第二幕
 
 そう、思いでといえば あの日…私にとって2月1日は思い出深い…という
より、むしろ悲しい日である。
今でも忘れない2月1日に、私はある女性に想いを打ち明けたのだった。この
日の事を話す前に、私とその女性のそれまでの日々を知ってもらうことにしよ
う。
 私が彼女と出会ったのは去年の四月、すなわち2年最初の始業式のことだっ
た。私はいつも通り、友人と冗談などを言い合いながら、体育館に向かってい
るところだった。不意に友人が私に膝カックンをかました。急にバランスを
失った私は、人混みの中へとDIVEしたのであった。
 「あれっ、昨日の晩飯何食べたっけ?っていうか、つぶやきシローっていつ
からいなくなったっけ?あっ、ついでに日本史のH先生の髪の分け目変えてみ
たいなあー。そんでもって、そろそろうちの校長先生の名前覚えよっかな
あー。っていうかお前だれだよ!」
と、まるで死ぬ前の走馬燈のようにくだらない考えが、頭に浮かんだ。そして
そのまま私は廊下の床にしたたかに頭を打った。 

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