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痔瘻入院日記
(低位筋間痔瘻+内痔核)


2001年10月の中頃、肛門から2,3cm左前(陰嚢の近く)にある小さな腫瘤状のものに気づく。皮膚がわずかに隆起しているのが触ってわかる。たいしたことないだろうが、一応病院に行ってみるかと思うも、一体何科に行ったらいいのかわからない。内科か、消化器科か、外科か、はたまた循環器科か。よくわからんが、おしり見せるんだから見せてもあまり恥ずかしくない肛門科に行ってみよう。というわけで、ネット検索で近くの肛門科を探す。いくつか出てきた。その中で最も家から近いとこに行くことにした。行くことにしはしたが、痛みもないのでなかなか行かないのが普通の人間である。行こうと決めてから一週間くらいしてやっと行った。
地図で調べておいたものの、行きなれない土地でちょっと迷う。同じとこを何週もしてしまう。そのうち看板を見つける。その看板の指示に従って行くと、あったあった。見た目結構古そうな医院。まあいいや。中に入ると、受付があるが、お互いに顔が見えないよう、仕切りがある。ラブホの精算所みたいな感じ。最近、肛門科に限らずこういう病院増えてきたね。客は誰もいない。5分くらい待つ。先生は今いないようだ。入院患者の方を見てたのかな。先生が戻ってきた。中に呼ばれる。先生はだいぶ年いってるかな、60歳くらい。即おしりを見せると(仰向けに寝てひざを抱く格好、看護婦さんとかいなくてよかった)「あーこれは痔瘻ですね」。なぬー!痔? 予想もしてない病名が来た。まあ、痔なら生命に関わる病気ではないから良しとしよう。しかし、手術をしないと治らないという。1週間くらいの入院で、費用は5万くらいだと。(2週間後に試験があるから、)11月のはじめに手術しますと言い、近くなったら電話で予約を入れることとなった。
待合室に戻ると看護婦さん(50歳代か)がきて、塗布薬を渡される。ゲンタシンと書いてある。中身はゲンタマイシンだろう。1日2回肛門に塗ってくださいとのこと。肛門の中にも塗るんですかと聞くとそれは無理ですからいいですと言われる。表面に塗って効果あるのかなぁと疑問に思った。今まで塗ってこなかったわけだし。塗らなきゃいいかと自分で納得する。無駄な抗生剤投与は耐性菌を作ってよくないって習ったしね。会計は1000円ほど。薬をもらった割には安かった。帰る頃には客が2人来てた。はやってない訳ではないらしい。

家に帰って早速ネットで痔瘻について検索する。

だんだんわかってきた、今すぐどおってことなさそうだけど、そのまま放っておくのもちょっと不安だ。学校の試験終わったら、暇ができそうだし手術に踏み切るか。

やはり肛門科で手術もしようと思い、またネット検索。肛門科ならおしり見られてもそこまで恥ずかしくないだろう。大学病院なんかで手術したらみんなの見せもんだもんな。

結構近くによさそうな病院があった。ホームページも公開しているし、なんとなく信頼できそうだ。3日後にここに行ってみた。案内の地図どおりに行ったら着いた、が、めちゃ遠回りやん。今度来るときはまっすぐに近道をしよう。病院はビルの1階にあった。このビルにはいろんな病院が入っている。受付でアンケートの記入をさせられる。診断の元になるやつだ。客は自分以外に3人。
2週間後に入院することに決める。7日くらいの入院で、6〜7万だと。個室だとさらに14000円(1日当たり2000円)。高いなー。採血された。肝炎ウイルスとかを調べるんだろうか。あんまり痛くない。うまいなあこの看護婦さん(20代後半か)。見習らなきゃ。手術の前の日に入院してくださいだって。その日の昼に食べる、エニマクリンCS(確かグリコ)という、消化にいい、食べ物セットを渡される。クラッカーとゼリーと飴だ。昼以降は牛乳も飲んじゃダメなんだって。お茶かスポーツドリンクを飲んでくださいって。保証人はって言われても親はかなり遠いとこに住んでるし。「ならいいです、でも電話して伝えておいて下さいね」だって。会計は5000円ほどもした。採血って3500円もするんだね。


11月7日(水) 入院初日
入院当日。お昼に学校に行って試験結果を見る。予定通り受かってた。家に帰って急いで準備をする。前もってブリーフ買っててよかった。入院誓約書、箸、コップ、歯ブラシ、髭剃り、ティッシュ、ウェットティッシュ、洗顔ペーパー、シャンプー、リンス、洗顔フォーム、パジャマ3着、Tシャツブリーフ靴下7つずつ、バスタオル2枚、タオル5枚、はさみ、そのほかにノートパソコン、PHS用モバイルPCカードなどを準備する。約束の午後4時にタクシーで病院に行く。ナースステーション(って言うほど大掛かりな部屋じゃないが)をノックすると看護婦さん(30代)が出てきた。はじめてみる人だ。前外来で来た時にいた2人の看護婦さんはいない。今日は午後休診なので、看護婦さんはひとりしかいないみたい。すぐに個室に通される。個室は1日あたり2000円取られる。7日の入院で14000円だ。この病院はほとんど個室である。個室6に4人部屋ひとつ。なのでそれほどリッチな気分でもない。前行った病院は個室だと1日3000円らしいから、この病院では個室にしたくなる。この日の入院患者は、男7、女1。
抗生剤テスト2本皮下注射、心電図測定。軽く現病歴を聞かれたあと、おしりの剃毛。家で剃ってはきたが剃り残しがあるらしい。明日手術だから、あまり照れはない。看護婦さんが石鹸をつけておしりを剃ってくれる。くすぐったかった。
部屋(個室)に戻って説明を受ける。ナースコールほんとにあるんだねー。テレビが有料!? な、あほな。カードを購入しなきゃいけない。1000円で1000分見れる。1000分っていうと、18時間半くらい。まあ買うか。財布を見ると万札しかない。コンビニ行ってきていいとのことなのでお茶のペットとテレビ番組の雑誌を買って、札を崩す。食べちゃいけない時っていろんなものが欲しくなるね。がまんがまん。部屋に戻って夕食。これまた、グリコのエニマクリンCS。おかゆ少々と飲み物。熱いお茶は好きに飲める。お腹すいてるからか、うまい。量が少ない。足りない。がまんがまん。30分くらいして下剤を飲む。なんでも看護婦さんが部屋に運んでくれる、楽ちん楽ちん。実はこれ、最初下剤だと思わずに飲んでいた。微炭酸の、乳飲料って感じで薬とは思えん。後で看護婦さんに聞いてわかった。
さて暇になったのでパソコンを開く。ネットにピッチでつないでみる。ばっちりつながる。この日記を打ち始める。これ打ってれば入院中は退屈しなそうだ。あと小説や漫画も少し置いてあるのでそれも楽しめそうだ。
消灯は9時。睡眠導入薬(UPJOHN 17 CL157 と書いてある、ハルシオンかな)をもらったので、10時には眠れるだろう。明日7時に浣腸なので、早く寝なくては。できれば6時頃に起きて浣腸前にシャワー浴びたい。何日間かシャワーも浴びれなくなるんだろうから。薬を飲むと眠くなったような気がする。プラセボ効果だろうけど。お腹もゴロゴロいっている。トイレに行くほどでもないな。明日でいいだろう、排便は。

入院2日目
いよいよ今日は手術だ。5時頃に目が覚めた。薬のおかげで9時には寝たようだ。6時起床だからそれまであと1時間ある。今のうちにシャワー浴びておこう。お腹はゴロゴロいっているが、まだ大丈夫そうだ。家から持ってきたシャンプー、リンス、洗顔フォーム、タオルなんかを持ってシャワー室へ。20分くらいで部屋に戻る。「検温の時間です、体温を測ってお待ちください。」と6時過ぎにアナウンスがある。5分後、看護婦さんがやってきて体温を聞かれ、脈を取られる。よく眠れたかと聞かれ、はいと答える。まもなくおしりに刺激が来た。シャワー浴びたあとでよかった。トイレへ直行。水様便が出る。予想したよりはあまり出ない。きのう食べ物をあまり口にしていないせいだろう。苦しみ少なくてよかった。で、部屋に戻ったが、看護婦さんが来て言うことには、便通があろうとなかろうと、浣腸をしなくてはいけないとのこと。せっかくトイレは終わったと思ったのに。ぬるま湯を浣腸される。で、またトイレへ。入れた分だけぬるま湯を出さなきゃ。これって意味あんのかなぁ。もう便は出ないだろうに。でも、下痢のときのようなひりひり感はなかったから、まあ良かった。
昼間では暇がある。手術は外来の休診時間(昼休み)に行う。さてそれまで何するかな。日記(これ)でも打ってるか。
 ペラペラの術衣1枚で、ほぼ裸同然で手術室に入ると左手(だったかな)には血圧計(数分後とに自動測定)、右肩には麻酔前投与の痛み止め(筋注)をされた。手術は腰椎麻酔で痔瘻根治術(+内痔核摘除術)を行った。腰椎麻酔はきつかった。針が刺さっても頭と足を丸めた格好を崩してはいけない。腰を後ろに突き出したままでいるのがつらい。痛いところはひっこめてしまうように体はできているのね。右を下にして麻酔を打たれたが、医者の立場からすると右を下にして寝てもらわないと脊椎の構造上刺しにくいのである。特に麻酔科医でない先生だと(多分)。手術時間は20分くらいだっただろうか。15分くらいまではらくだったんだが、最後あたりは疲れてきてた。痛みはほとんど感じなかった。手術が終わると尿道にカテーテルが入れられた。仰向けにされ挿入されるのだが、種々室にいる看護婦さん(3人か4人だったかな)がみんな見てたのでかなり恥ずかしかった。挿入されてる途中1箇所痛かった。「いたっ」と言うと挿入していた年配の看護婦さんに「えっ痛い?」と不思議そうに言われたのがかなりいやだった。ぼくは悪くないぞ、痛いものは痛いわい。やっぱ技術的な操作は慣れていない若い人のほうが丁寧だね(もちろん人にもよるが)。
 しばらく足の感覚がない。夜になって、左足のほうから感覚が戻ってきた。できれば健側の右側から解けてほしいのだが。尿道カテーテルを抜くことになった。「ちょっと痛いですよ〜」「いたたたっ」「はい、おしまい」かなりの痛さであった。しかし、一瞬のことではあった。麻酔なしでカテーテル入れるのってかなりつらいんだろうな。やりたくないね一生。

3日目
なかなか出血が減らない。痛みもある。再手術を要することになった。先生のミスか?
4日目
朝食を食べた。今日また手術するなら食べないほうがいいのでは?と看護婦さんに聞いたが、食べていいですよと言われた。こういうことは看護婦さんって判断できないことなんだよね。先生に聞きたかったな。午後になって、2度目の手術、と言っても、ちょっと縫うだけだが。麻酔は今度は左を下にして左のほうが長く効いているようにしてほしいと言ったら、それはできないが、サドルブロックでやることになった。ベッドの上に座り、ぐぐっと前傾する。針が刺さるときの痛みは変わらない。これで術後の麻酔の残り方に左右差はなくなった。手術は5分くらいで終わった。カテは?との看護婦さんの問いに先生はいいんじゃないかなと。このときよかった、抜くとき痛い思いをしなくてすむな〜んて思っていた。しかしである。その日の夜遅く、尿が出せないまま膀胱がパンパンにはれあがり、痛苦しくなった。膀胱が破裂するかというくらいまで我慢してしまったのは良くなかった。ナースコールを押し、膀胱が苦しいことを言うと、新米看護婦さんはあわててちょっと待っててくださいと器具を取りに行った。この間、ぼくはずっと死ぬかと思うくらい苦しんでいた。「こっちを向いて股を開いてください。」恥ずかしいとか言っている場合ではない。言うとおりにして導尿してもらった。まだ麻酔が残っていたのか、看護婦さんがうまいのか、あまり痛くはなかった。
 再縫合により便は付くが、血は止まったようだ。
5日目 11月12日(日)
頭が痛い。少しずつ血が出てきた。滲出液だが。
彼女が来た。
便2回。痛くない。
6日目
便1回。痛い。この痛みは、10分間ほど強烈で、そのあとは余韻が何時間と残る。肛門の左側が痛い。痔瘻のせいか、内痔核の部分のせいかはわからない。手術がうまくいかなかったからなのか、どうしようもないものなのかもわからない。
7日目
点滴外す。
出血だんだん増えてきた。手術前のとは違う。出血をまじえた滲出液だ。
3度目の手術あったらやだな。
シャワー浴びた。
夜食べ過ぎる。
便が出ると痛いのがさらに強まる。
点滴痛い。これくらいしょうがないか。
8日目
朝昼食欲なし。
トイレに2度行って痛い。もういやだ。
看護婦さんに言う。食事より点滴の方がいいと。でも食べないと腸管の働きが戻らないよと言われた。でも年配の看護婦に言ってよかった。おかげで先生に言ってもらい、抜糸。一針、二針。
座薬。
夜2回便。たまってた。
ガーゼに便が付かなくなった。括約筋が復活してきたようだ。
ここ最近、ガーゼ毎日20枚使っている。医療は金かかるなぁ。自費なのかは不明。なくなったら看護婦さんに持ってきてもらっている。
入院患者5人。うちひとりは外泊。

9日目
やっと楽になった。少し抜糸したのがきいた。今日からのみ薬。
便に今日も4回。括約筋ゆるいとよく出る。便が出たあとは痛い。10分間はやはり強烈で、余韻も1時間くらいある。ふーっ。
夕方座れるようになった。
かゆい。
患者3人増えた。全体で、男3人、女5人だ。女は年配の人が多い。
清浄綿で拭く。
シャワー浴びた。
座ると括約筋の力出てくる。
この日記を再開できるようになる。
10日目 11月16日(金)
ファミコンエミュレーターでドラクエVを始めた。
昼に買い物に行った。少しは動かないと食欲も出ない。ゆっくり歩いて近くのコンビニに行く。小股でゆっくり歩く。老人がゆっくり歩く気持ちがわかる。ジャンプとコミックバンチを立ち読みし、ボックスティッシュとブリーフを買う。2箱目のティッシュがなくなりそうだった。ブリーフも一回は洗濯してもらったものの、もう洗濯も頼みにくいので買った。立ち読みをすると便意が沸く。部屋に戻ってしようとするが、出そうにない。とりあえず食事をとる。しかしこの弁当でかいなあ。3割くらいしか食べれん。肉体労働者なら食えるだろうが。早速便意が来た。排便するとやはり痛い。10分間痛い。しかし昨日よりは痛くない。その後の余韻もなくなった。いよいよ回復してきた。この日記もすぐ打てる。
午後にゲームをずっと座ってやっていたら、傷がついてしまったようだ。血が出てきた。座るときはゴムに乗らないようにしなくてはいけなかった。この療法、ゴムをかけておくのは再発しないように治すためであるが、術後、2週間くらいはゴムで傷をつけないように気をつけなくてはいけないようだ。
今日の夜は初めてハルシオン無しで寝ると言ってあったので、がんばって寝てみた。12時くらいには何とか寝れたものの、時折やってくるチクッと言う痛みで3度ほど目が覚めた。手術直後の痛みに比べれば比にならないが、いったん良くなっていたのを悪くしてしまって精神的な打撃は大きい。
11日目
まだ少し血が出ている。今日からは極力座るのを控えておとなしくしていよう。でもひまなので、ゲームや小説は続ける。
便がなんと5回も出た。排便後に清浄綿で拭くのが効いたか、それとも傷がもう治っているからか、痛みはそれほどない。
夕方には血が止まった。まだまだ滲出液は出ている。
12日目
体温は36度後半。9日目にいったんは平熱になったんだが。10日目の無理が悔やまれる。
痛みはもうほとんどない。シャワーを浴びる。しばらくすると痛みがちょこっと出てきた。患部を洗いすぎたかな。一応清浄綿で拭いておこう。再び血が出てきたようだ。患部を清浄綿でこすってしまったのだろうか。あしたには止まっているだろう。
13日目 11月20日(月)
今日は平熱だ。血も止まっていた。しかし黄色いものが。膿みがまだあったのか。出しきっていなかったんだな。
2度目の抜糸。3針目の抜糸。明日退院決定。抜糸するとまた膿みが出たようだ。これで出きったかな。
夕方、ガーゼに黄色いものが。これは処置のとき塗った薬だ。
夜、再び黄色いものが。今度は液状。これは膿だ。そろそろ終わって欲しいものだ。
14日目 11月21日(火)
退院。ガーゼはまだまだ必要だが、そのうちいらなくなってくる。
歩く歩幅もまだ小さいが(患部に響く)、タクシーでなら関係ない。

退院後2週間で見た目てきにはわからないほどになった。3ヶ月たつとまったく正常になった。括約筋が少なくなったせいか、便が出やすくなった。よかったよかった。







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