アレルギーと食物、食事について
1、食生活の変化
●食事の洋風化
動物性蛋白、脂肪の摂取量の増加(卵、乳製品、肉、油)
昭和35年と比較して、平成5年は卵2.8倍、植物油3.8倍、牛乳3.7倍。
●離乳食の早期化
レトルト、インスタント、加工食品、また外食産業の発展など添加物の多い食品を採るようになる。
魚の養殖や野菜の早期栽培などで「旬」が喪失してしまったり、甘いもの(糖)の取り過ぎ。
2、三大食品アレルゲン、さらに米・小麦について
アレルギーを起こしやすい食べ物は鶏卵・鶏肉とその製品、牛乳・乳製品、大豆・豆類およびその製品が多く、 これらを三大アレルゲンといいます。
その中でも鶏卵が最も多く50%、牛乳が25%と言われ、その他に豚肉、魚介類、米・小麦・日本ソバなどの穀類やキウイ・イチゴなどの果物、野菜などもあります。
3、仮性アレルゲンとは
アレルギー反応の際に生ずるかゆくなる物質(ヒスタミン・アセチルコリンなど)が食物中に多く含まれるもの。体調によっては、かゆくなったり、じんましんが出ることがあります。
<野菜> ほうれん草、トマト、なす、タケノコ、セロリ、じゃがいも、山芋、里芋、くり
<くだもの> いちご、バナナ、パイナップル、キウイ、オレンジ
<肉類> 豚肉、鳥肉、牛肉
<発酵食品>チーズ、ワイン、ビール、みそ、しょうゆ
<魚介類> サケ、タラ、サバ、サンマ、イワシ、カレイ、マグロ、イカ、カニ、エビなどの甲穀類、あさり
<種実> ピーナッツ、ココア
<きのこ類> えのきだけ、まつたけ
<その他> チョコレート
4、食事療法
●一般的な食生活の改善指導
栄養のバランスが良く日本人の健康に合った食事である和食を基本にし、また薄味を心がけます。すなわちビタミン・ミネラルの豊富な緑黄色野菜や海藻類をできるだけ多くとり、動物性タンパク質として魚介類を多くし肉類を控えめにします。また脂肪と砂糖の摂取を控えめにします。そのためにはファーストフードや外食をできるだけ避け、菓子、特にスナック菓子やチョコレート、ケーキ、甘い缶ジュース、炭酸飲料などはできるだけ控えましょう。
●食物アレルギーの子供の食事
食物アレルギーの程度は子供によりかなり違いがあるので、その子供に合わせた除去を考えます。具体的には鶏肉、鶏卵によるアレルギーがある子供でも、卵そのものだけの除去でよいのか、鶏肉まで除去が必要なのか、卵を含むいわゆる二次製品(お菓子など加工した物)まで除去が必要なのかを考えます。そのためには、まず食べ物の抗原性の程度(生>加熱>加工。例えば、生卵、マヨネーズ>鶏肉、プリン>二次製品)を理解し、その子供に合った除去をする必要性があります。食べ物を開始する時にも、例えば卵アレルギーの子供では、湿疹の程度や検査を参考にして、お菓子などから開始し、次にかたゆでの黄身そして白身、最後に卵焼きやマヨネーズのように徐々にアップしていきます。
●除去食療法を行う際に注意するべき事
医師とよく相談して、お母さんだけで判断したり、悩まないでください。また家族そろって行い、周囲の人(お父さん、おじいちゃん、おばあちゃん)にも理解と協力を得るようにしてください。そして無理せず、家庭にふさわしい食事習慣を目指してください。一番大切なことはお母さんが、ストレスなく継続することです。いくら除去食を作っても、お母さんがストレスに感じるようならば、意味がありません。
除去食療法の目的は、安全な食べ物を選ぶ事により、健康な体を取り戻し、今まで食べられなかった物でも食べれるような体を作ることです。○○除去というより安全に食べれるものを増やすことです。
「除去食」ではなく「健康食」と考えましょう。一言でいうと、除去食とは「和食に戻す」ことです。
5、食物アレルギーの赤ちゃんの離乳食について
●進めるにあたって
・穀類、野菜→芋類→白身魚(あるいは豆類)→肉の順に
・食品の種類は同じものばかりではなく、できるだけ回転しましょう
・栄養の原則は母乳から(症状に応じてアレルギー用ミルクを用いることもあります)
・料理は必ず水分を加えて、火をとおして、調理法法は赤ちゃんの発達段階に応じて工夫しましょう
・量は小さじ1杯程度から始めましょう
・始めて食べさせた食品は、湿疹が悪化しないか、2〜3日は観察しましょう
・魚は鮮度に注意し、白身魚→赤身魚→背の青い魚の順に
・油は後期ぐらいから調理の副材料として。大豆油は含まない植物油を耳かき1杯程度から
・野菜は色のついた物を加えて色どりよく
・ハチミツは1歳までは使用しない(ボツリヌス菌の危険性のため)。砂糖は控えめに
・夏期には水分の補給に注意する(果汁、スープ、お茶など適宜)
6、その他の問題点
●お母さんの食事の問題
母乳で育てる時お母さんの食事は、卵そのものの料理、油っこいものは控えめにして、牛乳は1本ぐらいにして下さい。
●発育の問題
制限するばかりではいけません。栄養・発育のことも考えましょう。
タンパク質6gを取るには・・・
卵小→1個(50g)・牛乳200ml・魚介類、肉類30g・豆腐80g(約1/5丁)・豆乳180ml
●食品添加物など
・食品添加物・・・
保存料(清涼飲料水、しょうゆ、酢、マーガリンなど)
漂白剤(かんぴょう、こんにゃく、ゼラチンなど)
発色剤(食肉製品、食肉ハム、ソーセージなど)
着色料(清涼飲料水、漬け物、和洋菓子、飴など)、着香料
・農薬
・抗生物質(家畜や養殖魚の飼育)
●リノール酸とリノレン酸
動脈硬化を防ぐには、動物性脂肪の摂取量を減らし、リノール酸を多く含む植物油が良いと言われてきました。しかし最近、リノール酸はアレルギーの原因になっているとの考え方も出てきており、α-リノレン酸の摂取が勧められるようになってきています。
リノール酸を多く含むもの・・・・・植物油、穀類など
リノレン酸を多く含むもの・・・・・野菜、しそ油、魚介類、海藻類など
●アレルギー食材入手店
代替食材や有機野菜などの安全食材の入手店
7、食生活のポイント(まとめ)
・できるだけ母乳で育てる
・離乳食はゆっくりとはじめる(5〜6ヶ月から)
・化学調味料はできるだけ使用しない
・新鮮な旬の材料を使い十分に火をとおす
・毎日、同じ食品を続けない(回転食)
・味付けは薄味でバランスのよい食事をする
・食材料中の農薬、添加物に注意をする
・親、子ともストレスのかからないようにする