第百五回 お題:「ふたり」
チャンプ作品
    
268 :二人鬼:2005/10/01(土) 16:58:58 ID:C9XBO4OP

夕暮れの光が 
ぴらぴらと 
くさのうえで燃えあがる 
色にだまされ 
つめたいはずのかぜが 
ちりりと肌を焼く 

夕焼けの旬は秋ですねえ 
などと 背を丸めていうおとこが 
おなじこえで 
おれは鬼です 
と いった 
鬼 
とはまた壮大なイメージ 
みれば夕日に赤くそまって 
紅蓮のほのおにたつ赤鬼 
なるほど おれとはちがう 
おれのあしもとは影さして 
まだらに赤い色もうすぐらく 
さながら ちまみれの 
幽鬼 

鬼どうし 

幽鬼のおれが軽薄にわらったが 
赤鬼のおとこはわらわなかった 
斜光でひだるまになりながら 
意思のちからで それを 
ぬぎすてようとしていたのかもしれない 

 

チャンプ作品に対する批評

Canopus ◆DYj1h.j3e. 
2点 
いい感じのことばの安定感が、変ったシチュエーションをきっちりと 
支えています。が、この作者には、さらに高次元のことばの高みを求めたい。 
赤鬼の秘めたる炎の爆発を表現したい、かなあ。 

◆L4LyBSss3w
1点

葉土 ◆Rain/1Ex.w 
2点 
なかなか登場人物2人書ききるのは難しいのに 
この詩は発話してる人(幽鬼)と「鬼です」と言い切った対象(赤鬼)の 
ふたりが同じ価値を持って生きていると思います。 
一番どきっとしたのは「おれは鬼です」という一言で、これは対象が語っている。 
(しかも直前の形容は 背中を丸めているどちらかといえば控えめな男の姿なのだ) 
で、発話しているほうは、自分の姿を幽鬼とどちらかといえば消極的かつ自虐的な 
姿に定義した上で、赤く燃える赤鬼が”意思の力で脱ぎ捨てている”と 
どこか羨望と恐怖を篭めた感情で書き出す。この両者の対比がドラマチックでした。 
書いてはないのだけれど、男女であったのならエロスも含まれているのかもしれない。 


 

 

 


 

準チャンプ作品
リーフレイン
269 :「朝の放屁」:2005/10/01(土) 19:37:29 ID:4Vei0QOc

明け方の 夢うつつ 

ばふん 

腸が活動し始めた音が聞こえる 
なさけない笑みがもれて 
熟睡している夜中は ああいう音はでないもんね 
不思議と 

布団は別のほうがいいかな 
男の人はいいなあと思う瞬間 

揃って並べられたことのない靴 
読んだことのない本が増えていく本棚 
煙草の香り 

しめった紙に違う色の絵の具を落としたように 
色がにじんで新しい色になっていく日々は 
ぽつんと落とした最初の輪郭も次第に曖昧で 
あえて分けようというのも馬鹿らしくなっていく 

ほんの少し甘辛い味付け 
沢庵の銘柄 モルト 
入浴剤 今日のニュース 

できあがっていく中間色は 
泥のように濁っていくようでもあり 
目が覚めるような色合いが出来上がるときもあり 
とり返しのつかない工程を繰り返して 
二つとない紙を作っていく 

とりあえず、おならは我慢