報をあえて箇条書き・表形式でまとめてみました。ご参考ください。
知っておきたい高齢者の特長と症状
| 高齢者の身体的特長 |
| ■環境の変化への適応力が衰え、諸臓器機能の予備能力が低下する。 |
| ■病気に罹患しやすく、回復に時間がかかる。 |
| ■疾患が慢性化しやすい。 |
| ■免疫力の低下、新陳代謝の低下により治癒能力が劣る。 |
| ■運動等などで負担がかかった場合、正常値に回復するのに長時間を要する。 |
| ■薬物を連続服用している場合、起立性貧血を起こしやすくなる。 |
| 高齢者の心理的特長 |
| ■気分の落ち込みが激しく、うつ病や痴呆症状を示す場合がある。 |
| ■過去に身につけた知識、判断力は低下しにくいが、新しい学習が困難になる。 |
| ■反応速度が緩慢になる。 |
| ■知能効率が低下し健忘症を起こす。 |
| ■些細なことに必要以上にこだわり、不安を示す。 |
| ■自発的な意欲が低下する。 |
| 高齢者に多い疾患 | |
| ■高血圧 | 収縮期血圧(上)が160mmHg以上、拡張期(下)が95mmHgの状態をさす。症状は多岐にわたり、心筋梗塞、脳卒中、腎障害、動脈硬化など、各重要臓器で重篤な疾患を引き起こす原因となりうる。 |
| ■脳血管疾患 | ・脳出血 高血圧が原因で脳の血管が破れ出血する。急な片麻痺や意識障害を生じる。 |
| ・脳梗塞 脳の太い血管が詰まり、脳の一部が壊死する。片麻痺や意識障害が生じる。 | |
| ・クモ膜下出血 能動脈瘤が原因で、クモ膜下に出血する。突然の激しい頭痛を生じる。 | |
| ■心筋梗塞・狭心症病 ■心不全 ■パーキンソン病 ■閉鎖性動脈硬化症 ■糖尿病 ■肺炎 ■肝炎 | |
| 高齢者は多臓器疾患や重複疾患の場合が多い。 | |
| 寝たきりとは? | |
| ■判断基準 | 6ヶ月以上寝たきりの状態であることを原則とする(判断基準は表2参照) |
| ■主な原因 | 高齢者の場合、脳血管障害、骨折など様々な疾患が原因で寝たきりになりうる。 |
| ■二次障害 | 寝たきりの二次障害として、間接の変形、褥瘡、起立性低血圧、肺炎、意欲の喪失 |
| 痴呆、失禁、拘縮などの症状が現れるので、身体状況を充分理解する必要がある。 |
| 痴呆とは? | |
| 痴呆症には「アルツハイマー病」と「脳血管性痴呆」とがあり、老年期に見られる痴呆の75〜80%を占める。これらの基本症状に記憶障害、計算力、知識力、理解力、判断力の低下があり、日常生活能力の障害、活動異常(問題行動)がみられる。各痴呆症の特徴は以下の通り。 | |
| ■脳血管性痴呆 | 大脳の細い血管の詰まりから生じる痴呆。症状は頭痛、めまい、手足のしびれなどが始まりで、不眠症や物忘れ、うつ症状が現れる。老人性痴呆で一番多い症例。 |
| ■アルツハイマー症 | 45〜60歳くらいまでに発症。脳の中の神経細胞機能がゆっくりと障害され、徐々に痴呆が進行していく。症状は物忘れがひどく、昔のことは記憶しているが、新しいことが覚えられない。直前に行ったことを忘れてしまう。人格の変化あり。 |