(悄蒼紀 中編のつづき より)
あの頃へ帰りたいって
ねぇ君僕の話を聴いてないのかい
時代は変わっているんだよ
僕たちの時代へ帰ろうなんて
悲しいことは言わないで
もうあの頃のスタ−はいないんだ
昔の通行人が今じゃ主役ないだよ
そして僕はごらんのとおりさ
時代は変わっているんだからね
君のところへ飛び込んでゆきたいよ
僕だってあの頃に帰りたい
だけどだけど
すべては過ぎてしまったことなんだ
今さら僕の日々を捜しにゆこうとしたって
そこにあるのは君でもなければ
僕でもないだろう
すべては過ぎてゆく風だけさ
時代は変わっているんだよ
もうあの頃には帰れない
あの頃には帰れないのさ
ひとりぼっちは哀しくて
夜の谷間に隠れてみれば
霞むネオンに優し雨
ほとほと心に滲みてくる
誰かの胸でやさしく抱かれ
悲しい歌に眠ってみたい
深い眠りに誘われて
ゆえなき涙で汚れてみたい
どこまで歩けば気づくやら
さみしいさみしいひとりきり
悲しい悲しいひとりきり
どんなに心がすさんでいても
せめて感情の泉は
あざやかな理想主義者でありたい
頽廃という泥沼に堕ちて
救いようのない厭世主義に陥ろうとも
せめて感情の泉は
あざやかな理想主義者でありたい
小春日和の中で
小枝の蔭で遊ぶ坊やよ
さあ素直に強く
育っておくれ
大きな夢を追いかける人に
育っておくれ
僕のぶんまで
小春日和の中で
無邪気にはしゃぎ回る坊やよ
さあ優しく僕に
微笑んでおくれ
幸せの虹を描ける人に
育っておくれ
僕のぶんまで
小春日和の中で遊ぶ坊やよ
雪の中の中で
ひとりでお空見ていたら
灰色雲からひょっこりと
かみなりさんがのぞいてる
この広い広い世間を
寒そうだから僕が
ほうっと息を吹きかけた
そすると真っ赤なかみなりさん
うれしそうに笑ってた
雪の中の中の出来事
もうすぐ春のお花たち
僕を呼びにやって来る
今は冷たい冬だから
ひとりおこたで遊んでよ
お利口さんに座って
雪の中 雪の中 雪の中の中の出来事
もうすぐ冬だねとあなたはいうけど
僕は何もこたえはしない
いまのまにかに
きまずさがつのり
寒さが身に滲みて
季節の流れを感じた
もう秋の終わり
何もかもが舞い落ちる
そんな淋しさだけが
今のふたりをつつんでる
もうすぐ冬だねとあなたはまたつぶやく
それでも僕はこたえはしない
あなたは影を落とし
溜め息ひとつ
寒さが身に滲みて
季節の流れを感じた
もう恋の終わり
すべてのものが朽ちていく
そんな虚しさだけが
今のふたりをつつんでる
遠きにありて想うものは
せせらぐ川と蝉の声
親父お袋元気だろうな
時は流れぬ故郷で
遠きにありて慕うものは
優しいあなたのあたたかさ
ふたりで歩いた野の小道
今も緑が似合うかな
遠きにありて望むものは
やさしい春とこの情景
散歩に出れば子供たち
はしゃいで駆ける安らかに
朝 目か覚めたなら
お話しておくれ
朝 目か覚めたなら
お話しておくれ
坊やお願いだから
お話しておくれ
夢で見た未来を
私におしえて
坊やの国で
眠りつづけたいの
朝 目か覚めたなら
お話しておくれ
坊やお願いだから
お話しておくれ
風が吹いて行くよ
風が吹いて行くよ
そこに何が残るのかは知らないけれど
風が吹いて行くよ
風が吹いて行くよ
そこに何があるのかは知らないけれど
ただ風が吹いて行くよ
今はこうして
さみしさを風に流して
すべてをみんな忘れてしまおう
今はこうして
かなしみを風に流して
すべてをみんな忘れてしまおう
ああ風が吹いて行くよ
ただ風が吹いて行くよ
想い出せばひとり
ひとりぼっちで泣いていた
それも夢だと知って
またひとり涙流す
恋の終わりはいつも
ひとりぼっちで歌うだけ
誰もみなすぎてゆく
悲しい雨の中で
夢をみたのあなたの
やさしい瞳が笑ってた
いつも二人の影ひとつ
そんな素敵な恋だった
だけど今はもう
ひとり私の夜は
想い出だけが通りすぎ
うつろな星の光に
思わずまた涙流す
思いもよらぬ
私の涙
瞳がうるんで
私は何も見えなくなった
笑っているのに
笑っているのに
夕べの空は夢桜
うす紅色の流れ雲
君を想い描いた空は
ひと花ごとに落ちてゆくのか
恋は理性を越えて
天の果てまで浮かぶ雲
すべての価値が希薄となり
意識の末葉まで君
君のことしか考えられない
君のことしか目にはいらない
恋は無限に落ちてゆく
恋はつるべ落としのように
涙のつぼに落ちてゆく
わたしは船で
あなたは風で
あなたのままに
ゆれるわたしよ
あなたはいつも
きまぐれ風で
わたしの心を
くすぐるばかり
わたしはいつも
あなたのために
愛という名の
小舟でいるの
小さな手
君の小さな手
君の小さな手をとり
歩く道
どこまでも
君とどこまでも
君と二人で生きて行く
この道を
小さな灯
君と小さな灯
蝋燭ひとつの
小さな灯
しあわせの
君としあわせの
君と二人で育てる
愛の灯を
時にはふけゆく秋の夕暮れに
ひとりふらっと歩くこともある
何を見るでもなく
誰をさがすわけでもなく
時の流れを感じるために
ひとりふらっと歩くこともある
秋は悲しく燃えて
知らぬまに落ちてゆく枯葉は
どこからともなく
風に吹かれて
いつしかその命を終えてしまう
白い雪に包まれる前に
人知れず静かに
時の流れの犠牲となって
モグラのように
急にどこか突然に
暗くすさんだ息苦しい
憂鬱な部屋にもぐり込む
朝日のあたる
そよ風の吹く
大きな部屋から突然に
後悔の声さえ今はない
何をやるにも
何も知らない
何から始めれば
何かが始まるのか
それも知らない
結局僕は阿呆
右を見ても
左を見ても
そこにあるのは
みんなごろつき
みんな他人の手垢のついた
使い古し
人生の指示版も
すっかり手垢のついた
ありふれた俗っぽさ
結局僕は
手垢のついた
お人形
恥を隠せば
嘘が生まれた
嘘を隠せば
道化が生まれた
道化を隠せば
空虚が満ちた
空虚を払えば
非難が生まれた
非難が消えれば
自嘲が残った
自嘲が失せれば
沈黙があった
何処に自分がいるのか
探すことは不可能なのか
何処へ自分が行くのか
求めることは不可能なのか
どうせ僕は
何処でどう生きようが
同じだろうか
僕は自分を見つめていたい
ただそれだけなのに
誰ひとり耳をかしてはくれない
何処へ行っても
網の中をもがいているように
すぐ悲しみの餌に
釣り上げられてしまう
どっぷりと
悲しみの中に漬かってしまう
これが僕の宿命だろうか
仙台シティ−ナイト
夜のハイウェイ
揺れるワイパ−に
銀の雫
街の明かりが遠のいていく
俺の心も遠のいていく
哀しみだけのル−ト45
八木山橋から
泣いてた君
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・ル−ト45
野蒜を越えて
大浜まで
雨に泣いてる
シ−サイドロ−ド
どこまでいこうか国道沿いを
街にもどろうかこの雨の中
言葉にならないル−ト45
北島 悄平