心の悪魔

 あるところに小学生の男の子"来人(らいと)"がいました。

 彼はいじめられっこで友達がなく、家庭環境もあまりよくありませんでした。

 いつもいつも「どうして僕だけがこんな目にあわなければいけないんだろう」と涙を目にため、つらい日々を送っていました。

 ある日のことです。いつものように学校でいじめられた来人は、家に帰ることもできず。川原にしゃがんでいました。するとどこからともなく悪魔が現れました。

 「どうしたんだい?僕が力になってあげるよ。」

 来人はつらいことを悪魔に話しました。来人にとって悪魔でも何でもよかった。自分の話を聞いてくれる、ただそれだけで心がとても安らぎました。

 すると悪魔はいいました。「それなら僕の能力を少し分けてあげるよ。嫌なやつを消す能力。」目の前が真っ白になりました。

 気が付くと来人は自分の部屋の布団の中にいました。太陽の光がまぶしく目に飛び込んできます。「あれは夢だったんだろうか?」

 いつものように居間では父親と母親が言い争いをしています。「来人、いつまで寝てるんだ、早く支度して学校へ行け。」父親の拳骨とともに罵声が飛びます。

 「ああ、こんなことなら昨日の夢が現実でお父さんとお母さんが消えてなくなればいいのに、」するとどうでしょう来人の目の前で2人が消えてしまったのです。

 「夢じゃなかったんだ、やったぁ、ばんざい。これで僕は王様だ!」学校へ行った来人はいじめっ子や自分を注意する先生までも消してしまいました。そして、

 「ええい、面倒くさい、悪いやつはみんな消えてしまえ。そうすればこの世は平和だ。」

来人が一番に消えました。


おしまい