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徒然なるままに記す異国滞在漫遊日記(遊び呆けている訳ではないぞ)

日時
2000年5月28日
主な出来事
有名建築物と銀行





シカゴ日記 5月28日

今日はメモリアル・デイ(戦没者追悼の日)で国民の祝日です。アメリカでは国民の祝日が日本より全然少ないため、休暇の管理上はフローティング・ホリディ等として変動性の休暇を採り入れていますが、そこは休暇取得の相互監視機能が作用する日系企業ですから、全く効果がありません。


さて、最近は年度末帰国に備えて、今のうちにすべきことを箇条書きにして、粛々と実施するように努めるようになりました。色々あるのですが、その中の一つとして、今までサボって積極的に廻っていなかった有名建築物の視察があります。これは会社の仕事とは直接関係のない(を絶対持たせたくない)領域です。

これまでも、旅行に行く際には事前に必ず下調べをして、有名建築物は可能な限り訪れるようにしていましたが、量的にはかなり合ること、観光地でない辺鄙な所に合ったりして、とても全部は廻れません。有名な建築物でも美術館の類なら、観光地にあるので行き易いのですが、別荘とか教会などの類は観光地にはまずないので、それを何とか探して見に行くしかありません。

先日近場で見に行ったのがIIT(イリノイ工科大学)で、同キャンパス中にある建築学科のビル(クラウン・ホール)、教会等です。この建物は1950年代にミース・ファン・デル・ローエというドイツ人建築家(ナチスから逃げてきたらしい苦労人)によって設計されたもので、極めてシンプルな建築計画の中に、ドイツ人らしい質実剛健さと均質的な美しさが同居しています。

教会も小作品なのですが、狭い中に大変豊かな空間が広がっています。豊かな空間とは、その場所にいて心地よく感じられる極めて個人的・主観的な印象のことですから、反論しないで下さいね。教会建築にはバロック調の高い塔が必要だ、なんてことは全くありません。むしろ造形的には、かなり自由と言った方が正しいでしょう。シカゴにはフランク・ロイド・ライト作品の教会もありますが、似たような雰囲気があります。やや観光地化されているところが難点。どちらもシカゴの中では最も好きな場所の一つであります。


先般読了した本の中に、銀行に関する面白い記述がありました。
曰く、「日系の銀行が国際的に通用する水準となるためには、資産を50%圧縮し、間接費用を30%をカットし、収入を20%上昇させ、雇用を50%削減すること」、「シティバンクの戦略は、今後携帯電話がチケット代わりや決済手段となるため、個人に直接アクセスできるようになる。よって国際的に通用する金融機関として最低でも10億口座獲得を目標としている、これに引き換え日本最大手の東京三菱でも現在1000万口座しかない」だそうです。確かにこの程度までドラスティックにリストラをやれば、そりゃあ健全になるでしょうね、でもこんなの日本の銀行には絶対不可能ですね。また、10億と言えば日本+アメリカ+ECの人口より多いような気もしますが、かなり飛躍したロジックのような気がします。でもシティバンクの戦略としては嘘ではないようです。

では、アメリカの銀行はそこまできちんとコスト管理がなされているか、本当に余剰人員はいないのか、資産運用面では皆ALM等が駆使されて効率的なのか、等を、シカゴベースの銀行で、普段接するシティバンク、ラサールバンク、バンクワン、東京三菱銀行、等から想像すると、効率性や健全性を誇る等とは、とても言えない状況にあるように見えます。関係ないですが、東京三菱銀行シカゴ支店って対応悪いぞ。

また日本ほど極端ではないにしろ、規模の大きい企業ほど何らかの大企業病に掛かっているのは日本同様で、指摘されるほど格差があるとは思えません。もちろん資産の健全性などの格差は存在しているようですが、一端アメリカ経済が破綻し、株化・不動産価格暴落となれば、たちまち似たような資産内容になるのではないかと思われます。要するにバブルの頃に浮かれた日本企業と同じような浮かれた状況を、今のアメリカ企業が行っているのではないか、ということです。これって当人は絶対認識していない所に危険性が潜んでいるんですよねー。

また曰く「個人から預金を集めて最有効の運用を行い、利益を最大にして預金してくれた顧客に返却するのが銀行の勤めであるにもかかわらず、運用ノウハウは低水準で、あるかないかの金利を付けて返却するのみ。この状況では、銀行業ではなくもはや貸金庫でしかない」と。実に厳しい表現ですが、これは全くの真実で納得できます。確かに運用が下手で、我々預金者にまともな金利もつけられない金融機関に預けるのはおかしい、と納得できるのですが、その他に銀行が無いんですよね。他に預入れ先があれば喜んで預けたいというのが率直な心理です。今私の給与はドル建ですが、金利が5%台のため0.5%の日本と比べると10倍くらい大きく、金利の額は本当に馬鹿に成りません(念のため、元は大きくないです)。将来的にもドルのままで持ちつづけ、円転する予定は有りません。

なお、この辺の指摘に関し、金融機関に勤務しているため、何となく銀行の肩を持ちたくなりますが、肩を持つのは個人的におかしいと思っています。自分はまず消費者であり、自分の個人の生活というスタンスを忘れては行けないな、と思います。自分の生活より会社の利益を優先させるなど、全く考えられないよなあ。この辺を混同している気の毒な会社人間が、我々の世代でも結構出始めていますね。信じ難いです。忠誠心がないという点では、私は入社時から変わりませんが、個人・家族・コミュニティ、その後に優先度を落して初めて所属する会社に(少しだけ)帰属意識があっても良いのかな、位の気持でいるようにしています。この考え方は誤りなのでしょうか?






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