第八十五回 お題:「こども」
チャンプ作品(決戦投票により決定)
イタチ小僧出産! ◆8rr1u/54T2 
323 名前:空を見る 投稿日:04/12/27 17:28:33 ID:sSh4nHBP

夜の屋上 
プールに浮かんで 
何もない空 
目に映していた僕は 
その時、こどもだった 

スーツに着替えて会社に行く 

もう 
会社のことばかり考えていなければ生きていけない時代だ 
破壊される自然を愛し破壊する会社を憎んだあの頃の僕は 
目を瞑り耳を鈍感にし口を小賢しくし 
いまここで自然は僕と愛しあってくれないじゃないかと 
一方的に愛されるだけのハムスターを小鳥を亀を熱帯魚を殺す 
なぜならもう 
会社のことばかり考えてスーツを着なければ 
目を瞑らなければ生きていけない時代だ 
人間は、はだかでいると殺される存在だ 

それでも新婚の家庭のことは考える 

若い妻の腹を見る 
息を 
殺して 

夜の子宮の 
プールに浮かんで 
空を見る 
はだかの人間 

 

チャンプ作品に対する批評

ななほし ◆lYiSp4aok.
3点
 混濁が人生か? うまい!! 
MUJINA ◆iXws.WGCLY
2点
 この詩もストレートの直球勝負。レトリックといえば最終連の「夜の子宮の―」ぐらいで、 
自分の思いをメッセージとしてそのまま伝えている。「会社のことばかり考えていなければ 
生きていけない時代」とは、よく言ったもので、まことに実感が籠もっている。通勤電車に乗っても 
みんな疲れきっている。会社って人間集まりなんだけど、会社組織って非人間的なものを感じている 
のは私だけでない。「若い妻の腹を見る/息を/殺して」――どうということのない表現だけれど、 
ズシリとした重みを感じる。よけいなレトリックを廃して、難しい表現をしなくても深みのある詩は 
書ける、という私の理想を体言した表現。付加価値という虚飾を売ることで利植をあげる会社は 
フィクションの権化だよ。そのことを直視たうえで、あとはケツまくって生きればいいんじゃない。 
誤解ないよう付け加えれば、私はフィクションを否定しない。ただ、フィクションだけでは 
ほんとうの生を生られない、と言っている。 

(決選投票より)
Canopus ◆DYj1h.j3e. 
ぼくは4連めの「それでも新婚の…」以降の、後半に上手さを感じたな 
あ。別種の生き物を視るような目付きが、印象的です。きらいな詩じゃないけ 
ど、全体的にことばをぶん投げちゃってる感じ。

 

 

 

 


 

準チャンプ作品(2作品同時受賞)
(名無し)
310 名前:御挨拶(1) 投稿日:04/12/23 01:39:41 ID:DJul3qn6

きゃーきゃー 
塞ぐ耳まだ未熟でも 
黙ってと言えないから決心したわマミ 
産声はシャラプ  

決めた 

睡魔に化け 
密室に魔法をかけるわマミ 
初めにメスの先、白い蜜をかけ 
垂れる先追う、皆を導くそう涎、君ら涎ぬぐって 

腹も減るわ 
半日以上が過ぎ 
産まれられてみやがるから涎、そう君らの空腹に 
半音上げ奏でる、奏で上げる 
ぐるぐるぐる 
ぐる 
の 
次 
食べて 
正気を戻せよ 
何てつまらなくなる可能性ふくむのよマミ 


311 名前:御挨拶(2) 投稿日:04/12/23 01:40:03 ID:DJul3qn6
薄ら禿げだって 
旋毛から摘む寿命の花 
冬の見切り、先程、咲き誇りきったから 
丸い傷口まだ閉じないうちに、まだまだ袂にあるこの膝に 
初めて鉢を乗せ、そく枯れて 
宜しくと振りまく種、芽生える頃なりさがる私 
愛してねマミ 
守ってねマミ 
育ててねマミ 
シャラプ、歯茎だけで叫ぶ 
煩いのは御免、柔らかな音、閉じて中毒だわ宜しくねマミ 

 

 

 

soft ◆soft/e/9Do
321 名前:めがね 投稿日:04/12/26 22:37:56 ID:nDFCTtAE

ずっとまえ ぼくはとてもめがよかった 
とおくのとおくのほうまで 
ぼくはみえていたよ 
そこにはないものまで 
ぼくはみえていたよ 

おとうさんとおかあさんはとてもめがわるい 
ぶあついめがねをしていた 
「おとなはみんなめがわるいんだよ」 
ってわらいながらいった 

ぼくがゆびさすところ 
「ほら みえる?」 
「ぜんぜんみえないなぁ」 
おとうさんとおかあさんは 
ぼくのしらないめがねやさんで 
めがねをいくつもかえたけど 
ついにあきらめてしまったよ 





322 名前:めがね 投稿日:04/12/26 22:38:17 ID:nDFCTtAE

ぼくもたんじょうびのけーきをたべるたびにめがわるくなった 
とおくのとおくのほうまでは 
まだみえるけど 
そこにはないものまでは 
みえなくなったよ 

ぼくはいつのまにか 
めがねをかけてた 
まだちっちゃくてうすいめがね 

おとうさんとおかあさんにきいてみた 
「めがねをはずさないの?」 
「はずすとなんにもみえないんだよ」 
「はずすのがとてもこわいの」 

めがねは 
だんだんあつみをまして 
ぼくのめは 
だんだんみえなくなっていく 

ねぇ おとうさん おかあさん 
めがねをはずして 
ぼくをみてよ 

ぼくがみえる?