| 英語で「paradox」、日本語では「逆説」と訳されています。 「アキレスと亀」のところで出てきた、ゼノンの逆説などがこれにあたります。 難しいお話は専門書にまかせて、ここではパラドックスを楽しみましょう。 先ず有名なパラドックスのお話をしておきますね。 ★嘘つきのパラドックス クレタ島に伝説的なギリシャの詩人エピメニデスと言う人が住んでいました。紀元前6世紀のことです。 彼は「クレタ人はみんな嘘つきだ。」と言いました。 もし、正直者は絶対嘘をつかない、嘘つきはいつも嘘をつくとすると、彼の言葉は矛盾します。 もし、彼の言った事が正しいとすると、クレタ人はみんな嘘つきですから、彼も嘘つきです。 と言う事は彼の言った内容が、正しいわけは無く、矛盾します。 逆に、彼の言った事が嘘だとすると、クレタ人である彼は本当の事を言っている事になって、矛盾しますね。 このパラドックスは当時のギリシャ人を随分悩ませたといいます。 ★床屋のパラドックス これはバートランド・ラッセルが作ったものです。 ある町の床屋が次のように言いました。 「私は、自分でヒゲを剃らない人のヒゲは必ず剃ります。それ以外の人のヒゲは剃りません」 さあ、この床屋さんのヒゲは誰が剃るのでしょう? ★ニューカムのパラドックス 秘美子には予知能力があります。 秘美子は太郎と花子の前に二つの箱を置きました。一つの箱は透明で中に千円札が一枚入っています。もう一方は中が見えません。 秘美子は二人に向かって次のように言いました。 「私には予知能力があります。あなた方には二通りの選択肢があります。 一つは両方の箱を持って帰る事です。ただし、あなたがそうするだろうと私が予測した場合は中身の見えない箱は空にしてあります。 もう一つの選択は中身の見えない箱だけ持ち帰ることです。もし、あなたがそうするだろうと私が予測した場合は中に十万円がすでにいれてあります。 さあ、選んでください。」 太郎「何度も見たけど、秘美子の予知はいつも的中していた。私は中身の見えない箱を選ぼう」 花子「秘美子はもう予知してしまっている。つまり、見えない箱の中身はもう決まってしまっている。だから両方の箱をもらった方が得だわ」 さあ、どちらの判断が正しいのでしょう。 ★絞首刑のパラドックス 裁判官が、ある死刑囚に「来週の七日(日曜日〜土曜日)の内のいずれかの日の正午に死刑を執行する。ただし、刑の執行日の朝、知らされるまで、お前にはその日がいつか知ることはできない。」と言いました。 死刑囚は考えました。「土曜日と言う事はありえない。なぜなら、最後の日だから、その日の朝には、死刑が執行される事はわかる。同様に可能性が日〜金曜日に限定されると、金曜日でもありえ無い。同様に考えていくと、死刑は執行できないはずだ!!」 死刑囚はほくそえみました。 しかし、木曜日の朝、死刑執行人がやってきました。死刑囚は全く予期していませんでした。 裁判官の言った事は正しかったのです。 パラドックスの不思議、味わってもらえました? ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ では、問題にしましょう。 (問題) 父親が子供に言いました。 「このリンゴを食べてしまおうかな! それとも、おまえにあげようかな? もし、お父さんがどうするか当てたらリンゴをあげよう。」 さあ、子供はなんと答えればリンゴを手に入れることができるでしょう? |
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