その他特徴など
■発症年齢
日中繰り返す居眠りの反復の発症は10歳代に集中し、とくに14〜16歳に著しいピークがあります。情動脱力発作が眠気より早く起こることはまれです。
■性差
家系調査によれば、ナルコレプシーの発症頻度には性差は認められません。眠気と情動脱力発作の発症年齢は、女性の方が2歳程度低く、性ホルモン分泌の影響が考えられています。
しかし社会的条件のためか病院を受診するのは、男性の方が多くみられます。
■有病率
一般人口中のナルコレプシーの有病率は、正確には分かっていません。本多裕氏は、日本人中のナルコレプシー患者は、約0.16%という推定値を報告しています。
人種によっても、発症率は変化するようです。
■歴史的背景
ナルコレプシーという概念が成立する以前から、日中の強い眠気によって日常生活に支障をきたすという報告はあったといいます。最も早いもので17世紀後半には、そのような医学的文献が記載されており、かなり以前から睡眠障害の患者はいたようです。
20世紀初頭には、ドイツにおいてナルコレプシーの研究が活発に行われていたそうで、Redlich E,Thiele R,Wilder J,Benedetti Gらが詳しい臨床記載を行っているといいます。ナルコレプシーの症状として知られる「情動脱力発作」については、Lowenfeld L,Henneberg Rらが、「睡眠麻痺」についてはLevin Mら、「入眠時幻覚」についてはMoyer HN,Wenderowic Eらが最初に詳しく検討したそうです。
ナルコレプシーの研究は現在も続けられていおり、最近のオレキシン(ヒポクレチン)の発見によって急展開を見せている様子です。■文献年表
1672 Thomas Willis
1829 Schindler
1851 Graves
1877 Westphal
1878 Fischer
1962 Caffe
・・・現在でも多くの文献が発表されているようです。■「ナルコレプシー」の語源
1880年にフランスの神経科医Gelineanが過度の眠気を示す症例を記載し、Narcolepsieと命名しました。narcoが眠り、lepsieを発作という意味で命名したといいます。その後、この病名について論議が繰り返され、日本では「居眠り病」とも呼ばれますが、現在は世界的にNarcolepsyという呼称が定着しています。