第七章 救出
〜ヴァンガードの文明レベルの秘密〜



(ヴァスター、聞こえる?)
『あぁ、もちろんだ。』
(助けてくれる?)
『いいが、しかし、お前の父親を、巻き込んじまうぞ。』
「くそ!じゃあ、どうすればいいんだ!」
「どうした?お手上げか?おとなしく、その子を渡していればよかったものを。」
「そんなことはしない!」
その時、俺は、ルナが、父さんの近くにい ることに気付いた。
「ルナ義兄!父さんを!」
「あぁ、わかっとるわ!」
ルナが、父さんを連れて、その場から離れた。
「みんなも離れて!」
「え、でも。」
「いいから!」
俺が言うと、クォークのメンバーはその場から少し離れた。
「いくよ!ヴァスター!」
『あぁ、いいぞ。』
「・・・受け入れよ・・・次なる生のための意味ある死を・・・」
「おい、シオン、何言ってるんだ?」
「運命の輪廻には、何人たりとも逆らえぬことを知れ・・・ピウィグよ・・・」
前と同じように、俺の背中から、翼が生えてきて、空へ、飛んだ。
「すげぇ・・・。いつの間に、そんなことを・・・」
「イセリアル・ブラスト!」
手が光り、前と同じように、手にあふれていた光は、ピウィグめがけて、一筋の線になって、飛んで行った。
すると、大きな光のドームが目にはいてきた。
「今度は気を失わなかったぞ。」
『一応、成長したな。』
ドームが消えると、そこには、巨大なクレーターができていた。
「わお!すげぇ威力。」
「ピウィグは?」
「多分逃げただろうね。ぎりぎりで転送して。」
「そうか・・・」
「・・・ウイン博士、いきなりですが、聞きたいことが・・・」
「魔界のことについて、かな?」
「はい。」
(魔界!なんで、ラナがそんなことを!)
『お前、私が、天界の使者を、一人だけなんて言ったか?』
(そういえば・・・!なら、ラナにも、ヴァスターみたいな天界の使者が入ってるの?)
『あぁ、そうだ。確か・・・お前より前に・・・あ、そうだ。あいつに取り付いてるのは、クロウズだ。』
「クロウズ?」
「えっ?今なんて・・・」
「やっぱり・・・、天界の使者が入ってんだろ?」
「なんで、そのことを・・・」
「だって、俺にも、付いてるもん。」
「え?ちょっと持ってて。」
少しの間沈黙があった。多分、クロウズと話しているだろうと思った。
「じゃあ、あなたについてるのは、ヴァスターね。」
「あぁ、そうだ。」
「こんなカンジで、二人が出会うなんてね。・・・あなたは、いつ付かれたの?」
「今日だよ。」
「今日!」
「あぁ、それでさっきうったやつは、2発目って事。」
「二発目であの威力はすごいわ。」
「なぁ、そこの二人、何話してるんだ?」
「あぁ、そういえば、いまいち把握できていない人物が約一名・・・」
「シオン、説明してやって。」
「な、何で俺が!」
「よろしく!」
「・・・はい。」
俺は、ルナに簡単に伝えた。
「ふーん、お前らには、俺が見えない何かが付いてるって事か・・・」
「いや、俺たちも一応見えないんだけど・・・」
「そうなのか・・・?」
「あぁ。」
「・・・博士、さっきの続きなんですが。」
「あぁ、魔界の扉についてだが、私らは、入ったことはないが、行った事はある。」
「本当ですか!」
「あぁ、だが、3年前にもかかわらず、そこには、千匹を超えるモンスターがあつまっとったぞ。」
(ヴァスター、魔界の扉が開いたのって?)
『ちょうど、4年前だ。』
「ふーん。」
「だが、まだ、3年前だ。今は、さらに多くなってるぞ。」
「それは別にいいわ。それよりも博士、その場所を。」
「ここより、300キロほど西の、ダラスの町にあった。」
「ダラスって・・・」
「そうだ、前、話した、ここ数年間で、急激に文明レベルが上がってきているところのことだ。」
「まさか、それって、魔界に関係するんじゃ・・・」
「その可能性もないわけじゃないな。」
「じゃあ。」
「あぁ、魔界が、こっちの世界に広まるのが短くなってしまう。」
「はやく、いかないと・・・。」
「そうだな。」
「ミラージュ、回収して。」
『了解』
しばらくすると、俺たちは、転送室に戻っていた。



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