らぐな日記!?

第九話 


砂塵巻上げノビ娘は進む。ここは地の果て流されて、俺!





えいえんはあるよ。ここに、あるよ・・・。
私は永遠より刹那ですわ。真実姫です。


フェイヨンを出てから、一路西へ。
目指すは砂漠の国、モロクですわ。

それにしても、この刺すような日差し・・・。
なかなかに辛う御座いますわね。
砂を巻く風が、熱の塊となって吹き付けてきますわ。
うう、汗と砂が体に張り付いて気持悪い事ったら!
これでは、さしものグフも作動不良を起こす訳ですわ・・・。
月の砂漠などとロマティックな事を考えておりましたのに、砂をかむのは日々の生活だけにして欲しい物ですわね。


初めて見る化け物共も多く居るようですが、此れでは戦う気も起こりませんわね。
暫く歩いてみるものの、行けども行けども同じ景色・・・。
何時しか足を交互に動かすだけのからくり人形の様になっておりましてよ・・。
い、いけないわ。
このままでは人間では無くなってしまいそう。
えと、何か考えなくては・・・。
・・・・・・・・。
・・・・・。
ふらふら。
・・・。
・・。
「人工衛星が火事なんですって!?」
「ぼやジャ-。」
・・・・・・。
・・・ふふ。面白いわ。
・・・・・。
「トラクタ−が、虎喰った!」
・・・えへへ、最高ですわ・・・。
・・・。
え-っと・・・。
おっとっと・・・。
この砂、砂の癖に揺れますのね・・。
気の所為か、空も揺れていますわね。
何がそんなに嬉しいのかしら・・・?。
私の事が面白いのかしら。
・・・・。
「干し芋が、欲しいもん!」
あ-っはっはっは。ファンタスティックですわ。
・・・・・・。
え、ミミック・・・?
それは、ハンドパワ−の・・・。
・・・・・・・・・。
おや、あれは・・・?

うふふ。
今日の姫は冴えておりましてよ。
あれ?
えっと、何かこう、もっと大事な事が有ったような。
何でしたかしらねえ・・・。
・・・。




真実姫「いや、水ですってば!」


そうでしたわ!
何かおかしいと思っておりましたが、私の竹筒にはとうに水など入っておりませんでしたわ!
うう、頭がぼうっとしますわ・・・。
まさか、フェイヨンの水まで飲んでいませんわよね・・?
ごそごそ。
あ、あったあった。
厳重に封をして有りますが、何やらかきむしった後がありましてよ。
やれやれ、危ない所でした。
早速、このオアシスで水分補給ですわ。
んぐんぐ。
ぷは!
う-、染みますわね−♪
軽く水浴みでもしましょうかしら。
・・・・・。
いやいや。
泳げない私にとって、水辺は鬼門ですわ。
ここだって、砂で底が浅いように見えますが、きっと底の砂が流れ出して、底無し沼でした!な-んて落ちに決まっていますわ!
騙されませんわよ。
この世は悪意に満ち満ちているのですわ。
さて、兎に角も進まない事には私の死体が虫どものオアシスになってしまいます。
いざ立ち行かん、砂漠の国へ!




水も飲んで落ち着くと、少々お腹が空いて来ましたわね。
それにつけても、砂漠の化け物はどうにも喰えそうに無い輩ばかりですわ。
サボテンなら行けるのかしら・・・?
い、いけないいけない。
相手の実力も解らずに手を出して、痛い目に遭うのは、せめて、試験の後にしましょう。
姫も、少し大人になりましてよ。
何時の日か、少女だったと懐かしく思い出す日も来るでしょう。
それまでは、このガラスの階段をひた昇りますわ!
ガラスの階段・・・・。
言葉尻は美しいですが、下から課長とかが覗いていそうですわね、H2O。


ああ、やっとの思いで到着致しましてよ!
街とは言えこのモロク、砂漠の上に囲いを作ってその中に砂レンガで家を建てていますのね。
熱気や砂埃は砂漠とあまり変わりませんが、やはり人の臭いがあるとほっとするものですわ。


存外人も多くて、なかなかに賑やかな様子。
ですが、何やら妖しげな香のする街ね。
・・・・ここには、裏社会の風が吹いていますわ。
私が国を取った時は、一大掃討作戦が必要ですわね・・・。


何はともあれ、目的達成ですわ。
こんな苦労はとっとと終わらせて、早く西洋陰陽師へ成り上がりたいものです。
今からわくわくしますわね!
一体、どんな素敵な力が授けられると言うのでしょう。
500円玉に、タバコが通ったりするのかしら!?
コタツから出ないでみかんが取れたりするといいですわね!
・・・・・。


いけません。長い孤児生活が姫の感覚を極めて庶民的なレベルにまで落としてしまっているようですわ。
ま、多少こういった感覚があったほうが民の気持が解って良いものですわね。
・・・ふ-む・・。
街の中を歩き回ってみたものの、係りの者が見当たりませんわ。
水周りを探してみたものの、大きな溜池以外無いようですし・・・。
王宮らしき建物の周りに豊富な水が蓄えているのは、民の生活用水と共に王家の権力の誇示ですわね。
なるほど、この砂漠では水を制するものこそが権力を握ると言うわけですのね。
私の帝王学ノ−トに新たな1ペ−ジが加わりましてよ。
砂漠に湧く水と言う物はもっと泥っぽいかと想像しておりましたが、まじりっけなしの砂と言うのはどうやらかなり清潔なものらしいですわね。
この水・・・。
勝手に飲んでいいものかしら?
水辺で涼む人々も多いようですし、私もそれにまぎれてこっそり水筒に・・・。

警備兵 「こらこら、チミチミ!何をやっとるか?」
真実姫 「な、なんですの!この横溝正史作品に出て来そうなダメ巡査は!?」
警備兵 「あんれま!勝手に此処の水を汲むんでねえ!」
真実姫 「ますます濃いキャラになって行きますわね・・。何ですの?良いでは有りませんの、こんなにあると言うのに。」
警備兵 「此処の水は、人々の生命線で、応急の管理下に有るものだべ。其れを勝手に汲むなどと、お姉ちゃん、死刑になってしまうど?」
真実姫 「ち、解ったナリヨ。」
警備兵 「無理にキャラをつくらんで宜しい。」
真実姫 「バケラッタ。」

まあ、水の管理に厳しいのも無碍なるかな。
仕方なく街中で売っている水を買いましたわ。
さて、どうやら目的のものは街の中には無いようですわね。
木陰でここの名物らしいバナナをかじっておりますと、だんだんと人の流れが見えてきましたわ。
全体的に人の出入りが激しいのは街の南門と西門、北西の門ですわね。
私と同じノビの人達は北門と北西門が多いようですわ。
バナナをもう一房買って、・・・・・そうですわね、西の門から出てみましょうか。
人の流れに乗って、私は北西の門を目指しましたわ。
ふむ、見た所、割と強そうな冒険者達が仲間を組んで行く場所のようですわね。
そうして街を抜けた私の前に、巨大な建造物が!

いやはや、何とも見事な物ですわ!
此れを人の手で作ったと言うのですから大した物だわ。
此れを作らせたのは、よっぽどの大人物かバカかのどちらかですわね。
おっと、観光は今度ゆっくり致しましょう。


う-ん、大きな水溜りが有るようですが、どうやら此処ではない様子。
一度戻って、北西の門を目指します。
さて、此処のどこかに・・・・。
ここにも水が沸いていますわね。行って見ましょうか


居た居た、ここも木の陰にこっそり居ましてよ。
全く、意地悪さんなんだから♪



真実姫 「ウオンチュ!モロク水溶液を頂きに参り申し上げ候!」
アルバイト 「は-い。ご苦労様でした!」
真実姫 「全く、周りくどい試験でしたわ。」
アルバイト 「これで、全アイテムが揃うのですか?」
真実姫 「そうですわ。また、ここからゲフェンまでが遠いですわね・・・。」
アルバイト「フェイヨンでしたらまだ近かったのに、運が悪かったですねw」
真実姫 「いえ?フェイヨンにも行きましてよ?」
アルバイト 「え?どうしてですか?」
真実姫 「涙で貴女がにじんで見えますわ。解って下さい。」
アルバイト 「はあ・・。」
真実姫 「よし!これからまた、Long Long Way, From Homeですわ!」
アルバイト 「御気をつけて、御武運を!」
真実姫 「ふふ、貴女もね。」

さて、目指すはゲッフェン! 長かったこの旅も、漸く終焉のときを迎えますわね。
大いなる魔法の世界が、姫を待っているのですわ!



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