ながい坂




医学部受験。それは、ながい坂だった。私にとっては、とてつもなく長い長い坂だった。
認めたくない。認めたくはないけれど、医学部受験と云う名の「ながい坂」を、今はもう降りなければいけない。
そう思う。
そして、降りるか頂上まで上りきるかのどちらかを決めなければ、決して前に進むことはできないことを、誰よりもよく自分が判ってる。
上り切る自信。今の私にはない。
失敗するのが怖いから、もう、上を直視することはできない。 直視しても、見えるのはぼんやりとした影だけだ。霧がかすんで、よく見えない。 霧の正体は、実は「涙」と呼ばれるものであることも、判りたくなくても、判りすぎるくらいによく判る。(以上、日記より引用)
今は、これからどうすればいいのか全く判らない。判らなくて、そんな自分が自分が不甲斐なくて、泣くこととぼんやりすることしか出来ない。
ただ、漠然と思うことは、自分の気持ちを整理したい、ということ。
自分がどのように過ごしてきたのか。どのように感じてきたのか。そもそも、医師になりたかったのはなぜなのか。それらのことを、思うままに書いてみたいと思う。



誰のためでもない、自分のために。




はじめに
片恋症候群――医学部に、行きたい
氷の下の芽――独学
……絶句――勉強が、ワカラナイ
たった一人――予備校
夜明けあと――1浪時センター試験
ラヴレター――「お元気ですか」
泣きごとは言わない――落ち続ける
受難――「自分は、頑張ってなかった」
散リユク夕ベ――泣いても泣いても
春の歌――仮面浪人を、決意
魂は売らない――親との軋轢
どーせ駄目だと誰が言った――医学部受験を再決意
孤独の章――疲弊
苦しいときには――力を、振り絞る
ゾーイー――助けて欲しいの
きみはわからない、きみの年齢では――「自信」
家並みのむこうにある空――勉強中
また夢をゆく――「逆境に負けない」
ムーンライト・シャドウ――何もかも、もう嫌だ
とり残されて――時間の流れ
空に住む――直前期
ある戦いの描写――合格発表
過ぐる川、烟る橋――不合格=努力不足
みんないってしまう――「喪失」
ポケットの中――「自分」
砂漠の真ん中で――それからのこと
君を送る――「傷」
○をつけよ――無題
翼をこの手に――終章



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