第百六回 お題:「対話」チャンプ作品 ゼッケン ◆ZKKEnLZjOY285 :日々:2005/10/10(月) 12:30:04 ID:crwnJH4+ 搾りたての朝をパスし、 出がらしの昼にベッドから抜け出し、 見知らぬ番号に電話をすると知らない女ではなく知らない中年の男が出る おれは気にしない。セックスしようと言う Pardon? セックスしよう ガチャリと切られ、おれは音のしないように静かに慎重にじりじりと受話器を置き、 すばやく手を離す。完璧。受話器はまた元の場所に なにごともなく しんと静まり返っている。 背中を思い切り伸ばすと、ぼきぼきと骨が鳴って目尻に涙がたまった、あくびをして シャワーを浴び、 頭をかきながら今日はまた別の女の子と街を歩く タバコのヤニで汚れた歯を剥き出して 獰猛な孤独がゲハハと笑っている
チャンプ作品に対する批評 Canopus ◆DYj1h.j3e. 1点 ぼくは最初の4連が気に入ってる。コミカルとシリアスの、ない交ぜに なった洋画を観てるようだった。あるいは松田優作みたいな。後半の描写は、 はっきり言って粗い。 葉土 ◆Rain/1Ex.w 2点 うまいです。 ここで描かれている対話は対話でありながら対話ではなく、しかもそれがポエジーを形成しています。 (慎重に受話器を置くとこが妙にフェチっぽくていい。) 獰猛な孤独はゲハハと笑うんですね。読んでるほうも痛いです。 @携帯 ◆L4LyBSss3w 2点 虫 ◆Yh5.nC8OlA 2点 埃っぽい空気が匂うようです。最終連が剥き出しに思われて 1点マイナスですが、このぬるさは好きです。
準チャンプ作品 (名無し)277 :軋み :2005/10/06(木) 21:46:18 ID:MiS8D/qP そう、もうこんな戯言はやめにして いくつかの長音と短音で構成された 音楽を奏でようじゃないか 君じゃない誰かが屋根の上で踊っている 僕はそれを見て笑いながら涙を流す 小さな水溜りの涙の中で数匹のオタマジャクシが 泳ぎながら死んでいくよ 僕は君の皮膚と筋肉の隙間に入り込んで 静かに音楽を奏でよう それは、今では歌われなくなった歌で誰もが 忘れ去ってしまった音楽で譜面なんてありゃしない それでも歌うんだろ そう僕は歌う それはこんな音楽で 悲しみに打ちひしがれた少女が神に捧げた歌なんだ だけど、その歌は神には届かなく その少女は、八月の夕立の中で雷に打たれて死んだよ 彼女の名前は、マリア 278 :軋み2:2005/10/06(木) 21:51:18 ID:MiS8D/qP 「そうさ、彼女の名前は、母という母の名前なんだ!」 見えるかい? 音でない音に世界が埋め尽くされていく様が 音でない音が、いつのまにか僕らを絞め殺すとき 僕らはあらゆるものを憎むだろう 絶望や悲しみなんて くだらないさ もう、絶望や悲しみは間に合ってるよ! そう、神に告げておくれ 僕は密告したよ 10月の秋空の下で ヒイラギの木に語りかけた 279 :軋み3:2005/10/06(木) 21:55:12 ID:MiS8D/qP 僕は残虐でない残虐を知っているし 優しくもない優しさも知っている それらはすべて、音でない音で 僕の後頭部をひどく打つ -三つの太陽が昇った 東から西からそして私から そしてそれらの太陽が12時 きっかりに僕の頭上でぶつかり合って 破裂した- それが、最後に僕が聞いた音楽だ