| 自然気胸は肺の一部が破れ、そこから空気が漏れる病気です。発病と同時に、胸の特定の場所に鋭い痛みを感じます。ごく軽度のものなら、しばらくじっとしていれば治りますが、30分ほど経っても痛みが引かない場合は、観念しましょう。
胸の痛みは、一定のレベルをキープするか、徐々に激しくなっていきます。さらに息苦しさも増し、自力で歩くことも困難になります。話をすることはできますが、よい病院を探すなどあれこれ考える余裕はありません。あなたが助けを求めた人の判断で、どこかの病院に連れて行かれることになるでしょう。
たどり着いた病院では、肺の外側の余分な空気を抜く初期治療がなされることは間違いありません。チューブを入れるのが最も一般的なようですが、いずれにせよ麻酔が必要な外科治療であり、最低でも3日から1週間は入院しなければなりません。
つまり、「どこでもいいからとにかく病院へ!」という種類の病気ではないということです。
信頼できる病院に、どうすれば行けるか。一番いいのは、現地の日本大使館に連絡を取ることです。大使館は推薦できる病院を紹介してくれるはずです。日ごろからそのリストを持っておくのがベストですが、なければ発病後、すぐに問い合わせましょう。また、保険会社やクレジットカード会社の緊急窓口でもしかるべき病院を紹介してくれるでしょう。しかし、海外旅行保険にも入っていない、クレジットカードも持っていない、大使館も閉まっている、という最悪の場合には、とり合えず大きな病院に行くしかないと思います。
公的な救急移送サービスがある国では、日本でいう119番の現地番号をダイアルし、自分で救急車を呼ぶ方法も当然あります。しかし、「海外勤務健康管理センター」によれば、公的な救急車は公立病院に搬送する場合が多く、公立病院の医療レベルは私立よりも劣ることが多いとしています。私立病院を希望するならば、その病院の救急車を呼ばなければなりません。 |

▲私が入院したKasr El Aini病院救急入り口
とんでもない僻地を旅行していたり、衛生管理のゆき届いた病院がないような地域にいた場合どうするか。これはもう、がんばって移動するしかないと思われます。ちょっと前かがみになって浅い息をするのが、何とか耐えられる体勢ではないでしょうか。その間も、肺は小さくなっていき、心臓を圧迫するそうですが、目の前に死があるわけではありません。「空気を抜くまでの辛抱」と割り切って、車に揺られましょう。気圧変化の関係もあり、残念ながら飛行機には乗れません。
それからできるだけ早く、電話1本入れなければならないところは、日本大使館と保険会社です。日本大使館は病院を紹介してくれますし、現地の医療事情についても最新の情報を持っています。一方、保険会社に対しては病気をいち早く伝える義務がありますし、病院の紹介や治療法の相談、治療費の支払いなどに関しても、頼らなければなりません。例えば、病院によっては、救急で訪れても、その場で治療費をデポジットできなければ受け入れてもらえない場合もあるそうです。そんな時、保険会社は病院側と直接、電話でやりとりしてくれますし、保険会社の指定する病院であれば支払いも、直接行ってくれます。 |