| パチパチ。 拍手ではない。これがゲームならSEを入れることによって解決する問題なのだが、文章なので この擬音が何を指し示すのかみんな分からないと思う。 説明しよう。焚き火をしているのだ。 「あれ?ケンイチ、なにしてんの?」そこに、エトナがやってきた。 「説明しよう。焚き火をしているのだ」 「はぁ…」 「まぁやっぱり寒いしね」 「わたし思うんだけど」 「なに?」 「第七話ってちょっと急展開すぎない?」 「第七話とか言うな」 「えー、自分だって↑の方で文章とか言ってるじゃん」 「……」 「はぁー、それにしても。あったかいねー」 そう言って彼女は座り、焚き火に手をかざしながら白い息を吐いた。俺はそれをただぼんやりと 見つめていた。いや、正確には見とれていたと言った方が正しいだろうか。 とにかく、それは純粋で、美しくて、儚くて。この日々もいつかは夢のように―――。 …なんて。そんなくだらないことを考えてしまった。 「あ」思いついたような表情。 「どうした?」 「あのさ、いい考えがあるんだけど」 「お、なんだなんだ?」 「焼き芋しない?」 「や、焼き芋〜?お前俺より日本人っぽいな、悪魔のクセに」 「へへ〜♪」 誉めているワケではないのに得意気に笑う彼女は、とても可愛かった。 「うーん、いいけどさ。芋喰うとオナラが出るらしいけど大丈夫?」 バキッ。 ☆ 「さー、いってみよーう!」 「分かりましたエトナ様、ただちにこしゃくな(どちらかというと男爵だけど)イモを放り込みます」 「つまらんギャグを言うな」 「言ってません!心の中です、勝手に読まないで下さい!」 「次にしょうもないこと言ったら、分かってるよね?」 「はい。もうあれ以上の地獄を味わいたくありません」 そう言って燃え盛り、形を変えていく炎の中に次々と芋を放り込んでいく。 俺もエトナも、ただそれをずっと見つめていた。 …そして、イモを取り出しゆっくりと銀紙をはがして、二人でほお張る。 「いやー、おいしーですなぁ」と彼女。 「全くですなー」と俺。 「ありがとね」 「ん?なにが」 「…いや別に」そっぽを向いて苦笑いしながら、彼女はそう言った。 「ま、これからもよろしく」そう言って手を差し出す。 流線型の僕の気持ちは、音も立てずに溢れ落ちる水のようだった。 冬なのにあったかいのは、焚き火のおかげだろうか。…そういうことにしておこうと思う。 |