第八十八回 お題:「冬」
チャンプ作品
ギリシャ ◆Greek82/Ig 
477 名前:雪粒20030457231個を昇り私は落ちた 投稿日:05/02/02 15:33:08 ID:Yv5rAv2Q

張りつめた朝の空気の壁は 
天までそびえ立ち 
私の眼前をふさいだ 

少し降りだした雪の一粒に 
足をかけ 
一歩一歩昇っていく 

この壁は果てしなく 
降り続く雪は 
私の頭上に高く高く積もる 

手足の感覚はすでになく 
脳から送られるはずの信号は 
口から白い雲となり吐き出されるばかり 

春が来れば 
私はまた地に落ちる 
冬が来れば 
私はまた天に昇ろうとする 

地は近く 天は遠い 
冬は短すぎたのだ 

…… 
雪粒に足をかけ 
昇る 

 

チャンプ作品に対する批評

ななほし ◆lYiSp4aok.
3点
 人間は雪山に竹原の広がるような青竹も隠れる白い拒絶のような単々とした宇宙 
を持っているのかもしれないデス。 

Canopus ◆DYj1h.j3e. 
1点 

葉土 ◆Rain/1Ex.w
2点 
雪粒を昇っていく世界がびっくりするほど美しいです。 
 

 

 

 

 


 

準チャンプ作品
GON
516 名前:二月 投稿日:05/02/09 22:39:22 ID:sJOFS/fI


二月ってのは寒いな 
窓の外も部屋の中も 
空気がしんと張り詰めてはひとを脅かす 
ぼくは貧乏ゆすりに気付いては止めるのを繰り返している 

熊はまだ寝ているだろう 
鮭は海でそれを待つだろう 
街ではひとが行き交っている 
その表情には迷いと眠気が見い出される 

遅い朝と早すぎる夕闇は黙って暮らしている双子みたいだ 
それに挟まれている曇り空や朝刊、草むらたちの 
何だか全てが厳かになるのを不思議に思いながら 
ひとは手をこすり合わせ空を見上げる 

冬は待っているのだ 
だから冬のなかでみなも凍えながら待っている 
母親の強さと大きさで 
夕食の匂いを背におかえりといって、微笑をまとうそのときを  

ひとだけが忙しく動き回り 
静かで厳かになったものをつっついている 
夕暮れの強情な迷子のよう 
じきに泣き出して楽になるのだろう 

そして力強い手の平のような春がやってくる