第九十七回 お題:「再生」
516 :再生する昼下がり 1/2:2005/05/27(金) 17:39:52 ID:huu3Xuvo
昼下がりの洗濯機がぐうううんと泣いています
私はその水流に片手を浸し
石鹸の在り方にうなずきました
縮んで垂れて 下水で息づく
流れて溶けて でんぐり返る
優しさではない柔らかさを
生粋のおバカさんを
甘噛みしては 懐かしみました
検品したのち 投げやりました
私のからだは鳥かごです
仮住まいの たましいです
まったくめしいのたましいです
私は頭を撫でました
めしいの頭を撫でました
こんがらがった 電気のコードを
千切れても それでいいのです
517 :再生する昼下がり 2/2:2005/05/27(金) 17:41:17 ID:huu3Xuvo
宿業という青いものが ねんねころりと翼を広げ
てのひらで渦巻いているのを 私は知っています
吸った事もないタバコの煙の行く末に
もらった事もない贈り物の箱の中に
けだるく それでいて逃れられない
凛々しい情の最期はあります
泣いているのは私ではなく
洗濯機のモーターです
プラスとマイナスのちからです
蛇のしっぽの 誇らしさです
悲しさなんて見あたりません
ここは発見現場ではありません
ここにあるのは けがれた水と
私のいつつの指紋のあとです
チャンプ作品に対する批評
◆WvShSU0mOg
3点
日常を詩的に解体し、心像を添加しての再構築(否、"再生"は洗濯機の作動や思考にか
かっているのでしょうが)。堪らない心地良さが好きです。中盤に一部複雑の階層を上げている
のにまた、したたかさを感じます。きっと感覚でやっつけてしまっているのでしょうけれども。
羨ましい限りです。共感詩という感じではないですが、甚く共感させられました。
この中から、その日その日で好きな一文をスクラップして持ち歩きたい、の3点。
まーろっく ◆lsOpIv6P8M
3点
Canopus ◆DYj1h.j3e.
1点
小品として優秀です。滑らかな筆致と的確な描写です。ただね、
洗濯機に手を突っ込んで、そこから人生を語ろうとする姿勢に、ぼくは強い疑
問を感じるんです。設定が無理めな感じ、かなあ。
P ◆u4cfXPhJl2
1点
ウーン。。。なんともいえないけど素敵。
葉土 ◆Rain/1Ex.w
2点
とにかく音がいい。
(雑談スレより)
宿業の文字が重いですね。
なんか涙をこらえるというより、振り捨てているような姿がとても胸に迫ります。
良い詩だと思いました。