噛み合わせ(咬合)は歯科の最大の課題であり、特異性であります。昔から歯科医学とは、咬合である(Dentistry is Occulusion.)と言われていますが、まだ未解明の分野でもあります。顎関節は他の関節に比べると特異であり、ユニークです。筋肉だけでぶら下がっている関節で、二つの関節があります(両側性)。しかも左右とも連動して働きます。その時おおきく動く関節と少ししか動かない関節という特異性があります。しかも両関節とも一方の関節に規制されながら、協調的に働き噛む運動をします。360度どの方向にも可動ですけど、他の関節は、手をおりまげるとわかりますが、180度前後の開閉運動しかできません。顎関節は複雑な動きをしながら、多数の筋肉の働きにより無意識にスムーズに役割を果たします。人にはかみ癖があり下顎は偏位しやすく、顎偏位症や顎関節症になりやすい。
お口は、呼吸、発音、摂食のための器官で、頭蓋は,生命維持のための中枢の脳を持っています。脳が一番酸素を必要とし、酸素を取り込むのは、鼻と口からです。頸部 は、頭部と体幹を結び付けている器官です。下顎骨と舌骨は、脳頭蓋から独立した骨です。頭部と体幹との間の位置ぎめするのは、 歯と舌骨です。これで脳頭蓋に対し、前後左右を調整しているのです。例えば頭が右に傾けば、顎は反対の 左に少しずれてこれを支えようとします。その時肩も左肩が下がる(少し後ろにひきながら)、それとのバランスで 左腰がすこし出ます、下半身に歪みが波及して全身的にねじれが生じ、体がきついのですこし,左足をさげながら 少し開きながらバランスを取ろうとします。わずかな時間なら問題が無いのですが、四六時中その姿勢でいれば、痛みが出て辛くなります。 歯科治療とはそのようなことに関係しながら行っているのです。総入れ歯でも同じです。自分の歯でなく 人工の歯で、体が悪い方に行かないようにしています。だから歯と全身とは、密接に関係があります。 また足が、骨折などの原因で左右の長さが違えば、頭を直立に保持できません。またかむ歯の方も一方にへだたりますが、 これは、歯を治してもなんの効果もありません。足の方をなおすことからです。
上顎第一大臼歯(6歳臼歯)が、歯周病(歯槽膿漏)になりやすい歯です。これは宿命であります。脳を守るため骨が軟らかく出来ているためと加齢によりコンタクトが磨耗していくと歯軸が近心傾斜していくので、口蓋根近心部に無理生じ下顎を少し前にだそうとし、それが続くと上の前歯がすいてくるか下顎前歯がギチャギチャになってきます。上下第一大臼歯のあたりを避けようとして反対側でかもうとするため上下第一大臼歯が浮いてきます。そうするとさらに反対側で噛もうとするためにあっちこっちが痛み最後は抜歯になります。抜けば近心傾斜が他の歯で強くなり、いずれ抜歯になります。その時に顎の位置が決まらないといろいろの症状がではじめます。顎の位置を決めるのは前歯です、その位置がおかしくなると、頭の重みを支えきれなくなるので、いろいろなことを人体はしながら大事な脳を守ろうとします。自律神経は、首のなかで上下に走っています。顎の偏位で影響を受けます。体はすべて影響し合いながらバランスをとろうとしています。頭の重みを支えるために二足歩行になったために人は、重力の影響を他の動物以上に受けます。そのために他の動物にあまりみられない病気も人間には、出てきます。(たとえば痔疾、胃下垂等)上顎第一大臼歯が歯槽膿漏になりやすい宿命をもっています。上顎第一大臼歯が歯槽膿漏になると、その歯が痛くなったり、噛みこむと不安定になるので、そこで噛まないようにするために、顎を少しずらせて他の場所でかみはじめます。そうすると前歯が強くあたり上顎前歯が前に出始めて隙間が出来るか、下顎前歯が奥の方に倒れるか叢生(重なり合う)になるかになり、前歯の位置が変化します。この変化は、加齢と伴に必ず誰にでも現れます。犬歯の歯止めがなくなると、大きく顎の位置そのものが位置偏位して、顎関節頭の変形をきたす事もありますし、脳頭蓋骨に穴をあける場合もあります。また乳様突起の変形をきたす事もあります。こうなると頭を真っ直ぐには支えられませんので、肩こり、頭痛、腰痛、背筋痛、手足の痺れ感などの全身症状が現れる方もいます。
虫歯の治療で高い修復物を入れると、高いところ避けようとして反対側で噛もうとします。そのために顎が反対側に偏位して噛みます。反対側の前歯に強いあたりがでるため、前歯が変化します。 上顎前歯に隙間ができたり、すこし出っ歯になったりして歯軸を変えながら変化に対応しようとします。奥歯も歯軸を変化させて対応しようとしますが、歯止めの犬歯が歯止めにならないようになりますと、全身的症状が出始めます。すなわち手足の痺れ、頭痛、肩こり、腰痛、背筋痛などです。一本の歯の 高さだけでこれだけの変化があります。
若い人が虫歯などで早期に抜いた場合、そのままに放置すると、下顎第二第臼歯が近心傾斜して来て下顎を後方に移動させます。咬合高径が低くなりながら前歯が軽くふれるまでは落ち着かないので噛みこんでしまいます。変な力でガツガツと噛みこむのでエラが少しずつ張ります。片側だけエラがはりますと、顔が歪んだように見えます。段々と歯列がくずれ、入れ歯(義歯)になるのを早めます。
母乳をオッパイから飲むことで、お口の高さが決まり脳頭蓋に対する下顎の前後的位置が決定されます。母乳を与える事でかみ合わせがうまく調和する仕組みなのです。そこが出発点です。
長い時間をかけ、噛み合わせは変化します。顎関節の経年的変化に対応して変化していく筈ですが、時々対応できない変化をおこすこともあります。歯の高さが、磨耗して低くなっていきますが、その低くなるスピードが、顎関節の変化と調和していればいいのですが、不調和のときに体がついていかなくなります。歯の高さがチグハグだと田舎道を走るバスのごとく、かむたびにガタガタの状態ですので
顎関節が少しずつ変形するか、歯自身が高さを調節するために位置を変えるか、高い部分又は強く当たる部分が壊れるかしかないのです。そして少しずつ姿勢が悪くなります。
40才以降噛みかたは、横噛みの要素が強くなります。いわゆるラクダがみです。それが、顎関節を守る手段です。一生の間でもかみかたは変化し続けます。
歯がきれいにならびお口のなかの諸器官が、十分に生育していれば、脳にいく酸素も十分なので、心配はありません。 もしお口が小さく酸素が充分に行かなければ、成長発育は、不十分になり、組織、器官は、十二分に成熟できないので、 後に、例えば下顎骨が入れ歯を入れると、退縮していくスピードがはやくなり入れ歯を支える骨がフニャフニャになり、入れ歯が動き痛くなることもおこる可能性もあります。 すべての器官が十二分に成熟させることが、肝心でそのための一手段として矯正もあると私は、考えます。人間の体の形を作っているのは、骨であり、硬い部分で体を守る。また筋肉であり そのやわらかさで体を動かしながら、骨を守りながら体を作っています。その筋肉、骨、その他の臓器を働かしているのが脳であります。人間の体にいらないものは、ないのです。それぞれ理由があり存在しているのです。 其の年代ごとの成熟度が、問われているのです。腰が曲がるというのは、老化の過程なのです。異常では、ありません、病気ではないのです。体が完全に成熟発育しないのは、発育不全という 、病気です。
噛み合わせが変化すると歯ブラシの先端が届きにくくなり、歯肉炎を発症しやすくなり、最後は歯周病に陥り、総入れ歯になっていきます。
歯の噛み合わせで、歯周病にもなり、顎関節症にもなります。