精神科作業療法の特徴

T。人間の尊重・倫理的行為としての精神科作業療法

(0)はじめに
 精神科作業療法は、一般医療の治療法のように、具体的で限定的なこういう方法
であれば、誰にでも効くというような治療法ではない。
 精神科作業療法を自然科学的な医療行為として見ると、全く情けない歴史で
ある。しかし、倫理的行為としてみれば、人として当り前の行為であり、けっして
馬鹿げた行為ではない。

(1)歴史的見地
 精神病は、病気であるだけで、他人から恐れられ、人間性を否定されてきた事実
がある。しかし、一方で、昔から精神疾患者らに様々な作業活動が施され続けて
きた。作業を用いて、患者と接してきた人々がいたのである。彼らは、精神障害者
とも同じ人間であるという面を大切にして接し、活動してきたのである。そして、
それは今も変わらず同じである。

(2)臨床活動の見地
 臨床活動は、確かに、医療技術の行為をするのであるが、倫理的行為との関わり
も避けられない面がある。そもそも、医療技術の仕事が出来ても倫理的行為を無視
して、問題のない良いい医者や良い看護婦とは、言えない。
 おそらく、作業を施した出発点は、拘束したり、収容したり、ごろごろして無為
に過ごすより、何か活動させたほうがいいという素朴な点から発しているのかもしれ
ない。
 現代では、抗精神病薬が有効であり、症状が落ち着く患者が増えた。
しかし、また、無為に過ごしている患者も増えた。では、作業やレクをして活動的に
なろう。普通人間は、日中ごろごろするのではなく、活動するものだから。障害者
も同じ人間なのだから。このように、作業の出発点は、倫理的な認識から出発して
いると考えられる。

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