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2003(平成15年)
■fiction (順不同)
「大いなる幻影」 戸川昌子 小説
読んでいる間、仕事中も続きが気になって仕方なかった。
とにかく濃厚で、かと思うとほろ苦かったりして。
「処女作にして最高傑作」って褒め言葉は作家に失礼かとも思うが、
そういう賛辞にも納得。
「アルジャーノンに花束を」 ダニエル・キイス 小説
挫折癖のあるわたしが、途中でダレることなく読み通せたというだけですごいと思う。
主人公の求めていたもの、それはきっと読み返すごとに変わっていく。
「雲南の妻」 村田喜代子 小説
その世界にどっぷり浸かって酔った1冊。
この作品のことを考えると、昔見た夢を思い出そうとするときのような感覚に襲われる。
■nonfiction (順不同)
<こんな人生もある、と思った2冊>
「われ万死に値す ドキュメント竹下登」 岩瀬達哉 ノンフィクション
「さびしいまる、くるしいまる。」 中村うさぎ ノンフィクション
<強く明るく生きたいと思う2冊>
「ふたりでひとり 上田馬之助とその妻の物語」 上田恵美子(取材・文/栃内良) ノンフィクション
「ハードボイルドに生きるのだ」 向井万起男 エッセイ
<考える2冊>
「行儀よくしろ。」 清水義範 社会科学
「ひとを<嫌う>ということ」 中島義道 哲学
・・・全然今年の「3冊」になってないが。
去年と比べて、いい本にめぐり合う率が高まったような。
一覧を眺めていると、あ〜これもよかった!ああ、これも!!と、なかなか決まらない。
本を手に取るとき、かなり吟味して買う(借りる)ようになったからだと思う。
読める本はそんなにたくさんないのだから、出来ればハズしたくない、という願望で。
しかし、その代わり、なんとなく読み始めたら当たり!というラッキーはあまり味わえなかった。
次点(順不同)
・山本夏彦の本
・「僕はやってない!仙台筋弛緩剤点滴混入事件 守大助拘留日記」 守大助 ノンフィクション
浅野健一ゼミHP
“5回逮捕・4度目の起訴を追認するマスメディア 仙台・「筋弛緩剤」事件報道の犯罪”
・「詩のこころを読む」 茨木のり子 詩
そのほか、特に印象に残った作品(順不同)
・「カツラー探偵が行く」 小林信也 ノンフィクション
・「黒い画集」 松本清張 小説
・「リプレイ」 ケン・グリムウッド 小説
・「天皇が十九人いた さまざまな戦後」 保坂正康 ノンフィクション
・「主婦でスミマセン」 「主婦は踊る」 青木るえか エッセイ (2003.12.28)
2002(平成14年)
■fiction (順不同)
「ヒミズ」古谷実 コミック
今年一番ダメージを受けた作品。
これにへこまないような立派な大人になりたい。
「牛乳アンタッチャブル」戸梶圭太 小説
雑誌「ダヴィンチ」の’2003年ブレイクしそうな作家’にランクインしていたが、これは大間違い。
とっくにブレイクしているのだ!
そういうわけで、わたしにとっては戸梶デビューになった1冊を。
「白い山」村田喜代子 小説
戸梶が興奮剤なら、村田喜代子は鎮静剤。
あまりにもタイプが違うけど、村田作品はわたしの心を立ち止まらせる。
その湿気の多い世界を懐しいと思う一方、作者の厳しい目に背筋が伸びる思いもする。
■nonfiction (順不同)
「神、この人間的なもの」なだいなだ 宗教・倫理・精神医学
「今日の1冊」に感想文が書けないまま、今年が終わってしまう。
なだいなだ久々の新刊。
オウムや、阪神淡路大震災、米国同時テロなどを経て、
人間にとって宗教とは何か、精神科医にとって開祖とはどういう患者か、
精神病疾患の患者にとって、宗教や医学はそれぞれどんな意味があったのか、などを考えた本。
付箋だらけになってます。
「神隠し」小松和彦 民俗学
日本人が発明した「神隠し」という装置。
この論そのものに著者の人間観がにじみ出ていて、あたたかく切ない1冊。
「グーグーだって猫である 2」大島弓子 コミック・エッセイ
祝!2002年12月!!森羅万象に感謝したくなる名作。
これを読むと急にいい人になってしまう。
昨年に比べて、小説作品をよく読んだ1年だった、わたしとしては。
今年初めて読んですっかり気に入った作家、というのが多かった。村田喜代子・戸梶圭太・安東みきえ・古谷実など。
HPをはじめてから、こういうのどう?と教えてもらえる機会に恵まれ、それによって好きな作家が増えるという幸せな体験ができた。
反面、あれも読みたい、これも読みたい、と若干興奮気味で、読みかけの本がたくさんでてしまったのも今年の特徴かも。
このくせを何とかしなければ。
次点
・「天のシーソー」安東みきえ 小説
・「恋する犯罪」藤原智美 小説
・「黄色い本」高野文子 コミック (2002.12.29)
2001(平成13年)
■fiction (順不同)
「華岡青洲の妻」 有吉佐和子 小説
小説家の「技」を堪能した1冊。小説ってすごいと改めて思った。
「あかんたれ〜土性っ骨」 花登 筐 小説
今年下半期の局地的(っていうかわたしだけ)「花登筐ブーム」の火付け役となった1作。
どうしても志垣太郎や小山明子の顔がちらつくが、それもまたよし。
「神様」 川上弘美 小説
全部追っかけて読むぞーという気にはまだならないけど、
これからこの作家がどう年をとっていくのかがちょっと気になる。
■nonfiction (順不同)
「批評の事情」 永江 朗 評論
”批評家”の批評本。視点があくまでも「読者」であるところが好感が持てる。
批評家達の発言や思想よりも、その仕事っぷりを評価しているのがおもしろかった。
「スプーン」 森 達也 ノンフィクション
「『A』撮影日誌」と迷ったけど、登場する人物の魅力でこっち。
著者がニュートラルな態度でいることへの信頼と尊敬。
「知事のセクハラ 私の闘い」 田中萌子 手記
泣けた1冊。人生って一体何?というかんじ。
どういうわけか、しばらく小説から離れていたんだけど、
今年になって初めて読んだ有吉佐和子の作品がきっかけでふたたび小説を読むようになった。
もう7.8年前のこと、近くの町立図書館の駐車場で古本市があった。
そこに子供の頃からお世話になってる本屋のおじさんがボランティアで参加していて、
なんか掘り出し物はないかな〜と物色しているわたしに、
「これ買ってって読んでみてよ」とおじさんがすすめてくれたのが「有田川」だった。
でも昔の女流作家ってほとんど読んだことないし・・・なんて思ってためらっていると、
「わかった。じゃあおじさんこれあげるから。持ってきな〜」とか言ってくれるじゃないか。
そっか、ただならもらっとくか、でもたぶん読まないな〜、と内心思っていた。
それが今、こんなに大好きな作家になるとは。
もちろんちゃんととってある。捨てないでよかった〜。ありがとうおじさん。でもまだ読んでないよ。(2001.12.25)