伝統的作業療法
2003/5/6

外的な抽象的作業環境
其の一、作業への興味・関心
過去や現在の様々な物や物事の仕組みや作品など。
 
様々な作業・課題一般
 
作業や課題が内包する社会・文化的意味・価値


 「外的な」という意味からは、ここでの中心的な意味は、例えば、木工とは木を材料に用いて行い、切ったり、組み合わせて作っていくというような作業であるというように、各々の作業に関する多くの方々の共通するイメージ内容ではある。
 
 しかし、ここではまた、外的な抽象的作業環境の全体を意味しても可笑しくはない。それほど広範な意味を示している。そう、作業は、抽象的な環境であるが故に、無限な程の広範な範囲となるのである。
 
 そもそも、作業への興味を伴う人間の行為とは、私に言わせれば、テリトリーを設定し、拡大するということになる。いわば、テリトリーという本能機能を基礎に置いた人間にとって、本源的な行為なのである。それだからこそ、精神科作業療法は、伝統的にずっと、興味という機能を重視してきたのである。
 
 以前人類は、生活領域・領土を拡大し、具体的な環境の範囲を拡大して生きてきた。そして、色々な具体的な物を材料にして、道具を発明してきたのである。そして、その道具を用いて、作業をして、色々なあらたな道具をつくるようになった。それらの道具の発明は、即ち、作業工程原則・規則という抽象的な環境要素(端的には、作業)を次々と発明し、抽象的作業環境を拡大していったのである。
 
 こうして、我々人類のテリトリーは、具体的な作業環境だけではなく、無限の広がりのある、心に浮かべられる抽象的な作業環境を手に入れられるようになったのである。そして、人間のこのテリトリーの設定・拡大への行為という興味の機能は、「やってみたい」、「体験してみたい」、「経験してみたい」などという内的な意識内容として示されるのある。 
 
 世の中には、色々な作業種目がある。人間は、それに対して、この本能をベースにしたより高度な機能を獲得することによって、(抽象的)作業環境に対してテリトリーを広げていこうとする欲求を押さえきれない種となったのである。 人間は、作業に対して興味を覚えて、その作業をする可能性があり、また作業するようになる。
 

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足西業

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