危険書庫



世の中には読者を困惑、笑い、恐怖、恥辱の渦に叩き込む恐ろしい魔力を持った書物が存在する。
ここは部員達が発見したそんな危険書物を
「読んではダメだ……!しかしこれを読まずして……っ」
というアンビバレンツな思いで以って紹介するページです。
この書庫に納められた書物を恐る恐る読んでみるのも一興、また、読まないでいるも良し!
刺激を求めている方、声に出して読みたい日本語をお探しの方、ぜひご活用下さい。

*危険度は★の数で表現。最高で五つ星です。



『道具づくし』 別役実 
(早川文庫)

 悠久の流れの中でいつしか私たちが手放してしまった「道具」や「もの」。そしてそれらを手放すことによって我々が忘れてしまった日常的な生活感覚。「うどんげ」や「にーちょん」など、我々が日常から追いやり忘れ去ってしまった「道具」と「もの」について、それが日常的に存在した当時の生活感覚とともに解説する「道具」解説書。

クマネエ
これを読んである人は腹の皮をよじらせ、
ある人はオノレのアイデンティティが揺らぐのを感じ、またある人は本気で書いてあることを信じてしまったという恐ろしい事態が頻発したため、これは危険書物であると判断されました。
っていうかむしろこのコーナーはこの本のために立ち上げたと言っても過言ではない一冊。ぜひ!
★★★★

『食経』(シヨクケイ)
編者:中村璋八,佐藤達全
出版社:明徳出版
出版年:1978

瀬川草一
中国古典新書というシリーズの中に入っているので、国文学科、若しくはそれに類する学科のある大学なら図書館に入っているかも知れません。
「不老長寿の妙薬」とか「仙人の食事」とか「仙人になる枕」とか「避けるべき食べ物」とかが、とにかくおかしいです。

『あるようなないような』 川上弘美著 
 中央公論新社
〈うつろいゆく季節の匂いがよびさます懐かしい情景、
日々の暮らしで感じたよしなしごとあれこれ―。
うつつと幻のあわいの世界をゆるやかに紡ぎ出す、
不思議の作家の不思議の日常。
じんわりとおかしみ漂う第一エッセイ集。 〉
瀬川草一
読んだ瞬間、描かれている日常に違和感を覚えます。
読み進むうちに違和感は薄れ、川上弘美的日常に慣れ親しみ、読了する頃には何が起ころうと納得して「ああ、なるほど。」と思います。
その直後、読み始めた時のあの違和感が蘇り、足元がゆっくりと崩れて行くような奇妙な感覚にとらわれるのです。
危険です。
「じんわりとおかしみ漂う」どころではございません。
元々曖昧な私の現実感など一気に崩壊して了いそうです。
★★★★