海外での気胸に備える
・海外で気胸になったら ・入院体験記 ・入院で役立つ英語 ・掲示板
あわてない、迷惑をかけないための3か条。
1、海外旅行保険に必ず入る。
1
 
 
2
良い病院を調べておく。
 
3
気胸になりやすい人はとくに注意。

まず、参考までに私が入院のために費やした費用についてです。

治療にかかったお金は退院時に払ったお金以外に、レントゲンや薬代など、合わせると40万ほど。これとは別に、兄が救援者としてエジプトに来た往復の航空券、カイロでの宿泊費、その他、電話代などを合わせてざっと40万です。これらはすべて保険でカバーできました。私が入っていたのは「AIU保険会社」の海外旅行傷害保険。補償限度額は、疾病を600万円、救援者費用を500万円に設定していましたが、十分にこの範囲内でした。

それにしても治療だけで40万です。おそらく、日本と同じかそれ以上でしょう。病室が同じだったエジプト人は、大きな心臓の手術をして6万円と聞いたので、私の治療費がいかに高いかがわかります。エジプトで国の健康保険に入っていないので、エジプト人よりも高くなるのは当然としても、それにさらに上乗せされている気がしないでもありません。エジプトは、大卒の初任給が15,000円程度。物価が安い国だからといっても、外国人の医療はその限りではないということです。それに私の病院は国立でしたが、私立になるとさらに高いとも聞きました。

海外専用の保険はこうした実質上の負担を補償するだけでなく、心理面での安心感や、支払いのやり取りといった実務面でメリットがあります。それらをまとめると次のようになります。

1、治療に「松・竹・梅」のようなランクがある場合、迷わず「松」を選べる。病室を個室にするといったことも同じ。常識の範囲であれば、保険でカバーできる。その他にも「不当に高く請求されないか」とか、よけいな心配に気をとられることがなく、治療に専念できる。

2、病院や医師の紹介、医療的な相談が受けられる。(セカンドオピニオンが得られる)

3、 指定病院であれば支払いの代行をしてくれるし、そうでなくても、不当な請求に対する病院との直接交渉などを行ってくれる。入院時のデポジットや、手術前のデポジットといった、日本にはない制度に対して柔軟に対応してくれる。

要は、民間の自動車保険に似ています。実質的な負担をカバーするという以上に、相手との交渉など、面倒なことを代わりにやってくれる。病気の場合には、このメリットがかなり大きいです。それから蛇足かもしれませんが、何の保険にも入っていない一旅行者だと、大使館に「まったく〜」という目で見られる可能性が大きいです。

日本の健康保健はどうなるのでしょうか。これについて「家庭の医学」(保健同人社)の説明を要約すると、次のようになります。

「健康保険組合に保険料を支払うかぎりは、保険給付を受けられる。海外の病院で受けた費用は、本人が立て替えて、あとで、申請書、診察内容明細書、領収明細書(いずれも日本語訳が必要)を事業主を通して組合に提出する。支給額は、現地の病院でいくらかかったかに関係なく、日本国内で保険診療を受けた場合の費用を基準に支払われる。国民健康保険はこの制度は認められていないので、全額自己負担となる」

つまり、日本で会社勤めをしているかぎり(あるいはその人の扶養)、保険は効くということです。日本で、手術まで含めた気胸の治療をした場合、おそらく高額治療に達すると思いますので、自己負担は63,000円になるでしょう。ただし、給付金は日本の医療点数に基づいた計算ということですから、海外のほうが高くつく場合には、足がでることになります。


私がいたのと同じ2人部屋

しかし、海外では治療費がかなり高額になることや、さまざまな付帯サービスが受けられることを考えれば、全額補償してくれる海外のための医療保険に入っておくのがベストです。実際、企業の駐在員は、日本の健康保険にたよらず、全額補償の海外保険に入るのが普通なようです。

国民健康保険の場合は、給付が受けられないということですから、言うまでもなく、海外用の保険に入ることが必須です。
そこで気になるのは、両方入っている場合です。おおくの旅行者は、日本での健康保険(社会保険)に入ったまま、旅行期間だけ、海外旅行保険を上乗せする形を取っています。

ちょっと複雑ですが、私が理解するかぎり、「権利としては、両方から支払いを受けることができる。しかし手続き上、非常に難しい」ということのようです。例えば、海外旅行保険に還付金を請求するとき、医師の診断書や領収書の原本を提出します。AIU保険会社の場合、原本は返してもらえません。そうすると、日本の健康保険に提出するのはコピーで許されるのか、という問題があります。逆に、日本の健康保険に先に請求してしまった場合、海外旅行保険からは、自己負担分しか支払われなくなります。

こうした事情から、ほとんどの場合、海外旅行保険から治療費の全額を受け取った人は、そこからさらに、健康保険のめんどうな手続きを踏んでまで支払いを受けようとしないのだと思われます。が、しかしです。権利として認められるならば、請求すべきだというのが私の考え。日本の健康保険だって、毎月、高い保険料を払ってるわけですから。

あるいは、日本の健康保険でしかカバーできないものもあります。その代表が歯科疾病。海外旅行保険が利かない、例えばむし歯などのケースは、何とかして診断書を訳し、健康保険組合に提出しなければなりません。

さらに、日本の生命保険との関係ですが、これは、海外旅行保険とまったく切り離して考えることができます。ですから、入院や手術をカバーできる生命保険に入っていて、それが、海外での治療にも適応されるものであれば、絶対に請求すべきです。海外旅行保険とダブって、原本が必要になる類の証明はとくに必要とされないでしょう。

海外旅行保険が問題とする、保険金のダブル受け取りは、他の海外旅行保険との場合、というのが原則のようです。ですから、請求時に申請義務がある「他の保険」に、日本の健康保険や生命保険は含まれません。最もあり得るケースは、クレジットカード付帯の海外旅行保険とのダブりで、この場合、どちらか一方からしか支払われないそうです。