精神科作業療法の役割
(1)作業療法の役割・・・先ず、第一は機能訓練である。
作業療法は、いろんな分野において、いろんなレベルにおいて、様々な役割があるだろう。ここでは、先ず、作業療法一般の役割を考える。
人は、環境と関わり生活を営んでいる。人は、生活するためには、環境と関わる身体機能と精神機能が必要である。
作業療法の役割の第一は、こうした身体機能や精神機能に障害を持つ対象者に先ず、機能改善のための機能訓練をすることである。先ず第一にすべきことは、機能訓練である。私はこの点を特に精神科において強調したい。
今から十年以上前のことになるであろうか、主に身体障害分野において、機能訓練を徒手や単調な道具・手技による機能訓練に終始する作業療法が問題になったことがあった。そして、作業の核を問い直したりしていた。(その答えは、なんだか我々からみてもはっきりせず、曖昧のままいい加減に終わっていた。)
まあ手段はともかくとして、機能訓練を第一目標にすることは当然のことであろうと考える。
そしてそれは身体機能だけではなく、精神機能についても同様であると私は考える。
(2)最近、強調される作業療法の役割
資格化された作業療法になってからはいつものことであるが、精神科作業療法は、常に身体障害分野の作業療法に影響を受けて、精神科独自の自然な道やペースを逸脱してしまうことがある。その昨今の例が、生活支援という役割である。あるいは、地域、介護支援、福祉、他職種との連携などといった役割への移行、開拓である。
身体障害分野は、私にはいままで関心はなかったが、おそらくは、こうした流れは、自然なことのようである。問題は、我々精神分野である。
我々精神科作業療法において、こうした動きは、時期尚早であると私は考えている。我々の精神科は、まだまだ未熟なのである。身体障害分野に比べ、精神の機能訓練は遅れている。身体障害分野の身体機能訓練ほどに発達していれば、機能訓練の限界も明確になってくるであろうし、その限界に対するアプローチも明確になってくるからだ。
精神科作業療法は、今後もしばらくは、中心的役割は、きちんと精神機能訓練を確立し、発展させていくことであろうと考えている。
氏名:波子南美